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関東大震災の回顧の記事があり、地震対策が話題になった。
この件は、京都に限ったことではない。「地震対策で、木造住宅の密集地(木密)を解消するため、再開発をしよう」という国の方針があり、この方針の下で、各地の対策が進む。
だが、京都では対策が進まないそうだ。次の事情による。
歴史的な木造建築が多く建て替えが難しい京都市など「それぞれ解消が進みにくい特性がある」と国交省担当者は言う。
京都では街並みを残しつつ避難経路を確保する細街路対策事業に注力。袋小路に通り抜けができる扉を設けるなど、大規模な建て替えとは違う方法を模索する。
( → 大阪・京都・横浜…解消遅れる密集市街地 ソフト対策含め模索続く:朝日新聞 )
そういう事情がある。だが、いくら建て替えが難しいからといって、上のような対策では、全然ダメだろう。まったく落第点だ。
とはいえ、一方、(東京の大規模再開発のように)高層ビルを建てる、という方針もダメだ。
あちらもこちらもダメだ。では、どうすればいい? 困った。
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう……と言いたいところだが、うまい案はすでに提示済みだ。下記記事に記した。
→ 京都を観光都市として拡充せよ: Open ブログ
ここに書いてあることを整理して、新たに提案すると、こうなる。
第1に、区画整理をともなうような、大規模な再開発が必要となる。一帯の地域で、ほぼすべての民家を取り壊して、新規に建築する必要がある。新築ができない住民には、退去・移転してもらう。(立ち退き料は十分に払う。)
第2に、京都の中心部の領域は、住宅地でなく、商業用地に転用するべきだ。ここは人が住むべき場所ではない。観光地として、観光客を招くべき場所だ。京都の中心に住みたい人は、特別に高い料金を払う必要がある。(第一種住居地域は設定せずに、すべてを商業地域や工業地域に指定する。)
第3に、京都の中心部の領域では、観光地化するために、すべての建物を古風な木造建築にすることを義務づける。町全体をテーマパークみたいにする。下に「京町家」の動画がある。
なお、現状では、京都の中心部には安普請の近代建築が多い。こういうものは、よそへ移転してもらった方がいい。
第4に、(中心部ではない)外周部には、住居の領域を設ける。中心から移転した人々を、そこに収容する。ここはここで、外国人観光客の目にさらされることもなく、閑静な住宅街の環境が保たれる。ここでは、洋風の建築を立てるのも自由自在だ。観光客が来ないことを前提としているからだ。事例は、下記だ。
第5に、外周部の住居の領域には、公営住宅も設定して、中心から追い出された貧しい人々を収容する。逆に言えば、このことで、中心から追い出すという事業を推進する。
「そんな土地はあるのかよ」と疑問に思う人もいるだろうが、京都の外周部は、田畑だらけで、土地はありあまっている。上の住宅街のすぐそばは、こうだ。
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以上の方針によって、次の二つが同時に達成される。
・ 震災対策ができる。木造密集住宅の解消。
道路がない(道路が細すぎる)問題も解消する。
・ 京都の中心部で、観光都市化が推進される。
混雑の解消。観光の魅力アップ。売上げの増加。
かくて、誰もがハッピーとなる。さらには、多大な人命を救う。
《 加筆 》
「財源はどうするんだよ?」
という疑問が出そうだが、大丈夫。
・ 京都の中心部を再開発することで、開発利益を得る。
・ 周辺の田畑を開発することで、開発利益を得る。
こうして多額の(不動産)開発利益を得るので、出費で赤字になるどころか、大儲けができる。かつて、私鉄沿線を開発して、多額の利益を出した渋沢栄一のように。
→ 北総鉄道と沿線開発: Open ブログ
[ 付記1 ]
京都の現状が、まともな道路もなくて危険な状況だ、という話は、前に別項の最後で記した。
→ 京都を観光都市として拡充せよ: Open ブログ
このことゆえ、再開発の必要が明らかとなる。
[ 付記2 ]
一方で、再開発を心配する人もいる。
「再開発すると、京都の良さが消えてしまう」
と。だが、さにあらず。東京のように近代的なビルに再開発するのは好ましくないが、京都らしい古風な木造住宅に再開発することは好ましいのだ。
ただし、それを成立させるには、古風な木造住宅を建設する必要がある。そのためには、外観にも金を払ってくれることが必要だ。それができるのが商業施設だ。
だからこそ、商業地域に指定することで、地域を観光都市化することが可能となるのだ。
京都の家並みは貧乏日本の象徴です。小さい家、細い柱、薄い壁、狭い道路、ついでにいくらお金を出しても腹6分目くらいの京料理、こんなものを伝統文化と呼ぶ人の気持ちが分かりません。
大事に残すものは精選しなければいけません。歴史のある寺社やその周辺は大事にして、どんどん観光税を取ればよいのです。祇園などはもともと「旦那」が不健全な遊び行くところです。そんなところを貧乏人に開放するから観光公害になるのです。祇園はつぶしても良いと思います。それがいやなら観光公害なんて言わないこと。