道路交通の最適化のために、デジタル的な情報処理を調査する研究所を設立するべきだ。
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道路建設のための組織なら、国交省(旧・建設省)にすでにある。主に建築学科や土木学科の出身者からなる。
それとは別に、デジタル情報処理をする情報学科の出身者によって、道路交通をデジタル的に考える研究所を設立するべきだ。
その目的は? 「道路交通の最適化」である。
その手法は? コンピュータによるシミュレーションである。
たとえば、目的は、渋滞の解消だ。
→ 渋滞を数値で制御する(前日分)
これまでの発想だと、渋滞の解消のためには、ハードウェアを整備することばかりを考えていた。「道路の拡幅」とか、「新路線の建設」とか。一方、それとは別に、「渋滞を解消して、交通量を増加させる」という手段も取れる。これによって交通量を増加させることができれば、新規の路線を一本建設したのと同じぐらいの効果がある。
この際、研究のために、デジタル的なシミュレーションが必要となる。しかし、それをやるのは、建築学科や土木学科の卒業生には、荷が重い。むしろ、情報学科の出身者がやるべきだ。まったく別系統の人材がやるべきだ。そこで、新たに研究所を設立して、独自の人材を雇用することが必要となるわけだ。
この場合、研究所の運営には年間で数億円の費用がかかるだろうが、それによる効果は年間で数十億円か数百億円に相当しそうだ。新規の道路を建設することなく、同等の効果をもたらせるからだ。
さらには、新東名の建設で、最適のルートを探り出せば、そのことで数兆円の効果をもたらすこともできる。
たとえば、「 Openブログの新東名ルートが最適です」とシミュレーションで断定すれば、それによって数兆円の効果が出てくる。
一方、下手に決定すると、圏央道の南側延伸のようなルートを取るので、シーリングマシンの採用で、巨額の無駄な出費をしたあげく、工事難航で工事ストップ……という愚劣な結末になる。
わずかな頭の働かせしだいで、数兆円の利益を得ることもできれば、数千億円の損失をもたらすこともあるのだ。
さらには、首都高では朝の通勤の混雑による渋滞がある。これによる経済損失は多大だ。そこで、「渋滞になる7時台の料金を倍額にして、その前の6時台の料金を半額にする」というふうにすれば、交通量を(多くの時間で)平準化できるので、渋滞を解消することができる。可変的な料金制度を取るだけで、渋滞を解消できるのだ。ほんの小さな頭の使い方しだいで、莫大な利益がもたらされる。
だからこそ、まともな判断をするために、専門的な研究者の組織が必要なのだ。そのための出費を惜しむべきではない。1円を惜しんで 100円を失ってはならない。
( とはいえ、日本政府の伝統は、「一文惜しみの百失い」である。ずっとそうだ。)
[ 付記 ]
「デジタル」というよりは、(ハードウェアに対する)「ソフトウェア」という意味合いが強い。とすれば、「道路デジタル研究所」のかわりに「道路ソフト研究所」でもよさそうだ。しかし、その名前だと、ソフトクリームみたいで、すぐに溶けて消えてしまいそうだ。「デジタル」の方が溶けそうにない。地球温暖化で、暑いしね。
2023年08月29日
この記事へのコメント
ご提案には賛同しますが「デジタル研究所」だと最近の政府の行状からはいろいろとやらかしそうでちょっといやだな
Posted by アラ還オヤジ at 2023年08月30日 07:55
鉄道と合わせて、「交通科学研究所」にしてもいいかも。
Posted by 管理人 at 2023年08月31日 12:18
いいですね
Posted by アラ還オヤジ at 2023年09月01日 07:46
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