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すでに猛暑日が 17日間で、昨年の 16日を越えて、史上最多になったそうだ。(東京都)
グラフで推移を見ると、こうなる。

出典:データ図録
今年が極端に多いのかと思ったが、そうでもないようだ。2018〜2020年は、毎年 12日間もある。けっこうあるね。
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さて。先に次のように述べた。
「夏に電力不足になるのは、年間で数日だけだ」
これと矛盾しないか?
よく考えると、矛盾しないようだ。なぜなら、次のことが成立するからだ。
「猛暑日が 12日間もあっても、そのうちの半分ぐらいは休日であるから、電力不足にはならない」
理由は下記だ。
・ お盆で休みの会社が多い。
・ 夏季休業で休みの会社が多い。
・ 土日で休みの会社が多い。
この三つのうちのどれかに該当する日数が、およそ半分ぐらいはある。だから、猛暑日の内の半分ぐらいは、「会社が休みだ」という理由で、電力使用量が少なめになるのだ。だから「電力が不足気味になる」ということは、普通は起こりにくい。あっても年に数日間で済む。
それでも今年は、猛暑日がすでに 17日だ。この間、土日になったことはあるが、お盆や夏季休業はまだ始まっていない。とすると、すでに電力不足が起こっても不思議ではないはずだ。ところが現実には、そうなっていない。なぜか?
今年は電力会社が頑張った。例年ならばコストカットのために古い火力発電所を次々と廃棄していくところだが、今年は古い火力発電所をきちんと整備しておいた。効率が悪いので引退しろ、と言われていたロートルの火力発電所が、「効率は悪くても、わしらはまだまだ現役で働けるぞ」と準備体操をしていた。……かくて、今年は(いくら猛暑になっても)電力逼迫が起こらないのだ。
電力会社がコストダウンよりも安定供給をめざせば、電力不足の心配は起こらない。そういうことだ。
( ※ 昔はコストダウン優先だったから、やたらと必要な金をカットして、あげく福島原発事故が起こったが。)
【 関連項目 】
本項と似た内容の話は、つい先日にも記したことがある。
→ 夏の電力事情(2023): Open ブログ