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国立科学博物館が金欠になって、寄付金を募集した……という話を先に紹介した。
→ 科学博物館が寄付金募集: Open ブログ
そのときは、手数料が気になったが、ざっとネットで調べると、手数料は 10% ぐらいが普通だ、という話を聞いたので、「まあ、そんなものか」と思っていた。
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ただ、念のために、改めて調べてみた。
まずは、国立科学博物館のクラウドファンディングのサイトへ行く。
→ (国立科学博物館 2023/08/07 公開) - クラウドファンディング READYFOR
ここで手続きをしようとすると、寄付金の額にかかわらず、「システム利用料 220円が徴収される」と示される。寄付金が3万円でも 10万円でも一律で 220円のシステム利用料だ。
「たったの 220円か。ずいぶん安いな。良心的だな」
と思ったが、よく考えると、これで商売になるはずがない。まるで銀行の送金料やクレカの手数料みたいだ。これでは送金代にしかならない。サイトの維持や、事務局の維持や、利益を得るには、どうしても 10% は必要なので、220円で済むわけがない。
では、本当の額は?
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調べたところ、同じ業者を利用して、クラウドファンディングを使った事例が見つかった。下記だ。
→ 手数料高すぎ?永寿総合病院へのクラウドファンディングを見ると集まったお金約5000万円に対して、システム利用料は925万円だった - Togetter
永寿総合病院からクラウドファンディングの報告書が届いて、4000万円以上が集まったこと、678人の全職員へ5万円支給できたことなどがきっちり丁寧に書かれていて感動したんだけど、READYFORのシステム利用料が約925万円でなんか言葉がない。
— marble (@marble) December 18, 2020
これによると、「4000万円の寄付金に対して、925万円のシステム利用料が取られた」ことになる。寄付した側の方からは1人あたり 220円を徴収して、寄付された側からは総額で 925万円を徴収するわけだ。
まあ、ざっと見て、20%以上を徴収していることになる。暴利だね。
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それにしても、科学博物館でも、ふるさと納税でも、ネットを運営する業者ばかりがボロ儲けして、肝心の公的団体には金がろくに入らない。まったく無駄だ。
それというのも、政府が公的団体に払う金を削るからだ。
呆れる。貧すれば鈍す。あこぎな業者ばかりが、高笑い。

シンプルプラン 12%
フルサポートプラン 17% ですね。
システム利用料や、ノウハウ、宣伝効果等を考えれば妥当ですね。
目標金額に達しなければ費用はかからないシステムですし。
他の会社
Campfire : 17%
Makuake : 20%
ですからまあこんなもんでしょう。
「システム使用料として妥当だ」という理屈で、国税の徴収にこの手のシステムを利用することにしたら、システム業者ばかりがボロ儲けをして、国税の収入は激減する。
クラファンの業者があこぎだというよりは、行政経費をまかなうためにクラファン業者を経由すること自体が無駄で浪費だ、ということ。
個人や小規模事業の利用を前提とした料金システムに、7億円ほどの大規模な寄付金(科学博物館向け)が突発的に入り込むと、業者は予想外の収入で、ボロ儲け。今回も1億円以上の臨時収入。
クラファン業者に1億円以上を与えるのなら、科学博物館に1億円を与える方がマシでしょう。そうならない政府の無為無策が問題。
政府の無為無策で、鬼子ばかりがのさばる。
それは「満額になった場合のみ、事業開始」というタイプのクラファン。一方、「満額でなくても全額がそのまま寄付になる」というタイプもある。
今回は後者。したがって必ず寄付金額が寄付されるし、手数料も必ず取られる。
意味が不明だが、
国から予算がつけばそうでしょう。国のアカデミアへの理解がなく予算がついていないからこのような手法をとらざるを得なかったということ。
それとも国がクラファン手法をとれば良いという意味?
国の職員が自分でやってもこれだけの金額は集まらない。
そもそも職員がやるわけない。業者に丸投げするだけ。委託費用で税金の無駄遣いをするだけ。
今回は社会貢献事業に実績があるReadyforがやったから、広報宣伝周知のノウハウがあるから、これだけの成功を収めることができた。
やらなければゼロ。
手数料20%弱が高いとか暴利とか言うことはできない。
ビジネスモデルという物を理解していない。
「ラーメンの材料費って2割だって。200円の物を1000円で売ってるなんて暴利だ」というとんちんかんな素人話と同じように聞こえる。