──
北陸新幹線は、「金沢〜敦賀」が 24年春に開業するが、その先の延伸が難航している。理由は二つ。
・ コスパが悪い。採算に乗らない。(たぶん赤字になる。)
・ 京都の地下を通るのが、文化財的に問題がある。
これを扱う記事が朝日新聞に掲載された。
国土交通省の17年の試算では、費用対効果の指数は 1.05で、効果が投資をわずかに上回る程度。しかも、当時より建設費などが高騰していて、実際の費用対効果がどうなるかは、見通せない。
Q 建設費は誰が出すの?
A 主に税金だ。国側は新幹線を運行するJR各社から、線路などの貸付料を30年間、徴収する。建設費からこの貸付料を除いた分のうち、3分の2を国が、3分の1を自治体が負担する。
( → (そもそも?知りたい吉田くん)北陸新幹線、大阪まで延ばすの? 鷹の爪×朝日新聞:朝日新聞 )
試算のときに比べて建設費が高騰している。かくて、赤字になるのはまず確実だ。値上がり率が 15%だと仮定すると、費用対効果の指数は 1.05 から 0.9 へ悪化し、慢性的に大赤字となる。(費用の 9割しか収入を得られない。)
実際には、値上がり率が 15% で済むはずがない。10年以上の長期にわたって工事をすれば、値上がり率は 25% ぐらいになりそうだ。すると、費用対効果の指数は 0.8 となりそうだ。滅茶苦茶な大赤字となる。
その上、路線は8割がトンネルなので、建設コストがべらぼうに高くなる。
ここまで判明したら、「この路線は建設中止」とするのが正しいとわかる。
かわりにどうするか? 代案はすでに出ている。敦賀と米原を結ぶ路線(琵琶湖の東岸を回る路線)を取ればいいのだ。これならば、地下トンネルを掘る必要もないので、費用が格安になる。費用対効果の指数は 2.2 となり、大幅黒字になる。
「だったらそうすればいいだろ」
と思うだろうが、肝心の事業主体である JR西が大反対しているそうだ。
そこで再浮上したのが、当初の有力候補であった米原ルートの復活です。
わずか46kmの区間を建設するだけで済むことから、費用対効果や工期の面において、圧倒的に有利とされています。
しかし、これに反対するのがJR西日本。自社の新幹線路線拡大のチャンスがなくなってしまうことから、反対しています。
( → 北陸新幹線米原ルートを復活させた場合の課題について | ゆきスギ91のブログ )
JR西は、こう思っている。
「琵琶湖西方ならば、すべての路線が JR西になるので、オレたちの権益が上がる。一方、琵琶湖東岸だと、JR東海が儲かって、オレたちのうまみが少ない。どうせ建設費は国が出すのだ。他人の金で事業するのだ。だったら、さんざん金を出してもらって、自社の管轄でやりたい」
と。要するに、
「とにかくオレたちの権益を拡大したい。そのあと赤字がたっぷり出るが、その尻拭いは、国民にツケ回しをすればいい」
ということらしい。つまり、
「国民の金を盗んで、自分たちがしこたま儲けたい」
ということであるようだ。
なるほどね。泥棒はそういう発想をするものだ。
──
では、どうすればいいか? もちろん、米原ルートを取ればいい。しかし、(国民の金を盗みたがる泥棒野郎の)JR 西が反対している。また、(国民をほったらかしにして自分の損得しか考えない)JR東海もあまり乗り気でない。かくて、話が進まない。
困った。どうする?
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
(1) JR西
JR西に関しては、次のように言えばいいだろう。
「現在ルート(琵琶湖西方)は、赤字確実なので、建設は中止する。どうしても建設したいのであれば、自分たちの金で建設しろ。建設費の補助も期待するな。また、事業の赤字はおまえたちが負担しろ。あとで赤字が出たと国に泣きついても、ビタ一文出さないからな。あとでおまえたちが赤字で倒産しそうになっても、助けてやらないぞ。それでも良ければ、自分たちの金で建設しろ」
「一方、米原ルートで建設すると、敦賀から米原につながることで、北陸新幹線の既存ルートの客がどんどん増える。客が増えた分、JR西は大儲けできるぞ。何も建設しないよりは、その方がお得だろ? さあ。どうする。米原ルートで建設してもいいし、何も建設しないのでもいい。好きな方を選べ。それとも、現在ルートで建設して、倒産するか?」
(2) JR東海
これに関しては、次のように言えばいいだろう。
「米原ルートで建設すると、敦賀から米原につながることで、北陸新幹線から東海道新幹線に来る客がどんどん増えて、JR東海は大儲けできるぞ。
現状でも東海道新幹線は満杯だから、これ以上は客が増えても仕方がないと思っているようだが、さにあらず。北陸新幹線ができる時期は、リニア新幹線ができる時期と、ほぼ同じだ。そのころには、リニア新幹線ができているので、東海道新幹線はガラガラになっているんだよ。客が減ってガラガラになった東海道新幹線を埋めるためには、北陸新幹線から客が来た方がいいだろ? 米原からは、東向きも、西向きも、どちらにも客が流れるので、JR東海は大儲けできるぞ」
こうして、将来の話をすることで、JR東海を説き伏せることができる。今現在のことしか理解できない JR東海に、将来の収支計画を教えて上げるわけだ。
JR東海は、朝三暮四の猿と同じで、今現在の収支を見るばかりで、将来の収支を見通せない。(リニアが開通したあとの)将来はどうなるかという予想を立てることができない。猿のように浅知恵だ。
だから彼らに、将来の収支計画を教えて上げればいいのだ。そうすれば、(リニアが開通したあとでは)「琵琶湖西方ルートだとちっとも儲からないが、琵琶湖東岸ルートだと大儲けできるぞ」と理解するだろう。
※ 上に解決案を出したが、現実には、それとは正反対の方針を自民党は取っている。「 JR西が金を要求するなら、その金をいくらでも出します。どうせ国民の金だし、オレたちの金じゃない。何兆円でも好きなだけ取ってください。JR西の好きなようにしてください。どうぞ、ご自由に。……そのかわり、おこぼれは私の懐へ」という方針だ。こいつらが、諸悪の根源か。
【 追記 】
小浜ルートでは、すべての客が新大阪に向かう。だが、米原ルートでは、すべての客が新大阪に向かうわけではない。おおむね半々であって、半分は新大阪に向かう(下り客である)が、半分は東京・名古屋に向かう(上り客である)。米原に来た客は、下りと上りに分散されるわけだ。その分、輸送力には余裕が生じる。
なお、米原ルートで、東京や名古屋に向かうときには、(新大阪を経由しないので)運賃と時間が大幅に減少する。そういうメリットがあることに着目しよう。
一方、米原ルートを取るデメリットとしては、「新大阪に行くには乗り換えが必要なこと」がある。車両構成の面から、北陸新幹線(12両編成)と東海道新幹線(16両編成)は、相互乗り入れが不可能なので、米原での乗り換えが必須となる。ただしかわりに、(新大阪まで)コスト半減によって運賃半減が可能となる。そのメリットが重要だろう。
※ 「本当に運賃が半分になるの?」と疑うかもしれないが、本当である。ただし、現行比で半額なのではなく、小浜ルート比で半額だ。敦賀〜米原〜新大阪の運賃は、現行と大差ないだろう。一方、敦賀〜小浜〜新大阪の運賃は、現行に2倍ぐらいになるだろう。前者は後者の半額となる。

大赤字必至なのに建設中の北海道新幹線も、どうなることやら。
リニアの東京・名古屋間は、ずっと早く開通しそうだが。
ただし、静岡県がごねているので、リニアの東側部分は意外なほど 遅れるかもしれない。ひょっとしたら、名古屋以西の方が早く開通するかも。
名古屋以西を先に作ることができ、開通することができるとしても、それはやらないでしょう。儲からないからです。
管理人さんだってお盆の渋滞の項では「東京方面からの交通量に比べれば、関西方面からの交通量は大したことない」とおっしゃっていませんでしたか?
大阪−名古屋間なんて新幹線で1時間前後、高速バスで3時間でつきます。近すぎて飛行機は飛んでいません。
リニアができれば大阪−名古屋間最速にはなりますが、東京に行くなら大阪から新幹線に乗ってしまった方が楽で安く、乗換の手間を考えれば時間も大差ないでしょう。
大阪−名古屋間でなく、東京−大阪間の乗客が多いのが問題。彼らに名古屋で乗り換えてくれと頼んでも、イヤがりそうだ。
次項のように、北陸新幹線の延伸(米原以降)ができたなら、リニアは米原止まりにしてもよさそうだ。米原から大阪までは、リニアは建設しなくてもいい。東海道新幹線と、第2東海道新幹線(北陸新幹線の延伸)があれば、リニアが通らなくても足りる。コストも激減する。
p.s.
ちょっと誤読していました。
「大阪〜名古屋間だけを先に建設する」というプランへの批判ですね? そうだったのか。しかし、その意図はありません。
「名古屋の東側と西側を同時に建設して、東側の遅れのせいで、たまたま西側の方が少しだけ早く開通する」
という意味です。
西から東へ順に建設する、という意味ではありません。さすがに、それはありえない。
・リニアに乗れる
・新幹線に乗れる
・富士山が見られる
という3つがかなうのですから。
逆に、リニアが東京−大阪間で開業したとしても、上記理由で名古屋で乗り換える人はいると思います。
現行では京都で人が乗り込んでくるせいで、京都〜新大阪間がキャパオーバーしてしまう。
これを解決するには、容量を増やすしかない。
・ 名古屋〜大阪 のリニア
・ 米原〜関空 の第2東海道新幹線
そのいずれかが必要だ。(キャパの拡大。)
交通量と建設費用を考えると、確かにバランスは取れているんですよね。なのにモヤモヤするのはなぜだろう?と思って考察してみました。
√ 東京 −名古屋− 米原 − 大阪
0 のぞみ のぞみ (通過) のぞみ 現状はほぼ一択
1 のぞみ のぞみ (通過) のぞみ リニア&第2開業後は本数大幅減
2 リニア 乗換 (通過) のぞみ 米原乗り換えとどちらが楽か?
3 リニア リニア 乗換 第2 もしくはひかりへ乗り換えて大阪へ
4 リニア リニア (通過) リニア 素直に考えればこれ
現在は√(ルート)0、つまりのぞみ利用が圧倒的に多いはずです。
リニア&第2開業後、
1はのぞみが大幅に減らされ、主役の座から滑り落ちるはずです。
2と3は乗換が必要という点では同等、所要時間は3が若干有利ですが、どちらが主役になるでしょうか?
2は大阪南部以外が目的なら主役になると予想します。ただし、実際はのぞみではなくひかりが主になるでしょう。
3は大阪南部が目的ならいいですが、それ以外は脇役になりそうです。
現在の北陸新幹線は毎時2〜4本です。東海道新幹線とは段違いです。
一方、JRの思惑を考えると
JR東海は2推しなので、関西方面→名古屋どまりのひかりを増やすでしょう。
JR西は3推しでしょうが、大阪南部→米原どまりの新幹線を増やすでしょうか?
そもそも、JR東海は「東京−大阪間の旅客は逃したくない」のだから、結局は大阪までリニアを通す4を捨てることはないように思います。米原にリニアを通すなら、進行方向として自然なのは東→西、つまり琵琶湖に突き当たるようにするか、南→北に向かうかだと思います。いずれにしても大阪方向には延伸しにくいので、「米原まで暫定開業」ということもないでしょう。
ずいぶん問題を矮小化しましたね。パンク寸前なのは東京−大阪の全体のはずですが?
京都と大阪の間なんて、JRの新快速もあれば阪急も京阪もあります。バスだってあるはずです。
横浜町田IC−海老名JCTあたりの渋滞解消には「東名の4車線化は無理。一般道の充実を」なんて言っていた割に、京都−新大阪のために第2新幹線ですか?
捨てたくはないだろうが、第2東海道新幹線ができたあとでは、東海道新幹線の米原以西はガラガラになるので、ここにリニアを建設する意義がない。リニアを建設したら、ただでさえガラガラの東海道新幹線がさらにガラガラになって、赤字になってしまう。丸損だ。
だから、第2東海道新幹線ができたあとでは、米原以西にリニアを建設する意義がない。仮に建設すれば、(リニアは黒字でも)会社全体として大赤字になる。そんなことをするわけがない。
第2東海道新幹線ができたあとでは、リニアは米原止まりになります。リニアの計画は変更される。
> モヤモヤするのはなぜだろう?と思って考察してみました。
モヤモヤするのは、JR西はよくても、JR東海は損する面が大きいからです。特に、リニア全線開通という夢が破れるのは痛い。
一方で、JR西はボロ儲けだから、JR東海の損することは無視して、勝手にどんどん建設すればいい。人のことは知ったことではない。自分さえ大儲けできればいい。
一方、私の方針は、「国全体の損得を見る」というものだ。それだと、JR東海は少し損しても、JR 西が大儲けすることで、国民の支出は最小限で済む。国全体の損得を見れば、JR東海 の損のことは無視していい。
そういう立場だ。
> パンク寸前なのは東京−大阪の全体のはずですが?
そうです。だから、東京〜米原間はリニアで増強する、と書いてあるでしょ。
あとは、米原〜大阪間を考えればいいだけ。そのうち、京都〜大阪間が特に問題だ。
ちゃんと話の全体を読んでください。一部だけを読んでは、全体を見失う。
> 京都と大阪の間なんて、
東京から大阪に来る客と併存します。それが問題。短距離の客だけを話題にしているのではない。短距離の客のせいで、長距離の客が利用できなくなる。そういう問題だ。
大阪発で東京に向かおうとしても、大阪発で京都に向かう人がいっぱいいるから、東京に向かう人が新幹線の切符を買えなくなる。これでは無駄だ。だから、その無駄をなくすために、第2東海道新幹線が役立つ。これがあれば、キャパが増えるので、大阪から東京に向かう人が切符を買えるようになる。
わかりますか?
> J R西は3推しでしょうが、大阪南部→米原どまりの新幹線を増やすでしょうか?
需要を見て、最適な量を運行すればいいでしょう。
なお、この路線は低コストなので、東海道新幹線よりも2割ぐらい安くするといい。そうすれば、かなり多くの客を引き込んで、東海道新幹線の客を奪える。ドル箱の「京都(宇治)〜大阪」間では、東海道新幹線を越える客が来るかもね。特に関西のガメツイ客が来る。
試算したところ
名古屋から米原のリニアは1.3兆円
米原から関空の第2東海道は1.5兆円
2つを合計した2.8兆円≒名古屋から大阪のリニア(直線ルート)です。
費用は思ったほど変わらず、米原案の方が便利な地域は限定的です。
【詳細】
名古屋−新大阪のリニアは
・京都ルート 146q 3.45兆円 25分
・直線ルート 136q 2.88兆円 19分
・奈良ルート 152q 3.17兆円 22分
という試算があります。ざっくり1qで200億以上です。
京都ルートが割高なのは、3ルート共通の名古屋、大阪近辺に加え、京都近辺でも大深度地下トンネルが必要になるからです。
一方、米原どまりにすると
・直線ルート 60q 1.3兆円 10分
といったところでしょうか?
米原で大深度地下トンネルが不要ならもっと安くなると思われます。かかる時間が距離に比例しないのは、距離が短く、リニアは速度が上がりきらないからです。
リニアはいずれも予想なので、実際はこれより上がるのは間違いないです。
西九州新幹線は66kmで6200億円かかっています。
ざっくり1kmで100億円です。
第2東海道新幹線の単価がこれを下回ることはないでしょうが、管理人さんが高速でも新幹線でも
「高架なら圧倒的に安く作れる」とおっしゃっているので、この単価をそのまま使います。
そう考えると、新幹線よりリニアの方が2倍ほど高い計算になります。
米原から新大阪は
・東海道新幹線 117km ?兆円 33〜35分
です。
第2東海道新幹線は
・東大阪まで 100q 1.0兆円 28〜30分?
・関空まで 150q 1.5兆円 40〜45分?
といったところでしょうか?
そうすると、
名古屋−新大阪(第2東海道は東大阪)は
・東海道新幹線(47〜48分)
・新大阪リニア(19〜25分)
・米原リニア(10分)+米原乗り換え+第2東海道新幹線(28〜30分)
となります。これは管理人さんにとって一番不利な「ワーストケース」です。
名古屋−関空は
・東海道新幹線(47〜48分)+新大阪乗り換え+在来線特急(1時間1〜7分)
・新大阪リニア(19〜25分)+新大阪乗り換え+在来線特急(1時間1〜7分)
・米原リニア(10分)+米原乗り換え+第2東海道新幹線(40〜45分)
これは管理人さんにとって一番有利な「ベストケース」です。
実際は行先によって、両案の有利/不利はベストとワーストの間に落ち着くことでしょう。
前者(JR案)が有利なのは大阪中心部、北部以外には中国地方が代表的でしょう。新大阪まで新幹線で行けばその先はリニアに乗れるのですから。
九州地方まで行ってしまうと、飛行機の方が強く、関空より伊丹の方が主流なので、どちらかというとリニアは新大阪の方がメリットがありそうです。
後者(管理人案)が有利なのは大阪東部および南部、奈良、和歌山、滋賀、北陸地方が代表的でしょう。
忘れてはいけないのは外国人です。
関空に降り立った外国人は、どこに行きたいのでしょうか?
米原リニア+第2東海道が完成したとして、行先と経路を考えてみましょう。
・大阪に行くなら在来線特急
・京都に行くなら在来線特急+JR新快速?第2東海道+東海道?
・神戸に行くなら在来線特急+JR新快速?
・中国地方に行くなら在来線特急+山陽?第2東海道+東海道(山陽直通)?
・北陸地方に行くなら第2東海道(北陸新幹線直通)
それ以外の地域に行くには
・名古屋に行くなら関空より中部国際空港
・東京に行くなら成田や羽田空港
が、さすがに早くて便利なはずです。
ということで、米原リニア+第2東海道ができても、明らかに恩恵を被る地域は限られています。
それとも、大阪/京都/神戸の3大都市に行くには東大阪で降りることになるのでしょうか?
東大阪市内には交通の要衝といえるような、便利な場所があるようには見えませんが。
ただし、重大な難点がある。リニアの工事費は、それっぽっちで済むわけがない、ということだ。高架の2〜3倍で見積もっているようだが、どう考えても5倍はかかるだろう。
さらに、工事の難航という新問題が発生している。一つは、圏央道の南端で。(別項で述べた通り。)
また、調布でも道路の陥没事故が起こっている。
https://diamond.jp/articles/-/251962
リニアの試算の価格が示されているが、現実には、少し値上がりするぐらいでは済まされず、さらに2倍を大幅に上回る額になるだろう。
※ ただし、名古屋〜米原間のリニアは、大部分を高架で済ませることができる。だから地下トンネルによるコストアップはほとんどない。
もう一つ、大事な点が抜けている。「第2東海道新幹線の方が値下げして、客を奪う」ということだ。こちらは低コストなので、東海道新幹線よりも値段を下げることで、利便性とは別の観点から、客を奪うことができる。(東海道新幹線も、値下げの余地はあるが、客が押し寄せている状況で、値下げするわけがない。経営上、値下げしない。)
> 明らかに恩恵を被る地域は限られています。
もともとそれでいいんです。大阪の4分の1ぐらいの人口を吸収すればいい。さらに、奈良や和歌山の需要を取り込めばいい。
このことで、現行の東海道新幹線の3分の1ぐらいの需要を奪って、混雑を解消すればいい。
つまり、両者の需要の配分比は、2:1ぐらいでいい。半々になる必要はない。
なお、新大阪までリニアを通すと、料金はかなり高騰する。これは経費の分だが、さらに、東海道新幹線の客が激減するので、それによる減収を補うことも考えると、滅茶苦茶に高い料金にしないとペイしない。現行の倍額ぐらいになりかねない。
1人片道3万円を、家族4人で往復で払ったら、24万円。子供半額でも 18万円。べらぼうな価格だ。そんなに高い金は払いたくないね。
本日別項のプランだと、こだまは現行の6割の価格でいい。それなら、リニアの4分の1ぐらいの価格となる。
> 関空に降り立った外国人は、どこに行きたいのでしょうか?
京都は、宇治経由で。
大阪は、東大阪市経由で。
奈良は、宇治経由・東大阪経由で。
いずれも第2東海道が圧倒的に便利です。関空から在来線経由だと、すごく遅くなる。
一方、神戸や中国地方は、担当外です。これらに行くには、山陽新幹線を利用するので、新大阪経由が必須だ。第2東海道の出番はありません。
典型的に言うなら、大阪の「キタ」に行くなら東海道新幹線、「ミナミ」に行くなら第二東海道新幹線。神戸や中国は前者から。奈良は後者から。
22:57投稿のこちらのコメントでは、東海道新幹線は「値下げするわけがない」とおっしゃっていますね。
一方、22:20投稿の別項ではこだまの値下げを提案していますが、わずか40分足らずで心変わりしたのですか?
建設費の償却がとっくに終わったこだまを4割も値下げしたら、これから建設する第2東海道はどうやっても太刀打ちできませんね。
【新大阪−京都間は本当にパンク?】
新大阪−京都間が「パンク」の根拠はどこにあるのでしょうか?
関西人は新大阪−京都間で新幹線に乗ったりしません(関東人が東京−大宮や新横浜で新幹線に乗らないのと一緒)。
関空から京都に向かう人が多くてパンクしているのなら、関空−京都直通の特急はパンクしそうですが、現状では30分に1本です。
東海道新幹線下り京都〜新大阪間に11編成が走行中です。新大阪駅はパンク状態でしょうか?
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12284549702
という、そのものずばりの質問へのベストアンサーは
そうでもないみたいですね!
となっていますが。
【行先と経路を改めて考える】
管理人さんが乗換駅として近鉄の吉田駅、JRの宇治駅を挙げていたので、
米原リニア+第2東海道が完成したとして、行先と経路を改めて考えてみましょう。
最初が現状(JR押しの大阪リニアができた場合も基本的に変わらないはず)
2番目が管理人さん押しの米原リニア+第2東海道ができた場合です。
議論の前提として、第2東海道の距離と時間を
関空−吉田 50km、15分 ≒ 新横浜−小田原 51.2km、15分
吉田−宇治 30km、10分 ≒ 新富士−静岡 32.4km、10分
宇治−米原 70km、19分 ≒ 京都−米原 68.1km、18〜19分
と仮定します。
・大阪方面に行くなら
在来線特急(1時間1〜9分)で新大阪直通
第2東海道(15分)+吉田乗り換え+近鉄けいはんな線−中央線直通(17分)で本町
・奈良方面に行くなら
現状では各種ルートあり(1時間19〜31分)
第2東海道(15分)+吉田乗り換え+近鉄(26〜32分)
・京都に行くなら
在来線特急(1時間20〜25分)で京都直通
第2東海道(25分)+宇治乗り換え+JR奈良線(16〜21分)
乗換は発生するものの、さすがに時間では第2東海道が有利です。(ただし、時間は現在時刻+その30分後くらいしか調べていないので大雑把です)
料金は新幹線の方が当然高くなるでしょう。
では乗換はどうでしょうか?
大阪方面と奈良方面の乗換駅である吉田駅は現状では普通列車のみが停車し、昼間毎時8本といったところです。
京都方面の乗換駅である宇治駅は各種快速の停車駅で、現状では昼間毎時6本といったところです。
新幹線の新大阪−京都間をパンクさせるような需要があるとして、これらの在来線はどこまで受け止められるでしょうか?
【高速と新幹線の違い】
高速の時の管理人さんの意見は「東名の綾瀬SIC前後で渋滞が発生するのはR246から圏央道に乗りにくいためだから、圏央道のICを整備せよ」というものでした。しかし、高速に関しては、人は最寄りのICを選ぶ傾向が強いです。
一方、新幹線はそうではありません。高速に比べ、鉄道は乗換が面倒だからです。特に他社乗り換えになれば改札の通過や初乗り運賃の増加やらが発生するのでなおさらです。
【米原リニア案最大のデメリット】
前項での現状は大阪リニアができてもあまり変わらないと思うので、関空−関西各地はメリットがある(新幹線が直通するのだから上がって当たり前)のですが、
米原リニア案は「最も巨大な需要である東京−大阪の利用客に乗換を強いる」という最大のデメリットが、メリットを上回ると思います。
品川−大阪方面に行くなら
のぞみ(2時間20〜23分)で新大阪直通
ひかり(2時間47分)で新大阪直通
こだま(3時間47分)で新大阪直通
大阪リニア(59〜1時間5分)で新大阪直通
米原リニア(50分)+ひかり/こだま(43〜44分)で新大阪
米原リニア(50分)+第2東海道(29分)で吉田
米原リニア(50分)+第2東海道(44分)で関空
品川−京都方面に行くなら
のぞみ(2時間4〜7分)で京都直通
ひかり(2時間27〜32分)で京都直通
こだま(3時間30分)で京都直通
大阪リニアが北ルートなら京都直通
大阪リニアが直線/南ルートなら
大阪リニア(40分)+名古屋乗り換え+のぞみ(33〜34分)/ひかり(34〜53分)/こだま(51分)で京都直通
米原リニア(50分)+ひかり(19分)/こだま(18分)で京都直通
米原リニア(50分)+第2東海道(19分)で宇治
第2東海道の出番はほぼないでしょう。神戸はなおさらです。
品川方面から見ると、第2東海道の停車駅である宇治/吉田/関空にどれだけ魅力を感じる人がいるかですが、
「現行の東海道新幹線の3分の1ぐらいの需要を奪」うことはできますかね?
それは、のぞみ。速い。
> 一方、22:20投稿の別項ではこだまの値下げを提案していますが、わずか40分足らずで心変わりしたのですか?
それは、こだま。遅い。
> 建設費の償却がとっくに終わったこだまを4割も値下げしたら、これから建設する第2東海道はどうやっても太刀打ちできませんね。
こだまは遅い。第2は速い。値段と速度の兼ね合い。値段だけじゃない。
だいたい、金持ちは金に糸目を付けず、速い方を選ぶ。のび さんは、貧乏人の発想に凝り固まっており、金持ちの発想を理解できない。
> 新大阪−京都間が「パンク」の根拠はどこにあるのでしょうか?
こだまの値下げの記事に、★の表で示してあるでしょ。通勤時には大混雑。
> 関西人は新大阪−京都間で新幹線に乗ったりしません
金持ちは乗ります。あと、社用族も、会社経費で。特に、中小企業の経営者。経費で落とす。
> 新大阪−京都間が「パンク」 …… そうでもないみたいですね!
それは、インバウンド需要が戻っていないから。もうすぐ中国人が大挙して押しよせる。
> 新幹線の新大阪−京都間をパンクさせるような需要があるとして、これらの在来線はどこまで受け止められるでしょうか?
奈良に行く人は、一部だけですよ。お間違えなく。
> 他社乗り換えになれば
新幹線の停車駅が目的地であることは少ない。どこで下車しても、結局は在来線か私鉄に乗り換える必要がある。つまり、(自社他社にかかわらず)乗り換えはどっちみち必要だ。
また、自社か他社かは、 コストの問題ではなく制度設計の問題。制度はいくらでも人為的に変えられる。調整可能。
> 米原リニア案は「最も巨大な需要である東京−大阪の利用客に乗換を強いる」という最大のデメリットが、メリットを上回ると思います。
まあ、それは事実です。だから、「東京−大阪の利用客」は、既存の のぞみを利用する人がいっぱい出るでしょう。しかし、それでいい。さもないと、乗客がみんなリニアに移ってしまって、のぞみ は閑古鳥が鳴く。それでは設備が無駄になって、もったいない。
リニアに乗るのは、乗り換えがあっても急ぐ人。あと、奈良に行く人。東京発でなく名古屋発の人。関空に行く人。ちょっと傍流の人向けです。「最も巨大な需要である東京−大阪の利用客」は、既存の東海道新幹線を利用すればいい。他の傍流の人が第2東海道を使う。
「リニアを使うのは主流の需要だ」
という発想を転換すればいい。発想の転換が必要だ。
リニアを使うのは、
・ 急ぐので、米原で乗り換えて、京都や新大阪に行く人。(もし急がなければ、東海道。)
・ 奈良や関空に行くので、どっちみち第2東海道を使う人。そのうち特に、急ぐ人。(もし急がなければ、米原まで東海道、米原から先は第2東海道。)
乗り換えが面倒なら、乗り換えが簡単になるように、米原駅をうまく設計すればいい。どうせ新設する駅なんだから、うまく設計できればいい。最善では、ホームの反対側に移るだけで済ませる。
> 品川方面から見ると
関東から行く客は、そんなに多くない。「米原〜関空」の路線を利用するのは、大部分が関西圏の人です。関東から来る客は、そんなに多くない。
たとえば、東名の「海老名〜横浜町田」の混雑を考えるときに、関西から来た人のことなんか、いちいち考えないでしょ。それと同様だ。
この区間の混雑を解消したいときには、「関西方面から来る客がどうこうだから」というような発想は必要なく、単に「新東名という別路線を建設する」という方策を取ればいい。それと同様なのが「第2東海道を建設する」という方策だ。
ここでは、「新東名は東名に勝てるか」というような比較は必要ない。「東名の混雑を解消するためには、新路線の建設でキャパを増やす必要がある」ということが大事だ。
第2東海道もまた同じ。
> それは、のぞみ。速い。
>> 一方、22:20投稿の別項ではこだまの値下げを提案していますが、わずか40分足らずで心変わりしたのですか?
> それは、こだま。遅い。
22:20投稿の別項の時点では
> こだまで値下げすると、(客が増えるせいで)かえって増収になるので、のぞみも値下げになる。
まで言い切っていたんですけどね。(翌日の私のコメントを受けて訂正した)
琵琶湖西方ルートだと、その問題は起こらないが、コスパの点で最悪だ。
のび さんの主張だと、北陸新幹線については、第2東海道のかわりに、
琵琶湖西方ルート(コスパ最悪)
東海道新幹線(混雑必至)
のいずれかを取ることになる。どちらもまずい。
p.s.
ただし、リニアを新大阪まで伸ばした場合には、東海道新幹線の名古屋〜新大阪がガラガラになるので、米原〜新大阪の混雑する問題は消える。
だから、次の二者択一だ。
・ リニアを新大阪まで伸ばす。
・ リニアを米原止まりにして、米原から先は第2東海道を建設する。
東京方面の人にとっては、前者の方がいい。
北陸方面の人にとっては、後者の方がいい。
奈良県民や大阪府民にとっては、どっちも同じ程度。
こだまは、1時間に1本しかない。通常は、使えません。貧乏人専用の不便列車です。
>新幹線の停車駅が目的地であることは少ない。どこで下車しても、結局は在来線か私鉄に乗り換える必要がある。つまり、(自社他社にかかわらず)乗り換えはどっちみち必要だ。
新大阪は京都にはそれだけのキャパと路線があります。宇治や吉田や関空にはありますか?
もともと都会の近郊なので、キャパはある。また、新たに生まれる需要は、既存の需要とは逆方向の流れとなるので、混雑にはあまり影響しない。たとえば、このあたりの住民が、新大阪経由で東京に行くかわりに、吉田と東花園の第2東海道経由で東京に行くことにしたら、客の流れは逆になるので、混雑はかえって減少する。
宇治は、伊勢田駅で接続します。これで近鉄につながる。ここに JR の新駅も作れば、JR にもつながる。二つの路線につながる。
別案として、(すぐ隣の)小倉駅または新田駅でもいい。ここでも、二つの路線につながる。
どっちみち、キャパはある。別に、現状よりも、大幅に需要(客数)が増えるわけじゃないんだし。
関空は、もともと終着駅でしかない。ここに新路線がつながるなら、混雑は減ることはあっても、増えることはない。仮に混雑が増したら、電車数を増やして、混雑度を下げればいいだけだ。客が同じで、電車数が増えれば、混雑度は下がる。つまり、キャパはある。
「リニアを使うのは主流の需要だ」
という発想を転換すればいい。発想の転換が必要だ。
傍流の人のためであれば、そもそも名古屋の時点でリニアである必要がない。今のルートに既存の新幹線で十分。リニアほど速度は出ないが、停車駅が少ないから各駅停車でもひかりより早く名古屋に着くはず。
主流の巨大な「東京−新大阪」の客が多く、それを今より早く運びたいのだから、同じ(厳密には品川−新大阪だから若干異なるが)場所を結ぶのが王道であり、離れたところに路線を作って「どうせ乗り換えは発生する」「こっちの方が便利な人もいる」「こっちの方が建設費が安い」
…離れた場所に作るから傍流にしかなれないんですよね。そういうのを「貧乏人の発想」というのではないですか?
お盆前半の綾瀬SIC上りの渋滞を
>11日の午後に上りが増えるのは、お盆の帰省客が関西を出たあとで、ようやく東京に届くから。5時間ぐらいかけて届く。それが午後になる。
とおっしゃっていたのは管理人さんですが?
言うと思ったけど、そんな揚げ足取りみたいな話はどうでもいい。くだらん。
そうか。だったら、今度は新提案だ。
「名古屋から米原にリニアを通したあとで、さらに、第2東海道新幹線のルートで、リニアを関空まで通す。京都は宇治経由で。大阪は東大阪(吉田・東花園)経由で。その点は従来案と同じ。路線は同じで、電車だけをリニアにする」
このプランの特徴は、地下トンネルを掘らずに、高架で済むことだ。リニアを格安で建設できる。
※ ルートは少し変更して、米原の先を、少し北側にずらして、直線度を上げる。これで東大阪の手前まで一直線だ。
※ 東大阪の手前からあとは、直線でなくなるので、速度が落ちるが、このあたりは速度が落ちても問題ない。時速 200km ぐらいでもかまわない。それで十分だ。
※ この新提案では、東大阪で止めずに、新大阪まで直行させてもいい。この場合には、曲線を取らずに、直線となる。
※ このプランのマイナス点は、米原経由で迂回することで、距離が長くなることと、90度で曲がる米原で減速することで、速度が低下するせいで、所要時間が長くなることだ。距離で2割増加、減速で1割増加。所要時間は3割増加となりそうだ。かわりに、コストは半分以下で済むので、料金は半分で済むようになる。その方が大事だね。
※ 大阪〜名古屋の所要時間はリニアで 25分。3割増加で 33分。この程度の時間増加で、値段が半額になるなら、その方を選ぶ。……というか、値段が半額なら、今の東海道新幹線と同程度か、もっと安くなりそうだ。そこまで安値にしないのなら、JR東海はボロ儲けじゃん。
( ただし、新大阪まで直線のルートを取った場合には、地下トンネルの工事が少し追加されるので、コストは少し上がるし、料金も少し上げる。 これは中間的なプランだ。…… とはいえ、淀川の岸辺に高架を建てれば、コストは大幅に安くなりそうだ。)(洪水対策の点で、文句を言われそうだが、堤防をかさ上げすることにして、その費用を出せば、かえって喜ばれるだろう。堤防のかさ上げのための土は、地下トンネルの残土を廃物利用すれば、一石二鳥だ。)
リニアって曲がれないんですよ。
そもそもLinear=「直線の」って意味ですからね。
各交通機関の曲率半径は
東名高速道路…最小300m
新東名高速道路…最小1,500m
東海道新幹線…最小400m、原則2,500m
東海道以外…最小400m、原則4,000m
リニア…原則8,000m
です。
http://kyoto-linear.com/about_linear
に名古屋以西の3案の図がありますが、京都を通るルートは曲率がきつくて大変といわれています。
90度に曲がるなんてありえません。
どうしても米原を通りたいなら、東海道新幹線と同様、米原には北側からアプローチするしかありません。が、かなり無理があると思います。
8000m という曲率は、500キロ走行の曲率。
> リニア中央新幹線の路線では、500キロ走行を可能とするために最小曲率半径8000mで建設されることになっています
https://kabochadaisuki.seesaa.net/article/a10262303.html
一方、本項の提案では、米原で強制的に停車させます。ここは北陸新幹線との接続路なので、全列車を強制的に停車させます。(名古屋は通過していい。)
したがって、停車前には時速 50〜100キロぐらいになるので、曲率半径は 300メートルでも大丈夫。実際には、私の提案ルートでは、曲率半径 3000〜5000メートルぐらいを確保するから、問題なし。
> 米原を通りたいなら……無理
米原を通過ならばそうだけど、米原で停車するなら大丈夫。
https://tabiris.com/archives/linear-2/
には
「所要時間は品川〜名古屋間が最短40分。現在の東海道新幹線の「のぞみ」では1時間30分ほどかかりますので、その半分以下です。中間駅に停車する場合、1駅停まるごとに8分ずつ所要時間が延びるそうで、各駅停車の場合、70分〜80分程度になりそうです。」
とあります。リニアは車両と車両の間を25km程度空けなければならず、中間駅の存在によりダイヤ編成に制約が生じ、ただでさえ新幹線より少ない輸送力がさらに低下するとのことです。
さらに
リニアの強引無理ニア #8:まとめ
https://joe3taro.com/?cat=29
曲がれないリニア
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/npp/2019-09/2019-0921B.html
あたりを見ると、超電導リニアの弱点がボロボロ出てきます。
最終的な私の結論は
・東京−名古屋間を常電導リニアに変えられるなら、その先のルートは管理人さんの新しい提案である米原−関空ルートでも、米原リニア+第2東海道でも構わない
・東京−名古屋間が超電導リニアのままなら限りなく直線ルートで大阪直行
です。
常電導リニアは「高速な鉄道」ですが、超電導リニアは「地上/トンネル内を飛ぶ航空機」であり、分けて考える必要があると思います。
私の新しい提案は「米原〜新大阪」ルートです。
> 1駅停まるごとに8分ずつ所要時間が延びる
情報ありがとうございました。これを受けて、リニアの提案の記事を修正しました。名古屋を通過するプランでは、8分間の節約ができるので、迂回するルートでも長時間になりません。
なお、中間駅の問題は、名古屋を通過してしまえば済むので、たいした問題ではありません。名古屋の乗降客は少ないんだし。北陸新幹線の連結の方がずっと重要だ。
> 超電導リニア
ご紹介の記事を見ましたが、「高速走行中はなるべく直線にしたい」というだけであって、私のリニアルートには当てはまらないですね。私のルートは、
・ 羽島市のあたりでは半径 20km ぐらいある。
・ 米原市のあたりでは 半径 10km ぐらいだが、減速中。
・ 米原駅のすぐそばでは、半径 5km ぐらいだが、時速 100km 以下なので、たぶんすでにタイヤを出している時期。
シーメンス社の写真
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/npp/2019-09/2019-0921B.html
を見ても、バンクを付ければ、かなり急カーブでも曲がれる。低速では半径 1.25km で、高速でも 4.45km で、バンクを付ければ 0.3km だ。
一方、私の提案は上記のように、高速で 20km、低速で 5km だから、余裕しゃくしゃくだ。とても緩いカーブなので、ほぼ直線と見なしていい。
だいたい、あらゆる曲線がダメなら、地上を走れません。地球は丸いんだから。高速で直線を走ったら、宇宙に飛び出す。
曲線を走る技術がないのなら、ドイツや中国の企業に助けてもらえばいい。ただの技術力の問題だ。
そもそも、半径 20km なんて、ほとんど直線です。運転席から見たら、「ずっと先の方ではいくらか曲がっているな」と見える程度。遠すぎて見えないかも。
「名古屋から米原にリニアを通したあとで、さらに、第2東海道新幹線のルートで、リニアを関空まで通す。京都は宇治経由で。大阪は東大阪(吉田・東花園)経由で。その点は従来案と同じ。路線は同じで、電車だけをリニアにする」
(だいぶ長い中略)
※ この新提案では、東大阪で止めずに、新大阪まで直行させてもいい。この場合には、曲線を取らずに、直線となる。
この書き方で「私の新しい提案は「米原〜新大阪」ルートです。」と言われても…
そんなに北陸方面の巨大な需要が見込めるのなら、琵琶湖西岸ルートで新大阪まで建設すればいいのでは?というか、建設が始まっていて当然ですね。需要がそこまでないから工事が進まず、ルートも決まっていないのだと思いますが。
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/npp/2019-09/2019-0921B.html
を見ても、バンクを付ければ、かなり急カーブでも曲がれる。低速では半径 1.25km で、高速でも 4.45km で、バンクを付ければ 0.3km だ。
JRの超電導リニアと、シーメンス社の常電導リニアは区別してください。
JRの超電導リニアは「カント(バンクと同義、線路の方向き)」をつけた上で、本線の曲率半径8,000mです。
https://diamond.jp/articles/-/252247?page=2
には「荷物の格納位置を(座席の下に)変更した理由は、時速500km/hで半径8000mのカーブが走行可能なリニアでは、カーブで遠心力を打ち消すための線路の傾き(カント)が大きいため、カーブで停車することになった場合、荷物棚から大きな荷物が落下する可能性があるからだという。」
とあります。
>高速で 20km、低速で 5km だから、余裕しゃくしゃくだ
見た目はそうでも超電導リニアにとってはそうではありません。
直線ルート(136km)
・速達タイプ…19分、途中駅はすべて通過
・各駅タイプ…35分、途中駅は三重県、奈良県
米原−新大阪リニア(170km、既存の東海道新幹線の173.4kmより若干短いと想定)
・幻の最速達タイプ…24分、途中駅はすべて通過
・速達タイプ…32分、途中駅は米原のみ
・各駅タイプ…48分、途中駅は岐阜県、滋賀県(米原)、京都府(宇治)
管理人さんは明言していませんが、岐阜県は通っていると思われます。岐阜県を通るのに駅を設置しないと静岡県の二の舞になりますから駅は必要です。
一方、現状の名古屋−新大阪間は
・のぞみ 48〜50分、途中駅は京都のみ
・ひかり1 54分、途中駅は京都のみ
・ひかり2、こだま 68分、途中駅は岐阜羽島、米原、京都
ですから、各駅タイプの所要時間はのぞみとほとんど変わりません。
もちろん、速達タイプの32分ならのぞみより速いですが、乗換の手間や運賃を考えると、東海道に対し、それほどの優位性があるわけではありません。
1.東京−新大阪間は米原経由の方が13分遅い
2.名古屋近郊の人は米原経由だと「名古屋飛ばし」される恐れあり
3.大阪−北陸の移動は米原経由だとリニアにも乗れる(が、速くはない)
4.東京−北陸は米原経由だとリニアが早い(直線コースだと名古屋と米原で乗り換えが発生)
直線コースより米原経由の方が明らかにいいと言えるのは4.だけですね。
他は直線コースの方が利便性が上です。
管理人さんは高速でも新幹線でも「田舎なんだから高架で格安に作れる」とおっしゃいますが、
実際にそうはなっていないですよね?
米原経由であっても名古屋近郊と大阪近郊は大深度地下トンネルを使わざるを得ないでしょうし、
距離が長くなれば高架でも建設費用は高くなります。
トンネルともなれば直線コースより高くなるかもしれませんね。
4.だって、現状では金沢なら米原経由(南回り)より北陸新幹線(北回り)の方が楽です。
北陸新幹線が敦賀まで開業となれば、福井あたりまでは北回りを選ぶ人が増えるでしょう。
逆に、米原まで開業すれば、南回りが便利になります。リニアも米原まで開業すればなおさらです。
それでも、北回りと南回りが拮抗するのは金沢あたりに戻るだけではないでしょうか?
ですので、米原にリニアを止めるのはメリットが少ないと思います。
その心配はない。米原は岐阜県に近いので、滋賀県と岐阜県の人が利用する。岐阜県の人が関西に行くとき、東の名古屋に行ってから関西に行くのは無駄だ。東京に行くときには名古屋から乗車し、関西に行くときには米原から乗車する。その方が時間も費用も得する。ゆえに、米原ができてすごく得するのは岐阜県民だ。
だから、新ルート建設を邪魔するなんて、自分で自分の首を絞めるのも同然だ。邪魔したら、「あ。そう。じゃ、建設中止」と通告すれば済む。そうしたら、岐阜県は泣いて土下座をするだろう。「ごめんなさい。ぜひ米原ルートにしてください。お願いします」と。
> もちろん、速達タイプの32分ならのぞみより速いですが、乗換の手間や運賃を考えると、東海道に対し、それほどの優位性があるわけではありません。
主たる需要は、(下りなら)東京からリニアで直通する人です。リニアで名古屋に来て、名古屋でのぞみに乗り換えるわけがないでしょう。同様に、浜松あたりから名古屋に来て、リニアに乗り換える人もいないでしょう。乗り換え客のことは考えなくていいでしょう。(乗り換えで)東海道との比較も不要。最初にのぞみならのぞみ、リニアならリニア。それで一貫する。
最初にどっちを選ぶかは、料金しだい。現状では、リニアは馬鹿高値になりそうなので、勝ち目がない。金持ち専用になりそう。
→ 本日掲載予定の新記事を参照。
> 直線コースの方が利便性が上です。
最初からそうです。新ルートの狙いは、利便性ではなくて、コストダウン。時間は増えても、コスト半分を狙う。そこがポイント。
> 米原経由であっても名古屋近郊と大阪近郊は大深度地下トンネルを使わざるを得ないでしょうし、
それは両者が同等になるという意味だから、決して(私の案の)マイナスにはならない。同じポイントを、私の案についてだけマイナス点だと数えるのは、不公平。目が歪んでいる。偏見。
> 距離が長くなれば高架でも建設費用は高くなります。
距離は3割アップ。コストは4割。 1.3×0.4=0.52
ゆえに、コストは半減となる。
さらに、従来ルートは、鈴鹿山脈を通るので、南アルプスを通るのと同様で、難工事となり、大幅アップの危険がある。それも考えると、半分どころか、3分の1ぐらいのコストで済むかも。
→ 本日掲載予定の新記事を参照。
> トンネルともなれば直線コースより高くなるかもしれませんね
私の案では、トンネルなんて、ほとんどないですよ。米原のあたりで、ごく小さくて浅いトンネルがちょっとあるだけ。無視できる程度。(従来ルートは、鈴鹿山脈を通るが。)
> 北回りと南回りが拮抗するのは金沢あたりに戻るだけではないでしょうか?
そりゃ、東京圏の人の話でしょ。北陸〜米原ルートを使うのは、関西圏(以西)と中京圏の人。話の対象が違う。
のび さんの話は、詭弁に近い。意図的に有利なものだけを選び取っている。話が偏っている。
「右手と左手があります。右側にあるものを取るには、右手が有利ですね。だから右手の方が左手よりも便利なんです」
そんな理屈はペテンだ。
> 米原にリニアを止めるのはメリットが少ないと思います。
まあ、それはそうだが、米原に止めるのが目的じゃなくて、米原を経由する(鈴鹿山脈を回避する=大深度トンネルを避ける)のが目的だ。経由地や利便性の問題じゃなくて、コストの問題だ。
簡単に言えば、平面地図(≒ 利便性)の問題じゃなくて、立面図の深さ(≒ 工費)の問題だ。観点が違う。
のび さんが自分で調べたでしょ。引用:
──
名古屋−新大阪のリニアは
・京都ルート 146q 3.45兆円 25分
・直線ルート 136q 2.88兆円 19分
・奈良ルート 152q 3.17兆円 22分
リニアはいずれも予想なので、実際はこれより上がるのは間違いないです。
西九州新幹線は66kmで6200億円かかっています。
ざっくり1kmで100億円です。
新幹線よりリニアの方が2倍ほど高い計算になります。
───── 引用・ここまで ──────
さらに、現実には各地で大深度トンネルの工事が難航しており、工費がうなぎ登りに上がりつつある。予定金額はリニアが2倍だが、3倍になるのはほぼ確実だね。また、それでも完成するならいいが、下手をすると完成しない。ちなみに 27年度開業の予定が達成不能なのはもはや確実。
さらに耐久性が短い問題が、追い打ちをかける。
→ 本日掲載予定の新記事を参照。
現状プランだと、琵琶湖西方ルートなので、猛烈にコスト高となる。北陸新幹線全体が値上げになり、さらに、国民負担として国民全員から金を奪う。のび さんを含め、一人あたり数千円を奪うことになりそうだ。北陸新幹線なんて、使いもしないのに、国民がみんな金を奪われる。
そういう無駄をなくそう……というのが、本論の狙いなのに、その肝心の「コストダウン」という目的を無視して、利便性だけで論じている。
そういう甘ちゃんだから、無駄に財布から金を奪われるんですよ。甘ちゃん過ぎ。
長たらしい文章を短く書いただけ。誤読しないよう、お願いします。
※ 当然ながら、北陸地方の人は、よく使うでしょう。だから、金を払ってもいい。問題は、使わないのに金を取られる、他の地域の人。
現在のリニア案では3案とも鈴鹿山脈に30q以上のトンネルを掘ることになっています。
一方、南アルプストンネルは25qです。
これだけ聞くと大変そうに聞こえますが、鈴鹿山脈は一番高い山でも御池岳(1,247 m) です。ルート近辺の山も1,100〜1,200mといったところです。
一方、南アルプストンネルのルート近辺にあるのは荒川岳(3,141m)、塩見岳(3,052m)、黒河内岳(2,718m)です。トンネルの土被りだけで最大1,400mです。大人と子供です。
まさか名古屋と北陸のように、どちらが大人でどちらが子供か勘違いしていませんよね?
なお、荒川岳の東方に位置するのが、リニア工事で話題になる田代ダムです。
いやいや。どちらも、ゴジラの 10倍以上でしょう。どっちも超巨大。
私のルートだと、多くは地下 50〜100メートルぐらいで済んでいる。桁違いに小さい。
一方、鈴鹿山脈は、東と西が平野部なので、平野部の標高が 100メートルぐらいしかない。だから土被りは 1000メートルぐらいとなる。南アルプスのルートの土被りと、大差ないね。
大人と子供というのは、言い過ぎ。