渋滞を(ソフトウェア的に)数字で制御することができる。道路のようなハードウェアに1円も費やすことなしに、渋滞を解消できる。
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そんなうまい方法があるのか、と疑う人もいるだろうが、うまい方法を出すのが Open ブログだ。今回は、最初に「困った。どうする?」という文句を付けずに、いきなり名案を出すだけだ。
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そもそも、渋滞はどういうふうにして起こるか? 通常、次のようにして起こる。
「上り坂があったり、トンネルがあったりして、交通量が少し低下する場所がある。そこで交通量が低下すると、そこがふん詰まり状態になるので、そこから手前に延々と渋滞が発生する」
たとえば、交通量が 100 であるとして、ある場所では(何らかの事情で)交通量が 95ぐらいにまで低下する。すると、そこを 100の交通量が通ることはできないから、5の交通量はあぶれてしまう。あぶれた車が、そこに滞留する。すると、それにぶつかった車は、次々と滞留して、渋滞が発生する。つまり、ふん詰まり状態だ。
そして、いったんそうなると、交通量は激減してしまって、ノロノロと徐行したまま、30 とか 50 ぐらいの交通量しか通らなくなってしまう。最悪の場合には、交通量がほとんどゼロになる。(そういう状況で困ってしまった体験をもつ人は多いだろう。)
以上が、渋滞の起こる原理だ。
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そこで、新たに本項で提案しよう。渋滞の発生を、数値的に解決することができる。こうだ。
「最大の交通量を数値的に認定した上で、それ以上の交通量が入らないように、高速道路の入口で入場制限する」
「特に、最大の交通量は、ボトルネックとなる場所の交通量にそろえる。つまり、100 (一般の最大値)でなく、95(ボトルネックとなる場所の最大値)とする」
たとえば、東名高速の最大交通量が 14万だとして、特定のボトルネックでは 12万だとする。この場合には、14万で通れるところがあったとしても、(始点から終点までのすべての路上で ¶)交通量を 12万にそろえる。こうすれば、ボトルネックに達したところでふん詰まりが発生することはない。その場に達しても、なだらかに通行できる。
¶ 後述で訂正する。
そして、こういうふうになるためには、それぞれの入口で入場制限すればいいのだ。
しかも、この入場制限は、ソフトウェア的に制御できる。単に台数を数えて、数が増えすぎないようにするだけだ。
こうして、ハードウェアには1円もかけずに、ソフトウェア的な制御だけで、渋滞の発生を抑制できる。また、交通量を常に最大限にすることができる。(渋滞発生による交通量の低下が起こらない。)
問題は解決した。 Q.E.D.
[ 付記 ]
細かな問題。
(1)
入口で入場制限するには、どういう方法をとればいいか?
通常、赤信号と、進入禁止柵を使う。これらはすでに設置されているだろうが、設定されていなければ、設置するといい。
費用が惜しければ、アルバイトの人間を使ってもいい。(人件費はかかっても、ハードウェア費はかからない。)
(2)
入場制限をするとしたら、どの入口でどのように割り振るべきか? ……そんなことは、どうでもいい。どうせ、あちらが立てばこちらが立たず。各人の間でせめぎあいが起こるだけだ。そんなことにいちいち関与していられない。
ただし、常識的に言えば、「会社が最も儲かる方法」が妥当だ。それは「最も距離を長く走る客を優遇すること」である。それは「始点から乗る客を優遇すること」となる。
ただし、プレミアムを払ってくれる客がいれば、また別だ。(あこぎな商売をしていやがる、と文句を言われそうだが。)
【 修正 】
¶ の箇所は、修正を要する。
「(始点から終点までのすべての路上で)交通量を……そろえる」
と述べたが、これは妥当ではなかったようだ。
田舎の交通量の少ないところでボトルネックが(小さな値で)発生するとしても、そこでの交通量は、都会の(大きな値の)交通量には波及しない。
つまり、交通量をすべての点においてそろえる必要はないようだ。そういう一律な基準ではなく、もっと柔軟な基準で対処するべきであるようだ。
それをどう最適化するかは、まあ、実務の問題になるだろう。一概に示せるものではないようだ。
【 関連サイト 】
本項の提案と同趣旨の話は、すでに実現済みだった……とコメント欄で教えられた。
→ 首都高C2の渋滞 特効薬は入口封鎖 | 乗りものニュース- (2)
ここに「高速道路の入口の閉鎖」や「入口での一時停止」という措置が示されている。ただし、近年はあまり実現されなくなったそうだ。そのせいで近年は渋滞が増しているそうだ。
まあ、単なる閉鎖だと、評判が悪いのも仕方がない。本項のように、「開けたり閉めたり」とか、「各料金所で交替して分担」というような方針ではないから、特定の料金所だけに固まって負担が襲いかかる。それでは不公平だ、ということになりそうだ。
もっと精密に数値制御すれば、デメリットを避けられるんだけどね。
2023年08月28日
過去ログ
>たとえば、東名高速の最大交通量が 14万だとして、特定のボトルネックでは 12万だとする。この場合には、14万で通れるところがあったとしても、(始点から終点までのすべての路上で)交通量を 12万にそろえる。
最大交通量は海老名JCT−横浜町田ICの14万、大和トンネルは12万という感じなのでしょう。静岡県内になれば東名は片側2車線ですから12万すらさばけないでしょうし、12万もの交通量が発生することもないでしょう。例えば静岡県内の片側2車線区間の交通量が10万、ボトルネック部分が8万だったとします。その場合、(始点から終点までのすべての路上で)交通量を 8万にそろえるのですか?
言われそうだと思ったけど、元ネタは私が書いたことだし、そのまた元ネタは一般常識だしね。何年か何十年も前から言われていたことだし。
> (始点から終点までのすべての路上で)交通量を 12万にそろえる。
これはちょっと無理がありましたね。修正しておきます。
首都高で行っている対策として、
入口閉鎖、一時停止という方法があります。
数値制御とは微妙に異なる方法ですが。
これらの方法は、それなりに有効だと思いますが、
デメリットもありますよね
交通容量(一定の時間に通行できる量)は基本的に車線数で決まり、渋滞は「交通量>交通容量」の時に発生します。
しかし、正確に言うと、車線数で決まるのは「交通容量の上限、もしくは理論値」というべきものであり、実際の交通容量は容易に理論値より低下します。
話を簡単にするために1車線、坂やトンネル、合流や分岐がない理想的な状態で、時速40q、車間40m(この場合の舎監は前車の先頭から自車の先頭。車の長さを考えない)だったとし、この時の交通容量を1とします。
たとえば「見物渋滞」が起こったとします。対向車線で事故が起こった場合、それを見るために速度を落とす人がいます。
・もちろん、先頭の車が止まってしまえば交通容量は0になり、一気に渋滞が発生します。
・もともと時速40q、車間40m(この場合の舎監は前車の先頭から自車の先頭。車の長さを考えない)だったものが時速20qに下がったとします。後ろに続く車が時速20km、車間20mにすることができれば、交通容量は変わらないので、速度は落ちても渋滞は発生しません。
・一方、後ろの車の中に時速40q、車間20mの人がいたとすると、時速20qに下がったときに車間10m(前者の車の長さが5mとすると、前車の後ろからの車間は5m)にするのは難しいです。必然的に
・ブレーキを踏み、時速20qより遅くなる
・時速20qはキープするが車間も20mで変わらない
といった行動になります。いずれも交通容量が低下し、さらなる渋滞の原因になります。
交通容量=車線数×時速÷車間
で表せます。多少の容量低下要因があっても渋滞なしでいられるのは時速=車間、つまり交通容量=車線数の場合です。
先の例でいうと、通常の場合
交通容量=1車線×時速40q÷車間40m=1
です。単位は無視してください。
時速20q、車間20mになった場合、
交通容量=1車線×時速20q÷車間20m=1
です。
一方、時速40q、車間20mになった場合、
交通容量=1車線×時速40q÷車間20m=2
です。つまり、みんながこの運転をすれば、同じ時間で2倍の車が通れます。
しかし、これは見物渋滞のようなちょっとしたかく乱要因があるだけで崩壊します。持続不可能です。
逆に、時速40q、車間80mになった場合、
交通容量=1車線×時速40q÷車間80m=0.5
です。つまり、みんながこの運転をすると、同じ時間で半分の車しか通れません。
しかし、前の車が見物渋滞で時速20qまで速度低下しても、次の車に十分な車間があれば、時速20qまで落とす必要がありません。車間の調整だけで乗り切れます。これを「渋滞吸収運転」と呼びます。
このように、実際の交通容量は運転者の技量によって簡単に変化します。ですので、管理人さんのおっしゃるように「渋滞を数値で制御する」ことは不可能でしょう。
無為無策で渋滞を拡大させたまま(最悪状態の維持)なのが最善だ……という、のび方式は、不成立。
──
なお、極端に言えば、入り口を常に半分の量だけ閉じてしまえば、渋滞は起こるわけがない。ゆえに「不可能」ということはない。
それでもまだ納得できないのなら、「入口を常に全部閉じてしまう」という、極端な状況を考えればいい。これなら渋滞は絶対に起こらない。
「◆ 渋滞を数値で制御する」
なんて複雑なことは不要で、
サクさんのおっしゃっていた
「入口閉鎖、一時停止」
がシンプルにして最強ですね。
2車線しかない首都高速が事故で2車線ともふさいでしまうとなった場合、渋滞吸収運転も意味がありませんので。
ただし、事故で2車線のうち1車線(左とします)がふさがった場合であれば、
事故現場手前の交通容量=2車線×時速80q÷車間80m=2
とすると、
事故現場の交通容量=1車線×時速80q÷車間40m=2
のように「右車線に合流し、事故現場を通る一瞬だけ車間を半分に減らし、通過後は速やかに2車線に広がる」
これは減速を伴わないので自動運転が当たり前にならないと実現は極めて難しいですが、
事故現場の交通容量=1車線×時速40q÷車間20m=2
のように、「速度を半分にする代わりに車間を1/4」でも同じ交通容量を確保できます。
そのためにはみんながジッパー合流に努め、事故現場だけはできるだけ速度を落とさず、車間を詰めて通過するのが大切です。
一方、意地悪をして左車線からの合流を邪魔する人がいて、左車線の車が止まってしまうと、渋滞の車列があっという間に伸びます。一度止まってしまうと、右車線への合流はかなり難しくなります。
しかも、1車線しかない区間が長くなるので、車間を詰め、速度を上げて走り続けるのも難しくなります。
このように、ミクロの渋滞(部分的に交通容量が少なくなることで起こる渋滞)であれば、ドライバーの心がけ次第で良くも悪くもなります。
問題はマクロの渋滞(2車線に目いっぱいの車が走っている(交通量≒交通容量=2)ところにIC/JCTから車が流入し、交通量>交通容量となってしまう場合)で、この場合は入口の閉鎖しかないでしょうね。
「不可能だ」という説は撤回したんですね?
しかし、上のシンプル方式はダメだ。
どこを閉鎖するかわからずに、やみくもに閉鎖しても、何の効果もない。東で渋滞しているのに、西の入口を閉鎖しても、東の渋滞には何の効果もない。
どこを閉鎖すればどのくらいの効果があるかを、きちんとシミュレーションするべき。さもないと、無駄玉を打つことになります。敵を撃つより、味方を撃つ結果に。
>東で渋滞しているのに、西の入口を閉鎖しても、東の渋滞には何の効果もない。
提案者を馬鹿にしているのですか?
>どこを閉鎖すればどのくらいの効果があるかを、きちんとシミュレーションするべき
渋滞発生個所直前のIC入口は無条件で閉鎖してもいいでしょう。渋滞発生個所を100%の確率で通過するからです。閉鎖した入口から、レッカー車などの車両も入りやすくなるでしょう。
それより手前になると、渋滞発生個所の手前で降りたり分岐したりする人が出てくるので、一律閉鎖は乱暴になります。したがって、素早く渋滞情報を電光掲示板に表示し、自主的に高速に乗らないよう仕向けるしかないと思います。
> 「入口閉鎖、一時停止」がシンプルにして最強ですね。
というのと、矛盾するでしょ。その方法でまさしく渋滞解消が「可能」なのだから、「不可能だ」とは言えない。
> 提案者を馬鹿にしているのですか?
首都高の運営自身が、入口を閉鎖する方法をやめてしまったんです。そのせいで渋滞が急増中。
馬鹿にしているとしたら、自分自身でしょう。
> 渋滞発生個所直前のIC入口は無条件で閉鎖してもいいでしょう。
そこだけが一方的に負担をし続けるのは不公平。そこの入口に大停留が生じてしまう。
あちこちの入口で少しずつ交替して分担する方が公平だ。
あちこちで10分間ぐらいの遅れが生じるのと、特定のいい箇所だけが3時間の遅れが生じるのとでは、後者には不公平感が生じる。
に記した
・初乗り料金はその日の最初しか徴収しない
制度ができれば、渋滞緩和に役立つと思います。
入口を閉鎖しなくなったのは「混んでいてもいい、とにかく高速に乗りたいんだ」、もしくは下道が整備されていないために高速に乗りたい(常磐道では江戸川を渡るために三郷SIC−流山ICの1区間だけ乗る人もいるそうです)といった人がいるからでしょう。であれば、渋滞手前のICより手前にいる人に降りてもらうしかありません。
現在は、いったん降りて次で乗りなおした場合、乗り続けた時より利用距離は短いにもかかわらず、料金が高くなってしまうので「せっかく乗ったのだから渋滞を抜けるまで我慢しよう」という心理が働きます。
・初乗り料金はその日の最初しか徴収しない
制度があれば、料金が安くなるので「渋滞しているならいったん降りよう」という心理が働き、交通量が減るはずです。
それは、渋滞が起こったあとの緩和策でしょ?
私の案では、渋滞そのものがなくなります。渋滞がなくなったあとでは、渋滞緩和策は不要。出番がない。
──
一般的に言えば、首都高の抜本的な対策は、時間制の変動料金です。朝の混雑時には料金を上げればいい。そうすれば混雑時の集中が消えて、分散されるので、渋滞もなくなる。道路会社も儲かる。
7時台は倍額ぐらいに上げて、6時台は半額ぐらいに下げれば、かなり分散されそうだ。
たいていのことは、金でカタが付く。出たり入ったりという複雑な操作は不要。そんなことをしても、あまり意味がない。
まあ、事故渋滞は置いておくとして、交通量>交通容量にならないよう、どのように入場制限を行うのですか?‥と思ったら変動料金制ですか。
>7時台は倍額ぐらいに上げて、6時台は半額ぐらいに下げれば
ETC深夜割引は「毎日午前0時〜午前4時の間にご利用いただくと30%割引になります。 すべての車種が対象になるお得な割引制度です」とあります。
たった30%の割引ですら、午前0時より前に、入り口には午前0時を待つトラックが行列を作っているのはご存じないですか?
もし本当に6時台が半額で7時台が倍額なら、料金差は400%ですから、7時までの入場を目指してIC入口には車が殺到し、入口近辺の道路を中心に渋滞が発生するでしょうね。そして乗った先でも渋滞が発生するでしょう。どうせ変動料金制にするなら、10分ごとに5%ずつといった感じでもっとバリアブルにしなければいけないのではないですか?
その話は前に扱ったけど、すでに「料金変動を段階的に変える」という対策が取られると決まっています。実施は来年度から。
→ https://digital.asahi.com/articles/ASR1L6H9FR1JUTIL039.html
> もっとバリアブル
もちろん。いちいち書かなかっただけです。そんなことは書かなくても、すぐにわかることだし。細かすぎるし。
上では話を1行だけで簡略化して書いただけです。詳細はもっと長くなるのは当然。
そういう細かな話で突っ込みを入れるのを「揚げ足取り」と言います。くだらん。
交通容量のバッファを、速度で調整できれば低コストですむのでは。これに時間帯別料金制をプラスして、また渋滞しない速度はVICSやインターネットで常時表示しておけば、「高速遅いし使うのや〜めた」となって、分散する・・・なんて上手くいきませんね。皆さん好きな速度で走るでしょうし。
速度に比例した車間距離を取っているのであれば交通容量は速度に無関係なので、速度だけ表示してもあまり意味はないかと思います。
>皆さん好きな速度で走るでしょうし。
好きな速度で走れるなら交通量は大したことがありません。交通量が多くなるとすべての車線に車がまんべんなく走るようになるので、好きな速度では走れなくなります。
そういった「渋滞一歩手前」の状態を「渋滞」にしてしまうのは、速度より車間距離です。
渋滞を起こさないためには車間を広めに開け、前の車の速度変動を吸収する「渋滞吸収走行」がいいのですが、その車間をめがけて割り込んでくる人がいます。
そういう人の言い分は「車間距離を開けるから渋滞になる」「そんな走行をしてもその車の後ろが渋滞になるから無効」ですが、そんなことはありません。
車線変更をしている瞬間は2車線を1台の車が占有しているので瞬間的に交通容量が低下しますし、それより問題なのは割り込まれた側がブレーキをかけ、速度変動が大きくなってしまうことです。
一度ブレーキをかけると、後ろにいる普通の人(渋滞吸収走行をするほど車間を開けておらず、無理な割込みもしない人)もブレーキを掛けます。その減速波が伝わり、渋滞になってしまうのです。
渋滞を解消する「渋滞吸収走行」とは
https://kurukura.jp/article/180809-20/
では、2009年、2車線だった小仏トンネルに2車線×4台の「渋滞吸収隊」が向かい、渋滞の解消に成功したという記事があります。