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大阪万博の建築物は、期限に間に合いそうにない。理由は建築費が高騰していることと、人手が足りないことだ。このままでは、どうにもならない。万博を中止するしかなさそうだ。困った。どうする?
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「万博のパビリオンを、ダンボールで作る。これなら、建築費は格安で済むし、人手もかけないで済む。すべてが一挙に解決する」
そのためのヒントはこれだ。
段ボール素材でつくる住宅がフランスで話題になっている。
仏西部ナント郊外にある建設会社「バティパック」。
段ボールを重ね合わせて防水性と日光に強いビニール製のカバーで覆い、屋根や壁、床などとして加工する。
夏は涼しく冬は暖かい状態に建物の内部を保てるという。
同社が仏東部アルザス地方で建設したボウリング場では、夏場に気温が40度近くまで上がっても、施設内の温度は20度程度だったという。
リサイクルした段ボールを建設時に使うだけでなく、建物を解体することになってもその段ボールを再び使えるため、資源の節約にもなる。
同社によると、これまでに100カ所以上の事務所や住宅を手がけており、建設した建物の面積は約1万4千平方メートルになった。
( → 「地球沸騰時代」をしのぐ?段ボール素材の家 仏で話題、その効果は:朝日新聞 )
いいことずくめだ。だから、この会社に頼んで、そのままパビリオンを作ってもらえばいい……という気もしたが、ちょっと無理だ。同社が作るのは小型の建物だ。一方、パビリオンは大型の建物だ。構造材からしても、全然違う。
では、どうする?
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私の提案は、こうだ。
「建物の骨格は鉄骨構造として、普通の仮設建築物とする。地震対策も万全とする。
一方で、壁材や表層は、簡易建築とする。壁材はダンボールとして、表層はプラスチックやビニールとする。半年間だけ持てば、それで十分」
この場合、ガラスやコンクリートは使わない。木材もなるべく使わない。使うとすれば、安上がりの南洋材(バルサ材)や集成材などだけだ。
結果的に、どうなるか? 見た目はいかにも安っぽくなる。重厚さや先進感などは得られない。一方で、コストは格安で済むし、納期もちゃんと守られる。最大の問題である「人手不足と納期とコスト」という点を、すべてクリアできる。
かくて問題は一挙に解決する。(困ったときの Openブログ。)
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※ 断熱対策の意味でも、ダンボールは有効だ。冒頭の記事にも説明がある。
同社によると、段ボールは内側にあるすき間が断熱材の役割を果たし、セメントのブロックに比べて熱の伝わり方が遅くなる。室内と外の気温が同じ温度になるまでに12時間程度かかることから、夏は涼しく冬は暖かい状態に建物の内部を保てるという。
同社が仏東部アルザス地方で建設したボウリング場では、夏場に気温が40度近くまで上がっても、施設内の温度は20度程度だったという。
( → 「地球沸騰時代」をしのぐ?段ボール素材の家 仏で話題、その効果は:朝日新聞 )
【 関連サイト 】
ネットをググったら、過去にも「ダンボールのパビリオン」というものがあった、と判明した。ただし、小さな住宅ぐらいの規模。
→ 日本人建築家が手がけた美しいダンボールパビリオンとは? アブダビで開催のアートフェアにも出展 | トジョウエンジン
設計者は「坂茂(ばんしげる)」という人。この人については、前に紹介したことがある。避難所で、紙管の区画設備を提供する、という話。
→ ウクライナ戦争 16(補遺2): Open ブログ
その事例は下記。
→ 坂茂さん、ウクライナ避難民支援で見た現地「対岸の火事ではない」 [ウクライナ情勢]:朝日新聞
※ ウクライナの避難民のための避難所で、紙管の区画設備をつくる、という話。建物ではなく、室内の区画整理だけだが。
いざとなったら、ダンボールの壁を蹴破って逃げ出せるようにすれば、普通の頑丈な建築物よりも安全だ。
火事で危険なのは、小さな部屋が密集する雑居ビル。万博パビリオンのように大きな空間がある場合には、強力な消火栓が一つあれば、ホースで放水するだけで解決できそうだ。
こんなやつで覆えば、何とかなる?
https://www.takenaka.co.jp/news/2020/11/06/index.html
打ち水効果の方は、普通に花壇でも用意すればいい。