2023年08月04日

◆ 高校野球大会の日程 .2

 ( 前項 の続き )
 具体的な日程を示す。炎天下の午後には試合をしない。午前中または夜間にのみ試合をする。大会期間を長くして、休養日を入れる。

 ──

 午後の休止


 先の引用記事では、午後の試合を休止することが提案されている。
 試合時間を「朝(朝5〜6時)に1試合、夕方、夜間(6時〜10時)に2試合」など、日中の炎天下を避ける工夫が必要だ。
( → 選手、審判、応援団、観客がバタバタと倒れている…今年の「夏の甲子園予選」で起きている異様な光景

 ここでは、午後の試合を休止することが大事だ。(夜間は別。)

 午前中はどうか? 上の提案では、午前中に1試合だけとされている。だが、午前中には2試合を開催するといいだろう。それが私の提案だ。
 具体的には、こうだ。
 「朝6時の開始で、2試合を行う。計4時間程度で、10時頃まで。延長の場合にはタイブレークを込みで 11時まで」
 平均的には、そういう感じになる。タイブレークが2試合重なっても、12時までには終わるだろう。

 ※ 試合時間の参考データは下記。
    → 高校野球の試合時間の平均はおよそ2時間程度です

 ※ タイブレークは、9回終了の時点で行うことにする。通常の延長イニング(10〜12回)は無し。

 ※ 「校歌斉唱はどうなるんだ?」という声もあるだろう。校歌斉唱は、5分間だけ行うことにすればいい。5分間ぐらいなら、何とかなる。

 夜間試合


 夜間試合(ナイター)を導入する、という案もある。先の引用記事でも提案されている。
 試合時間を「朝(朝5〜6時)に1試合、夕方、夜間(6時〜10時)に2試合」など、日中の炎天下を避ける工夫が必要だ。
( → 選手、審判、応援団、観客がバタバタと倒れている…今年の「夏の甲子園予選」で起きている異様な光景

 ナイターだと、電気代がいっぱいかかる。その費用負担が問題となる。
 以前ならば、ナイターはありえなかっただろう。入場料・席料が安かったからだ。(アルプススタンドと外野席は無料だった。)
 しかし今では、アルプススタンドと外野席は有料で、そこそこの金額を徴収している。ならば、その金で電気代を払うこともできるだろう。だから、今ならナイターを導入してもいいはずだ。

 また、午前とナイターで、観客を入れ替え制にするといい。そうすれば、収入は倍増する。こういうメリットもある。
 実は、入れ替え制はすでに検討済みだ。しかしそこでは否定された。理由は「スムーズな入れ替えが難しい」ということだ。
 試合時間を朝と夕に分ける「2部制」の開催について今夏の導入を見送る方針が確認された。
 暑さ対策として昨年から導入が検討されてきたものの、朝と夕の観客を安全かつ円滑に入れ替ることが困難であると判断した。
( → 今夏甲子園の「2部制」導入見送りへ 観客の円滑な入れ替えが課題― スポニチ Sponichi Annex 野球

 しかし、ここで一つ、うまい工夫をすることができる。先に述べたように、午後を休みにすればいいのだ。午後を休みにすれば(たとえば午前 11時から午後5時までが休み時間であれば)、その長い時間を利用できる。だから問題なく、観客の入れ替えが可能となるはずだ。

 結局、午後の休み時間を長く取ることで、入れ替え制を実現することができる。そのおかげで、収入の倍増という副次的効果も生じる。……これは大きなメリットだ。高野連の欲張りな人々は、目の色を変えて賛成論に転じそうだ。「収入が2倍になるのか。だったら賛成だ!」と。

 日程の延長


 1回戦や2回戦のころには、夜間試合を実施するといいだろう。
 しかし日程も後半に入って、準々決勝(または追加選抜)以後になれば、夜間試合をしなくても済むようになる。(1日に2試合しか行わないからだ。)
 この場合には、あえて次の方針を取るといい。
 「午前中に2試合をやるだけにして、夜間試合はやらない」

 すると、どうなるか? 次の効果が生じる。
 「夜間の時間帯には、阪神タイガースのプロ野球の試合を開催できる。午後の時間帯は、高校野球でなく、阪神タイガースの練習用の時間に使える」

 すると、次の効果も生じる。
 「阪神タイガースの試合には影響がないので、午前中の時間帯は、8月31日まで、ずっと使える」

 すると、次のことが可能になる。
 「夏の高校野球の日程を、8月31日ごろまで引き延ばすことができる」

 このことはとても重要だ。
 現状では、夏の高校野球の日程は8月22日までだ。(以後は予備日)
 しかし「試合は午前中だけ」というふうに限定すれば、日程を8月31日ごろまで引き延ばせるのだ。阪神タイガースの夜間試合とかぶらなくなるからだ。

 ※ 午前中は高校野球をやって、夜間は阪神タイガースの試合をする、というふうにできる。

 日程を延ばすメリット


 日程を延ばすことには、メリットがある。投手の疲労の問題を回避できることだ。
 準々決勝(または追加選抜)から決勝までの間、毎日のように試合があると、投手の疲労という問題が生じる。しかし日程を延ばせば、途中に休養日を挟めるので、投手の疲労の問題を回避できる。その休養日には、阪神タイガースの試合を二日間ぐらい当ててもいいだろう。次のように。( ◯ は試合日、× は休養日 )

      ◯◯××◯

 日程を延ばすデメリット


 日程を延ばすことには、デメリットがある。「宿泊費が増える」ということだ。
 たとえば、本来ならば4日間の連続試合があるはずだが、途中で休養日を2日間挟めば、宿泊費が2日増える。その分、宿泊費が余計にかかる。これは金銭的に痛い。デメリットとなる。
 だが、このデメリットは、実はかなり小さい。その理由は以下の通り。

 (1) 三分割の効果

 前項では、「宿泊費を削減する方法」を提案した。つまり、「前期・中期・後期に分けること」だ。この方式をとれば、ずっと宿泊し続ける学校は後期の4校だけとなる。他の学校はすべて宿泊費が少額で済む。こうして宿泊費の大幅な削減に成功している。
 とすれば、後半で少しぐらい宿泊の日数が増えても、たいして問題とならないのである。

 (2) 現行の休養日

 実は、現行制度ですら、休養日は2日間も設定されているのだ。
  ・ 決勝の前日は休養日
  ・ 準々決勝の前日も休養日

 こういうふうに、休養日は2日間も設定されているのだ。
    → 104回全国高校野球選手権大会概要 代表校一覧 ーナメント表
 だから、たとえ休養日を4日間ほど設定することにしても、実際に増える分は2日間ぐらいだけで済むことになる。

 (3) 校数の少なさ

 決勝に進出するのは2校だけである。
 準決勝に進出するのは4校だけである。
 だから、これらの学校が延々と宿泊を続けることになるとしても、主催者が払う金は少なく済ませることができるのだ。たったの2校または4校が、2泊ぐらい多く宿泊するとしても、それにかかる費用はたいしたことがないのだ。
 現状では、1回戦に出場する学校が、1週間ぐらいも宿泊し続けることが多い。それも、数多くの学校がそういうふうに連泊する。これでは多額の費用がかかる。(だから休養日を設けるのはまずい。)
 一方、本項の方式なら、2校または4校だけなのだから、連泊したとしても、たいして費用総額は増えないのだ。(だから最後のころに休養日を設けても大丈夫だ。)

 ──

 結局、以上の (1)(2)(3) の理由で、日程を延ばすことのデメリットは大きくない。
 だから、日程を延ばすことを恐れなくていい。つまり、「1日にやるのは午前中の2試合だけ」という方式を採用することができる。(準々決勝または追加選抜のあとでは。)

 推奨の日程


 では、具体的な推奨の日程は、どうなるか? 私としては、次のような日程を推奨する。

  ・ 開会式とエキストラ試合
  ・ 前期1回戦(4試合)
  ・ 前期1回戦(4試合)
  ・ 前期2回戦(4試合)
  ・ 中期1回戦(4試合)
  ・ 中期1回戦(4試合)
  ・ 中期2回戦(4試合)
  ・ 後期1回戦(4試合)
  ・ 後期1回戦(4試合)
  ・ 後期2回戦(4試合)
  ・ 前期4校を前期2校に絞る。(2試合)
  ・ 中期4校を中期2校に絞る。(2試合)
    ── 以後は準々決勝 ──
  ・ 後期4校を後期2校に絞る。(2試合)
  ・ 前期2校と中期2校を2校に絞る。(2試合)
  ・ 休養日
  ・ 休養日
    ── 以後は準決勝 ──
  ・ 準決勝(2試合)
  ・ 休養日
  ・ 休養日
    ── 以後は決勝 ──
  ・ 決勝

 合計、20日となる。そのうち、休養日は4日間である。
 
 なお、休養日は4日間あるが、これは、「女子甲子園の、準々決勝・準決勝・決勝」に割り当てるといいだろう。
 現状では、女子甲子園は7月22日〜8月1日に開催される。そのうち、最後の方の三日間を削って、男子の甲子園の方に譲ってもらう。(予備日を込みで。)そのかわり、男子の甲子園の最後の方の休養日を、「女子甲子園の、準々決勝・準決勝・決勝」に割り当てればいいのだ。
 余った休養日を、女子の甲子園に使ってもらえば、無駄なく日程を使うことができる。これぞ合理的というものだ。(休養日を入れても無駄にならない。)

 ※ 休養日を、阪神タイガースに割り当てる、という案もある。だが、阪神タイガースはナイターだし、高校野球は午前中なので、もともとかち合うはずがないのだ。

 ──

 ともあれ、上記のようにすれば、日程は 8月3日〜8月22日までの 20日間となる。この場合、現状と同じく、8月22日には終了してしまう。
 先のアイデアだと、「日程を長く延ばすことができる」はずだったが、実際には、日程を長く延ばすこともなく、普通に日程を済ませることができるようだ。
 そこで、8月23日〜8月31日までの午前中は、「予備日」として、台風に備えておくことにしよう。これで万全だ。

 ──

 なお、前期・中期・後期において、1回戦と2回戦の間に、休養日を入れてもいい。その場合は、計3日、休養日が増える。また、日程は3日、延びる。



 [ 付記 ]
 変更案もある。
 中期の2回戦は、2日だけ後に移してもいい。つまり、後期の1回戦(2日間)の直後に置くのでもいい。こうすれば、次のメリットが生じる。
  ・ 中期の1回戦のあと、中期の2回戦までに、2日間の休養期間が生じる。
  ・ 後期の1回戦のあと、後期の2回戦までに、1日間の休養期間が生じる。

 こうして、中期にも後期にも、2回戦の学校に休養期間を与えることができる。それも、休養日なしに。
 これはうまい工夫だ。

 ※ ただし、である。この場合、中期の2回戦のあと、日程の余裕がなくなるので、中期の学校は一時帰郷はできなくなる。とすれば、中期の学校は近グループから中グループに変更する必要がある。また、前期の学校は中グループから近グループに変更する必要がある。下記のように。
  ・ 前期 …… 近グループ (一時帰郷あり)
  ・ 中期 …… 中グループ (一時帰郷なし)
  ・ 後期 …… 遠グループ (一時帰郷なし)

 この場合、前項で述べたグループ分けを大幅に変更することになるので、かなり大規模な修正案となってしまう。
 そこで、これはこれで、まったくの別案として示すことにしよう。(最善案かもしれないが、ちょっと複雑化する。)

 ※ この方式を取った場合には、前期の2回戦は、中期の1回戦(2日間)の直後に置くこともできる。あるいは、後期の1回戦(2日間)の直後に置くこともできる。こうすれば、前期の学校に休養日を与えることができる。……これはこれで、微修正として与えておこう。(やってもやらなくてもいい。)



 【 関連動画 】








 ※ 次項 に続きます。 (本論はすべて書き終えたので、あとは補足的な話だけです。)

posted by 管理人 at 21:57 | Comment(6) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日程も31日まで延長して休養日を多く取るのはいいですね。もちろん遠征費の問題がありますが。

ところで、管理人様は2024年に使用バットに低反発バットの使用規定が導入されることをご存じでしょうか。
低反発バットによって点が入りにくくなり、試合時間の短縮が見込まれるのではないかと言われています。

高校野球の歴史を守りつつ球児や観客を熱中症から守るためには、試合時間を如何に短くするかではないかと考えます。
Posted by 通りすがりの匿名 at 2023年08月04日 23:11
> 2024年に使用バットに低反発バットの使用規定が導入される

 低反発バットの件は、もともと論じる予定があったので、あとで別項で示しておきます。
Posted by 管理人 at 2023年08月05日 05:12
 最後に [ 付記 ] を書き足しました。
 別案の話。(日程は微修正だが、グループ分けが根本変更になる案。)
Posted by 管理人 at 2023年08月05日 05:20
沖縄尚学高校が台風6号の影響で監督と主将しか3日に行われた組み合わせ抽選会に参加できなかったことがニュースになりましたが、逆に言うと初戦3日前の抽選会には全員が会場入りしているのが当たり前ということなのですね。
1回戦が7日目まであるので、順当にいけば12日になるのでしょうか。1回戦に出るだけで9泊10日というのはいくらなんでも長すぎですね。
Posted by のび at 2023年08月05日 09:25
 次項では次のように記す予定。

>  「エキストラ試合に出場しない 47校は、1名(主将またはマネージャー)だけが開会式に出場して、他の選手は開会式には出場しない。他の選手は自宅で開会式のテレビを見るだけだ」
Posted by 管理人 at 2023年08月05日 09:48
こういうテーマで具体的な提案して
しかも言語化できるのはすごいわ
Posted by 通りすがり at 2023年08月05日 10:20
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