2023年09月24日

◆ ヒグマ、大量餓死の危機

 ヒグマが食糧不足で大量餓死の危機にある。

 ──

 たぶん地球温暖化のせいだと思えるが、北海道の知床半島で、例年とは違って魚が河口に来なくなったそうだ。そのせいでヒグマが痩せ衰えて、次々と餓死しているそうだ。
 北海道知床半島の羅臼町側で……ヒグマは例年、8月中旬から10月初旬まで、小川の河口付近で産卵で川をのぼるカラフトマスを待ち構える。ところが今年は魚が河口におらず、海に入ってまで探していた。
 半島に約500頭いるヒグマにとって、カラフトマスは晩夏を乗り切る貴重な食糧だ。夏場には食糧となる植物が少なく、クマは総じてやせ細る。カラフトマスの到来で、やせた体を回復させられる。その後は山の奥へ進み、好物のドングリなどで冬眠に備える。その連なりが途切れる状況だ。
 山中特別研究員は「今年はマスに加え、半島のドングリも不作。今年生まれの子グマは7、8割死んでいる。本当に大変な状況だ」と話した。
( → 川面に魚影なく、ドングリも不作 餓死と隣り合わせのヒグマたち:朝日新聞

 「子グマは7、8割死んでいる」というのは、大変な状況だ。人間の少子化どころではない。このままでは絶滅も遠くない。

 ──

 なお、集団の個体数が激減すると、遺伝的多様性がなくなり、近親交配ばかりになって、集団の存続が危機に瀕する……という話がある。
  → たった1頭のオオカミが島全体の生態系を復活させる : カラパイア
 この例では、たまたま外部から訪れてきたオオカミが、集団に新たな遺伝子をもたらして、集団を回復させたそうだ。しかしその効果も限界があった。そのオオカミの子孫ばかりが集団に増えたせいで、またしても近親交配だらけとなって、集団の遺伝子の多様性は失われた。かくて集団はふたたび絶滅の危機を迎えた。

 こういうことと同様のことが、ヒグマにも起こりかねない。人間が地球温暖化をもたらしたせいで、ヒグマの生存条件が脅かされて、ヒグマは絶滅の危機を迎えているのだ。困った。どうする?

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 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。それは、先にも述べた、ヒグマパークだ。
  → ヒグマ・パークをつくれ: Open ブログ

 狭い動物園とは違って、広大な領域にヒグマを放し飼いにして、そこでヒグマが自由に生きられるようにする。しかも、領域内に閉じ込めることで、外部に逃げ出せないようにして、人間に危害を及ぼすことをなくす。こうして人間とヒグマが win-win の関係を保つ。

 ヒグマが絶滅して消えてしまう前に、ヒグマ・パークをつくるべきだ。現状のように、人間の環境悪化のせいでヒグマを絶滅させようとするのは、あまりにも無責任すぎる暴虐さだ。それはいわば、京アニで大量殺人をした殺人犯のようなものだ。
 京アニ事件での殺人犯は、36人を殺した。知床では人間が、500頭いるヒグマを絶滅させようとしている。どっちがひどいだろうか? 



 



 【 追記 】
 小規模のヒグマ・パークならば、すでにあるそうだ。サファリ・パークみたいに、檻のあるバスから観察できる。柵のある空中・遊歩道もある。





 ただし規模は小さい。下記。
 約15ヘクタールの森に11頭のヒグマが暮らす
( → 巨体がうごめく国内唯一のヒグマ専門パーク!サホロ ベア・マウンテン | たびこふれ

 あくまで(見物する)人間のためにあるのであって、ヒグマを保護するためにあるのではない、と言える。
 私の言うヒグマ・パークは、知床の 500頭を含み、もっと大量のヒグマを収容するものだ。規模も非常に広大になる。
 
 ──

 ヒグマ・パークには、柵を付けるとしたら金がかかりすぎる……と思えたが、柵は付けなくても大丈夫だろう。領域の外に出たら、餓死するだけなのだから、中心部に餌を置くだけで、ヒグマは領域の外には出にくくなる。(出れば餓死するだけだ。)

 一方、北海道ではエゾシカが増えすぎて、69万頭もいるそうだ。さらに倍増しそうだという。
  → 北海道に推定69万頭! 対策をしないと5年で2倍に?!
 
 増えたエゾシカを、ヒグマに捕獲してもらうわけには行かないのかな? 
 そう思って調べると、記事が見つかった。
  → 北海道のヒグマが草食化 シカを食べなくなった理由とは?
 「ヒグマは単独では(大型で敏しょうな)シカの成獣を捕獲することが難しく、かつてはオオカミが仕留めたシカを横取りしていたとみられ、エゾオオカミの絶滅が関係した可能性もある

 エゾオオカミの絶滅のせいで、ヒグマも道連れで絶滅に向かうことになる。ヒグマが絶滅する前に、エゾオオカミが絶滅していた。
 その次の絶滅は? 人類ですかね。明日は我が身。
 

  ※ エゾオオカミのかわりに、エゾシカをとらえる罠を設置すれば、罠に引っかかったエゾシカを、ヒグマが勝手に捕獲して、食べてくれるかもしれない。「あのへんではエゾシカを食えるぞ」とヒグマが覚えていれば、ヒグマはその場所から離れにくくなるだろう。(だから人家のある場所まで行かない。)

  ※ 酪農家は、自分の牛が食われる被害を心配するくらいなら、エゾシカをとらえる罠を設置する方がいいだろう。それも、牧場からかなり離れたところに。
posted by 管理人 at 23:23 | Comment(4) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。いろいろと情報あり。
Posted by 管理人 at 2023年09月25日 10:04
カラフトマスは母川回帰のこだわりが無いようで、北海道の川から降海した稚魚は、樺太辺りの河川へ遡上してるのかもしれないですね?
この際、人を襲う凶暴なヒグマなんか、居なくなっちゃえばいいんじゃない?
Posted by hidari_uma at 2023年10月01日 09:32
 ヒグマだって、飢えていなければ、わざわざ人間を襲ったりしないんですが。
Posted by 管理人 at 2023年10月01日 10:30
そうでした!
人間の都合で、ヒグマの生息域を荒しに行った歴史から考えると、責任を取らなければならない現実ですよね?
遡上の時期が単に遅れているならいいな。海水温高いみたいだし。。。
Posted by hidari_uma at 2023年10月01日 11:49
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