2023年08月05日

◆ 金属バットの新基準

 金属バットは木製バッドに比べて、反発力が強い。これでは危険なので、規格を改訂する新基準ができて、施行される見込み。

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 金属バットは木製バッドに比べて、反発力が強い。ホームランも出やすいし、守備側ではケガが生じやすい。
 高校通算37本塁打の強打者は木製バットの難しさも痛感している様子。六回の第3打席で角度よく上がった打球は、フェンス手前で失速して左飛に。「金属なら本塁打だったと思う。木は少しでもこすったら入らないので、しっかりとらえたい」
( → U18代表、早大に完敗 野球:朝日新聞

 しかも、それだけでなく、正面方向にボールが飛びやすいようだ。つまり、フライやゴロになりにくく、ヒットになりやすい。
 なぜそうなるか? 金属バットは中空である。そのことが大きく影響しているようだ。
  → 目から鱗 野球雑学 金属バットの中身は?
  → 驚異の金属バット エナジーインパクト 驚きのテクノロジー

 中空だと、当たった部分が凹型にへこみやすい。バットが平面の板になったような感じだ。ボールが脇の方向に逸れることがない。そのまま来た方向に跳ね返される。
 木製バットは、中空でない。当たった部分は凸状のままである。ボールはバットに当たったあと、バットの中央のコア部分にぶつかりそうになるが、少しでもズレると、脇の方向に逸れてしまう。来た方向とは異なり、別方向に流されがちだ。

 金属バットと木製バットが同じ太さだと、金属バットの方が実質的な太さは太いのと同じことになる。
 これを是正するには、金属バットの太さを、木製バットよりも細くするべきだ。そこで、現状は 67ミリから、64 ミリに減らす、という新基準ができた。
▽新基準金属バット
 最大直径を現行の67ミリ未満から64ミリ未満とし、打球部の素材の厚さを約3ミリから約4ミリに変更。細く、厚くすることで反発係数を低くし、打球速度を抑えて事故防止につなげることが狙いで、24年選抜から完全移行する。日本高野連の実験数値を時速に換算すると、平均打球速度では現行から約6.3キロ低下する見込み。また飛距離についても高野連関係者の話を総合すると、現行バットは木製に比べて約20メートル飛ぶとされていたが、新基準バットはそれが約10メートルか、それ以下に抑えられるという。
( → 【スポニチ潜入 特別編】高校野球の新基準バットは一長一短 「公立の名将」を直撃 求められる緻密な野球― スポニチ Sponichi Annex 野球

 これはこれで、効果がありそうだ。だが、新基準の改訂後でも、木製バッドと同程度とはならないようだ。
 私としては、64ミリ未満でなく、60ミリ未満にするべきだと思う。このくらい細くすれば、「きちんとミートしないとボールが正面に飛ばない」という効果が生じるので、選手の打撃技術も向上するはずだ。(下手な選手は打率が下がるので。)
 また、平均打率が下がることで、「打者有利」の傾向が収まって、試合時間が短縮される効果も出るだろう。

 まあ、今から言っても手遅れだろうが、将来的には、「改正の第二弾」という感じで、「バットをもっと細くすること」を、「新・新基準」みたいに考慮してもらいたいものだ。



 【 関連サイト 】

 → だから日本の高校生は世界で勝てない…「甲子園だけ金属バット」という謎ルールは今すぐ見直すべきだ 甲子園が盛り上がればそれでいいのか
posted by 管理人 at 19:15 | Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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