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北陸新幹線の延伸は、琵琶湖西方ルート(現行の予定ルート)ではなく、琵琶湖東岸のルートがいい、と先に述べた。
→ 北陸新幹線の延伸 .1 : Open ブログ
そこでは「敦賀〜米原」というルートを考えた。だが、米原で止まらずに、その先の関西空港まで伸ばすといい。
具体的には、下図の通り。

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この経路の特徴は何か? 「徹底してコスト低下を目指している」ということだ。具体的には、地下トンネルを避けるため、住宅地を避けて、なるべく畑を選んでいる。やむをえず都市部を通る場合も、都市中心部でなく郊外を選んでいる。そのせいで、大阪都心に乗り入れることはできない。しかし、地下トンネルを避けることができるので、建設はほとんどが(低コストな)高架で済む。そのおかげで大幅なコストダウンが実現できる。費用対効果の指数は、「敦賀〜米原」で 2.2 を見込んでいるようだが、「米原〜関西空港」ならば、2.2 どころか、3.0 や 4.0 ぐらいを見込めるだろう。(都会部なので、利用者数が大幅に増えるからだ。)
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ルートの解説は、次の通り。
米原から先は、既存の東海道新幹線に沿って進む。このあたりはほとんどが畑だ。
守山市や草津市のあたりでは、東海道新幹線が市街地を走っている。この路線の横に高架をつくるのは困難だ。そこで、新路線は市街地を外れて、その西側の田畑の中を走ることにする。
琵琶湖南端に達すると、橋で琵琶湖を渡って、対岸に達する。そのあと、市街地を高架で進んだあとで、山にぶつかり、山の中をトンネルで走る。
トンネルを突き抜けた先は、宇治市である。ここには駅を作り、京都からの客を受け入れる。(京都駅まで、わずか 18分だ。)同時に、奈良からの客も受け入れる。(奈良の人にとっては、京都よりも宇治の方が近くて便利だ。「大和西大寺〜大久保」は 26分間だ。)
宇治市から、枚方市を経て、東大阪市まで至る。この経路は山裾の郊外ばかりを走るので、地価は低い。(つまり相場よりも高値を付けやすい。だから買収が容易である。)
東大阪市には駅を作り、大阪と奈良の客を受け入れる。東大阪市と大阪・本町駅(または難波駅)との間は、わずか 19分。また、東大阪市と奈良との間は、
東大阪市から先は、郊外を南に走ってから、西に折れて、関西空港に達する。その大部分は郊外なので、高架にすることができるだろう。最後の関空のあたりも、E71 という道路のそばが畑だらけなので、ここに高架を作ることは容易だろう。
結局、都心の繁華街や住宅密集地を通ることはまったくない。せいぜい、郊外の住宅地を通るぐらいだ。また、大部分は畑を通るだけだ。ゆえに、建設コストは非常に低い。このルートを取れば、JR は大儲けすることができるだろう。
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なお、この路線は、東海道新幹線に沿っているので、「第2東海道新幹線」という位置づけになる。だが、事業主体は、JR東海でなく、JR西であるべきだ。なぜなら、北陸新幹線の車両をそのまま(米原から)続けて通すので、車両は JR西が管理するからだ。
「だけどこの場所は、オレたちのテリトリーだぞ。オレたちのテリトリーを、勝手に侵すな」
と JR東海が怒り狂いそうだが、しかし、そんなことは知ったことではない。ほったらかせばいい。
だいたい、北陸新幹線の東側は、JR東のテリトリーを東京まで走っている。だったら、北陸新幹線の西側は、JR東海のテリトリーを大阪まで走るとしても、不思議ではない。文句を言われる筋合いはない。(ヤクザのショバじゃあるまいし。)
そもそも、JR東海 は、「米原ルートは迷惑だから困る」という態度を取っていたはずだ。だったら、何もしないでいいから、何もしないで黙っていろ。JR東海が無為無策だから、かわりに JR西がやるんだよ。せいぜい、邪魔だけはしないでくれ。無能な輩は、口を閉じていればいい。
本来なら、JR東海が、このルートを建設してもよかった。なのにJR東海は、リニアのことばかり考えていて、第2東海道新幹線のことを考えない。だったら、そこに JR西が第2東海道新幹線を建設して、費用対効果の指数が 4.0 になるようにして、ボロ儲けしてしまえばいい。
なお、JR西は、琵琶湖西方ルートだと、費用対効果の指数が 0.8〜0.9 ぐらいになるが、琵琶湖東岸ルートだと、その指数が 2.2 ぐらいになる。さらに、関西空港までの延伸部分が 4.0 ぐらいになる。これほどにもボロ儲けする機会があるのだから、こっちを選ぶべきだろう。
「赤字路線を建設して、国から補助金をたっぷりもらおう」なんていう、さもしいことを考えるべからず。むしろ、「黒字路線を建設して、国から補助金をもらわずにボロ儲けしよう」と考えるべきなのだ。それが賢明な経営者というものだ。
[ 付記 ]
このルートは、「建設のコストを下げること」を最優先としている。そのせいで、利便性の点では、劣ると言える。特に、京都・奈良・大阪の、どの都心部も通っていないが、そのせいで、それぞれの都心部の住民からは「利便性が低い」という文句も出そうだ。
だが、その点は、問題ない。なぜなら、京都と大阪の都心部を通る役割は、東海道新幹線が果たしているからだ。京都と大阪の都心部を通りたければ、東海道新幹線を使えばいい。
今回の新路線は、従来の東海道新幹線が満杯になってきたことへの「バイパス」の効果をもつ。そのためには、このあたりの地域の乗客の一部を分担すればいいのだ。全部を引き受ける必要はないのだ。だから、都心部を通る客のことは、無視してもいいのだ。それよりは、コストを下げることの方が最優先される。何よりも、「国民の税金を無駄につぶさないこと」が最重要なのだ。その点では、他の整備新幹線とは違う。「国の金に頼らず、自力で建設する」というポリシーを立てる。
そこに、本項の提案の意義がある。
( ※ 国の金をもらうことばかり考えている、ごくつぶしの JR西 とは、正反対の発想だ。)
[ 補足 ]
京都北部からは、ちょっと遠い。その意味で、京都北部の人からは「不便だぞ」という文句が来るかもしれない。しかし、よく考えれば、問題ない。
・ すでに京都中心を通る東海道新幹線がある。(前記)
・ 京都北部を通る現行案は、文化財の観点で、反対が多い。
・ 大阪までの利用なら、便利な特急も走っている。
以上の理由で、特に問題ない。
なお、京都北部から北陸新幹線を使う場合には、東海道新幹線で米原まで行ってもいいし、宇治から途中乗り換えなしで北陸新幹線に乗り続けてもいい。お好きな方を取ればいい。
一方、京都から関西空港に行く場合には、現行よりも大幅に便利となる。ほとんど直行するような感じで行ける。宇治での乗り換えが一回あるだけだ。(現行では、京都から関西空港まではひどく手間がかかる。新大阪までは 13分で到達できるが、そこから関西空港まで、在来線で1時間近くかかる。この難点は、大阪市民にも共通する。)
【 関連項目 】
→ 北陸新幹線の延伸 .1: Open ブログ (前項)
これのコメント欄に書いたが、次のことが言える。
北陸新幹線の延伸(米原以降)ができたなら、リニアは米原止まりにしてもよさそうだ。米原から大阪までは、リニアは建設しなくてもいい。東海道新幹線と、第2東海道新幹線(北陸新幹線の延伸)があれば、リニアが通らなくても足りる。コストも激減する。
米原でリニアと接続する場合には、大阪中心部への利用客が増えそうだ。その場合には、東大阪市の手前で分岐して、大阪市中心部に乗り込むルートがあってもよさそうだ。(地下トンネルを掘るので、コスト高になるが。ただし、難波駅に直行すれば、需要はありそうだ。現行の新大阪は、難波駅からは遠くて不便だ。)……京都の人は、新大阪で乗り換えて難波に行くより、宇治で乗り換えて難波に行く方が、ちょっと楽だろう。
【 追記 】
本項の提案(北陸新幹線の延伸)ができると、北陸方面からは、国際空港の利用が劇的に向上する。北陸から関西空港まで直行できるからだ。
「今だって北陸新幹線は、東京まで直行しているぞ」
という反論がありそうだが、それは意味をなさない。なぜなら、東京には国際空港がないからだ。「東京国際空港」という名前の空港はあるが、これは東京にはなくて、はるかに遠く、茨城県のそばの千葉県(成田)にある。新幹線で東京駅に着いても、そこからさらに1時間〜1時間半をかけて、成田まで行かなくてはならない。これでは、うんざりだ。
その点、本項の提案に従えば、北陸から関西空港まで直行できる。お手軽すぎる。電車に乗って、昼寝して、目が覚めたら、関西空港に着いているのだ。こんなに楽なことはない。北陸の人はみんなこのルートを取るだろう。そのことで、北陸の人が世界に羽ばたくチャンスが増える。
逆に言えば、中国などのインバウンドの客を、大幅に北陸に招くことができる。今は中国から来た客が北陸に行くのは非常に面倒だが、本項の提案が実現したあとは、あっという間だ。中国から関西空港に着いたあとで、北陸新幹線に乗ると、昼寝して、目が覚めたら、もうそこは北陸の風景だ。北陸は中国人の客だらけになるかもしれない。そのせいで地価は一挙に倍増するかも。町は大発展しそうだ。
「もう裏日本とは呼ばせない。こっちが表だ。裏と表を引っ繰り返してやる」
「それ、オセロじゃん」
「だったら、本項のプラン名は、オセロにしよう」
おまえ、何言っとんねん。
和歌山や泉南方面から北陸方面はもちろん、東海・首都圏に行くのもすごく便利になります。
茨城にあるのは百里飛行場の茨城空港。
https://trafficnews.jp/post/127932
関空−大阪−京都の「はるか」と
大阪−京都−北陸の「サンダーバード」が統一できる可能性について述べられています。
そうなると関空から2時間数分で敦賀に到着することになるので、
「中国から関西空港に着いたあとで、北陸新幹線に乗ると、昼寝して、目が覚めたら、もうそこは北陸の風景」が在来線で可能になるかもしれませんね。もっとも、敦賀で乗り換えが必要ですが。