──
記事は下記。
国立科学博物館(科博)は7日、インターネットを通じて寄付を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。午前8時にウェブサイトを開設したが、午後5時過ぎには目標金額の1億円を達成した。
科博の篠田謙一館長は7日……こう訴えた。
「コロナ禍による入館者の大幅減少に加えて、光熱費の高騰がのしかかり、自助努力や国からの補助だけでは到底追いつかない、ぎりぎりの運営態勢になっている」
返礼品にはトートバッグや図鑑などの科博のオリジナルグッズを用意。
科博によると、運営費交付金は独法化以降、徐々に減ってきた。独法化によって業務の自由裁量が認められた一方で、資金集めに苦労しているのが現状だという。
( → 国立科学博物館、資金難で寄付集めスタート→1日で目標1億円集まる:朝日新聞 )
良いことのように見えるが、たったの1億円を国が支払えない。どこの途上国のことかと思って、耳を疑う。まるでアフリカの未開民族だな。江戸幕府から明治維新政府になったときでさえ、もうちょっとまともだったのではないか。
クラウドファンディングというと、何だかネットを利用したハイテク技術のように見えるが、その本質は「ネット乞食」である。国が乞食をするようになっちゃあ、おしめえよ。恥を知れ。
岸田首相は、安倍元首相のために国葬をしたり、防衛費を倍増したり、やたらと浪費をする。(国葬は 12億円、防衛費は6兆円の倍増)……それでいて、博物館の光熱費1億円をケチる。何ということでしょう。
──
とはいえ、岸田首相は頭が悪いので仕方ない。東大三浪したのが売りだが、三浪して入学したのでなく、入学できなかった。地頭が悪いので、どうしようもない。
そこで、岸田首相に代わって、私がアイデアを出そう。岸田首相が困っているのだから、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「全国の中学生や高校生が、修学旅行や東京見物をするときに、国立科学博物館の常設展を鑑賞する。それによって、学校という団体が入場料を支払う」
この効果は二つだ。
・ 博物館の方は、多大な観客を得て、多額の収入を得る。
・ 生徒の方は、低い料金で、多大な教育効果を得る。
本項の話の流れでは、前者の方が主要だと思えるだろう。だが、違う。後者の方が主要だ。
実際、国立科学博物館は、常設展に素晴らしい展示がある。わずかな料金で、すばらしい展示物を見ることができる。それは、ただの万博なんかよりも、圧倒的に素晴らしい体験だ。
このことは、前に紹介したことがある。再掲しよう。
(特別展の)会場を出たあとで、すごいのが待っていた。常設展である。これもついでに見られる(別料金は不要)。
特に、地球館というのがすごい。4つのフロアを使って、広大な面積で、剥製や骨格を示している。動物園でざっと見た動物が多かったが、間近で見ると、迫力が全然違う。
熊はデカさに圧倒された。「こいつには絶対に勝てないな」と思った。
草食動物も、巨体の動物が多いので、ちょっと驚いた。
一方で、チーターはかなり小さめなので、意外だった。普通の犬ぐらいの大きさしかない。これだったら、まともに戦っても勝てるかも、と感じた。
最後のあたりには(目立たない部屋で)恐竜の骨格もあった。すごい。
ともあれ、分量がやたらとたくさんある。しかも、常設展なので、人があまりいなくて、(平日なら)ガラガラだ。のんびりとゆっくり見られる。分量も多いので、全部見るのにかなりの時間がかかる。本気で見ていったら、1日がつぶれそうだ。
コスパはすごくいいですね。
( → クリムト展・大哺乳類展: Open ブログ )
ものすごく広大な場所に大量の展示があるのに、人がほとんどいなくて、ガラガラだ。(もったいない。)
だから、こういうところに、修学旅行生を招けばいいのだ。
・ 博物館は黒字化する。
・ 生徒は大きな体験を得る。
一石二鳥で、win-win だ。そして、そのことの本質は、次のことだ。
「素晴らしいものがあるのに、使われずに、余っていて、ガラガラである。それを有効利用するのが賢明だ」
ここでは「無駄になっているものを有効利用する」という手法がとられる。これこそ、金をかけずに多くの効果をもたらす妙手だ。
──
金が足りないとなると、「金を寄付してもらえばいい」という発想が出てくる。だが、それは、乞食の発想だ。
金が足りないときには、金を恵んでもらえばいいのではない。金を生み出せばいいのだ。そのためには、汗水垂らして労働をすればいいのではない。知恵を用いればいいのだ。
知恵を用いれば、今は使われないまま無駄になっているものを、うまく有効利用できる。活用されていないものが、活用されるようになる。
誰かが金を出して、誰かが受け取るのではない。無駄に眠っているものを、有効に生かすようにすればいいのだ。マイナス1とプラス1でゼロサムにするのではなく、ゼロを1に増やすようにすればいいのだ。……そのために必要なのは、知恵なのだ。
[ 付記1 ]
国立科学博物館は、2019年入館者数は、約260万人だ。「主要レジャー施設の入場者数ランキング(2019)ミュージアム部門」で、1位だという。
こんなに大人気なのに収入が少ないのはどうしてか? 調べてみたら、金がないのも道理である。(成人以外の)入場料は無料であるそうだ。(特別展を除いて、常設展の料金。)
無料だなんて。……それじゃ、赤字になるのも仕方ない。修学旅行で客が来れば来るほど、かえって赤字が増えてしまう。ひどい話。
大人が 510円なんだから、せめて 高校生 300円、中学生 200円ぐらいは取ればいいのに。団体旅行ではその3割引ぐらい。
仮に平均 200円で、100万人が来れば、2億円。……あれれ。たいしたことないね。このくらいだったら、無料にして、国が負担してもいいかも。
だが、話の本題は、収入増ではない。中学生や高校生に、素晴らしい体験を与えることだ。そして、その体験の価値は、とても 200円ぐらいのものではない。映画を1本見るのを、はるかに上回る体験だ。
ちなみに、「鬼滅の刃」の子供料金は 800円。スーパーマリオ・ムービーの子供料金は 900円。この2本を見るより、国立科学博物館に行く方が、何倍も効果が大きい。そういう体験を与えたい……というのが、本項の眼目だ。
[ 付記2 ]
現状では、常設店には観客が来ないので、宝の持ち腐れ状態である。もったいない。……これはたぶん、入場料が無料であるせいだろう。
「無料だから客が来ない」
というのは、市場原理からすると話が逆のように見えるが、これは市場の話ではない。ここには市場競争などはない。なぜなら、もともと客が来ないからだ。というのも、ちっとも客引きをしていないからだ。無料ならば、客が来ても儲からない。だから客引きをしない。それで、客が来ない。……かくて、「無料だから、客が来ない」という結果になる。
これを換言すれば、有料化すれば、客引きをするようになるので、すべてはうまく回る。博物館は黒字化するし、日本全国の生徒はすばらしい教育的体験を安価に得ることができる。一石二鳥だ。
金が足りないときには、金を恵んでもらえばいいのではない。金を生み出せばいいのだ。そのためには、汗水垂らして労働をすればいいのではない。知恵を用いればいいのだ。
素晴らしいの一言です。
人間はなぜこんな大きな頭を授かったのか。そこを考えるべきでしょう。ホテルは毎日泊り客がいなければ部屋が腐っていくと言います。博物館の常設展も同じです。