──
新東名高速道路は、東京につながっていない。西側から海老名南までは(2027年度までに)開通するのだが、そこから東は東京までつながっていない。

出典:NEXCO
東京までどうつなげるか? その先のルートは未定である。まったく不明だ。
→ 新東名「海老名〜東京」延伸計画どうなった? 都心側「東名バイパス」どの段階で何が進んでいるのか | 乗りものニュース
そこで、ルートを想定している人もいる。
→ 新東名高速道路の神奈川〜東京区間を勝手に推測
以上を踏まえた上で、私なりに結論を下そう。
──
新東名の延伸については、「そんなものは不要だ」と思う人もいるだろう。だが、私はまったく別の観点から、この問題を考えた。
そもそも、話の発端は、東名高速道路で「海老名〜横浜町田」間で、渋滞がひどい……という問題だ。これが下記のコメント欄で話題となった。
→ お盆の高速道路の渋滞: Open ブログ
ここでは、「東名の交通量の多さに比べて、車線数が足りない」という認識がなされた。交通量は4車線分なのに、現実の車線は3車線しかない。だから渋滞が起こるのだ、というわけだ。
だから、車線数を増やせばいいのだが、現実には無理だ。すでにある東名の車線数を増やすというのは、現実的には無理難題と言える。困った。どうする?
そこで、新たに考え直して、こう結論を下した。
「東名の車線数を増やすことができないのなら、新東名の東側を新設すればいい。そうすれば、「海老名〜横浜町田」のかわりに、「海老名南〜東京付近」というルートができるので、「海老名〜横浜町田」の渋滞を解消できる。
これには理由がある。「海老名〜横浜町田」で渋滞が生じることだ。なぜここで渋滞が生じるか?
「関西・名古屋方面から寄せてくる車と、圏央道を通った車。その双方が、海老名 JCT を経て、東名高速(上り)に流れ込む。それが横浜町田に達したあとで、横浜町田から東と西と北に分散する。一挙に3方向に分散するので、そこから先では混雑が減少する」
ここから得られる結論はこうだ。
「新東名高速道路を東側に延伸すればいい。その先は、横浜付近の高速道路に接続すればいい。そうすれば、あとは横浜から先で、たくさんの高速道路に分散するので、その先については心配しなくて済む」
だから結局は、「海老名南〜横浜(のどこか)」という新ルートを設定すればいいわけだ。
では、「横浜(のどこか)」とは、どんなところか?
それについては、好適な候補がある。
「横浜北部には、第三京浜という高速道路(みたいなもの)がある。これと接続できるようにすればいい」
第三京浜の南端は、保土ヶ谷 IC だ。ここにうまくつながるようにすればいいのだ。
実を言うと、保土ヶ谷 IC の南は国道1号があり、その一部は「横浜新道」という新設道路となっている。これも高速道路のかわりになる。
だから、新東名を作るのなら、東側は「横浜新道」までつながるようにすればいいのだ。(「藤沢バイパス」でもいいが。)
さらに条件がある。こうだ。
「途中は市街地を通らないで、畑やゴルフ場などの無人地帯を通るようにする。やむをえず、市街地を通るにしても、その量は最小限になるようにする」
この条件を満たすようなルートはあるか? ある。下記だ。

クリックして拡大
この図で、赤線の左端は、海老名南(JCT)である。
赤線の右端は、今井 IC である。この北東 1km ほどのところに「新保土ヶ谷 IC 」があり、そこからさらに横浜新道(国道1号バイパス)をたどって、北東に向かうと、保土ヶ谷 IC がある。そこから先は、第三京浜となる。(先に述べたとおり。)
こうして、すべてはうまく接続できるわけだ。かくて、問題は解決した。
困ったときの Openブログ。
《 加筆 》
「新東名を作るとして、その土地を買収できるのか?」
という疑問がありそうだが、心配ない。土地収用法というのがあって、公共事業(道路建設など)のためであれば、土地を強制的に買収できる、と決まっている。金額は相場通り。余分な慰謝料みたいなものはもらえない。
それでは金額が不足だから売却しないぞ、という人もいる。そういう人は、「強制収容」の対象となって、強制的に土地を没収される。そのときに支払われる金額は、相場以下である。したがって、相場で売れるときに売っておかないと、かえって損をする。(任意で売る人が9割、強制収容される人が1割、という実績がある。)
まるで中国みたいな乱暴な制度だが、とにかく、日本ではそうなっている。公共の利益のためには、個人は泣き寝入りするしかないのだ。それが日本だ。
[ 付記 ]
ついでだが、そばには厚木飛行場(米軍用)がある。
これは、特に危険というわけではないのだが、邪魔なので、なるべく早期に返還してもらいたいものだ。首都圏に米軍飛行場があるなんて、とんでもないことだ。空域も返してもらいたい。日本はもはや占領下にはないのだから、植民地扱いはやめてもらいたいものだ。
【 追記 】
上の新ルートには、小さな難点がある。
「今井 IC に到達したあとで、その先の横浜新道は(車線不足のせいで)すでに混雑している。そこでは新たな車両の受け入れ能力が足りない。新東名からやって来た車が、横浜新道であぶれてしまう」
困った。どうする? そこで、新たな修正案を出そう。こうだ。
「西側から今井 IC まで到達したあとで、そこからさらに東側へ2km ほど延長して、首都高速神奈川3号線( K3 )と接続する」
図では西側に、今井 IC がある。そこから東に 2km ほどゆくと、ジャンクションふうの交差路がある。ここで、首都高速神奈川3号線( K3 )と接続すればいい。
そうすれば、横浜新道を回避して、直接、首都高速神奈川3号線( K3 )に流れ込むことができる。そのあとは、そこから横浜中心部に行くこともできるし、さらには湾岸線( B )を経由して、東京の都心に向かうこともできるし、千葉方面に向かうこともできる。これなら、第三京浜を経るのに比べて、便利さがある。需要の多くを取り込める。その分、横浜新道の混雑は減る。
※ なお、ジャンクションふうのところからは、国道1号にもつながる。そこから国道1号にも車を流すことができるので、混雑解消の効果はさらに高まる。新東名の終端としては、このジャンクションふうの場所が最適だろう。ほとんど(航空路の)ハブみたいに、すごく有望な場所だ。
※ このようにして新東名ができたら、あまりにも便利なので、東名の交通量は激減してしまうだろう。半分以下になりそうだ。東名の大和トンネルのあたりは、今では大混雑しているが、新東名ができたら、ここの交通量が減って、ガラガラになってしまいそうだ。
(仮にここで新トンネルを増設したりしたら、誰も使わない無駄な路線となるだけだ。令和の無駄工事の代表となるかもね。)
※ 大和トンネルの新トンネルを増設する費用は、新東名の延伸の費用と、ほぼ同額だろう。トンネルというのは、ものすごく費用と時間がかかる。無駄の極みである。大和トンネルの新トンネルを増設するのをやめれば、新東名の延伸の費用は全額を出せる。しかも、そのための負担はゼロ同然で済む。なぜなら、延伸した部分の車からは、料金を新たに徴収できるからだ。十分にペイする。一方、大和トンネルの新トンネルを増設した場合には、新料金を徴収できないので、莫大な負担がまるまる赤字になる。……両者の差はかくも大きい。
少し延伸するだけで横浜方面まで一挙につながる、という話。
大分宅地化が進んでいますが、このご時世に高架で建設できると考えているのですね。中国ならともかく、民主主義国である日本では簡単に強制収用はできず、おそらく大深度地下をシールドマシンで掘ることになると思います。
>大和トンネルの新トンネルを増設する
私が提案したのは「横浜町田IC〜海老名JCTをオーバーパスする1車線の切替車線」、つまり高架です。厚木飛行場の問題には目をつぶり、既存の東名の上に高架をかけることを意図しています。
つまり、コストは管理人さんが考えている
大和トンネルの新トンネル≒新東名の高架
ではなく、
大和トンネル前後の高架<<新東名のトンネル
になるでしょう。
もちろん新東名の方が効果が大きいことは認めますし建設はすべきですが。
そんなことをするくらいなら、宅地を相場の 10倍で買った方がマシです。相場の 10倍出すと言えば、誰だって売りますよ。
しかも、該当する距離は短い。たいした額にはならない。
シールドマシンだと、必要な距離は 100メートルでも、1キロ以上は地下になるので、莫大な費用がかかる。
それを考えれば、買収には相場の 100倍出してもいいね。シールドマシンは無駄の極み。
※ 現実には、相場の2倍以下で足りる。あるいは、1.3倍と慰謝料。このくらいが妥当だろう。現状のように、相場しか払わないという方針だから、買収が難航する。慰謝料も払わないんだから、当り前だよね。そのあげく、シールドマシンで莫大な巨費を払って、さらには工事難航で工事中止状態。無駄の極み。(次項の例)
>大和トンネルの新トンネルを増設する
これは、のび さん への反論ではなく、別の人への反論。(ネットで見かけたので。)
高架、片側3車線、側道は高架の下に作るとしても、幅30mは買収する必要があるでしょう。海老名南JCTから狩場ICまで直線でも19kmなので、宅地の少ないところを迂回すれば20kmはあります。
一方、神奈川県の一戸建て住宅の平均敷地面積は90平方mだそうです。極端な話、幅30mの予定地に10m×9mの敷地があり、家が3軒きれいに並んでいたとすると、その3軒を買い取るのに、例えば1軒3000万円だったとして、9mを買うのに9000万円かかることになります。1mにつき1000万円ですから、1kmあたり100億円です。20kmがその状況なら買収費用は2000億円となります。実際は住宅地ばかりではないので、もっと安くなるでしょう。その他に建設費がかかります。
一方、大深度トンネルの代表例である外環道は2020年8月の時点で、「(外環道)大泉ジャンクション(JCT)―東名JCT間の事業費が、これまでの見込みから7600億円増えて2兆3575億円に膨れ上がることが分かった。」とあります。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00110/00187/
この区間は中央JCT以南が未定ですが、大体16kmほどになりそうです。1kmあたり約1500億円となります。
https://www.webcartop.jp/2018/04/227986/
には
「高速のトンネル化の費用は高架の5倍!」
「首都高速C2新宿線では1kmで1000億円」
とあります。外環道がC2新宿線より高いのはびっくりです。
となると、「住民の反対を押し切ることができれば」高架の方が買収費用を払っても圧倒的に安くできることになります。
まあ、思っていたより買収費用は安そうなので、騒音対策として幅100mくらいを相場の2倍くらいで買収し、高架で建設してもいいのかもしれないと思えてきました。
しかし、上記記事のまとめは
「建設費をめちゃめちゃ大雑把に比較すると、土工部を1とした場合、高架がその2倍以上、都市トンネルは10倍以上というのが相場になる。
…中略…
都市トンネルが増えているのは、あくまで「それでしか造れないから」なのだ。」
となっています。
結局はこれです。新東名の東京側を高架で建設するのは、札束でひっぱたくのが好きな管理人さん好みの方式ですが、実際は不可能でしょう。
だけど、私の提案のルートでは、住宅地は全体の1割ぐらいでしかない。このくらいなら、金でひっぱたけば何とかなります。
そもそも、現状では、金でひっぱたくどころか、金を渋ちんしている。これでは、できるものもできなくなります。無理強いするなら、せめて相場の 1.2倍は払わないと。
> 住民の反対を押し切ることができれば
畑やゴルフ場には、住民なんかいません。せいぜい、もぐらぐらいだ。