2023年07月16日

◆ 健康保険証を廃止? .3

 ( 前項 の続き )
 これまでの話のオマケ。落ち穂拾い。細かな話をいくつか。
 
 ──

 本人確認の手続き


 マイナンバーカードの発行で、本人確認の手続きをしやすくする、という方針が示された。現行では、本人が区役所に出向く必要があるが、その必要をなくして、代わりの方式を取る。
  ・ 役人が介護施設に出向いて本人確認をする。
  ・ 郵便局で本人確認をする。

 そのいずれでも、本人が区役所に行かなくてもいいので、本人確認が楽にできる。だから、マイナンバーカードの発行が可能になる……というわけだ。

 以上は名案だが、現実には実行されていないようだ。ネットでググると、昨年末に「検討する」という記事が出たが、そのあと、実現に向けた記事が見つからない。
 政府は、マイナンバーカードの申請や交付時に自治体職員が対面で行っている本人確認について、高齢者の一部を緩和する検討に入った。高齢者施設の入所者は施設長が、自宅で寝たきりの高齢者はケアマネジャーが代行する案を軸に調整する。高齢者本人が市役所などに出向かなくても済むようにし、マイナカードの取得を後押しする。
( → マイナカード取得、本人確認を緩和へ…施設長やケアマネが代行案 : 読売新聞 2022/12/06

 松本剛明総務相は15日、マイナンバーカードの交付に必要な本人確認を郵便局でできるよう2023年の通常国会で法改正をめざすと表明した。いまは申請か交付の際に役所に出向いて本人確認を受ける必要がある。
( → マイナンバーカードの申請、郵便局で本人確認 23年に法改正 - 日本経済新聞

 結局、いまだに「検討中」であるようだ。半年以上たっても、実現の見通しは立っていない。間抜けすぎる。

 代理人交付


 介護施設に入所している人については、代理人による交付が可能になった。これは実現済みだ。
  → マイナンバーカードの代理人交付(申請者本人が長期入院や施設入所している場合)|越前町公式ホームページ
  → 【マイナンバー】要介護の高齢者のカード交付が簡単に!保険証と一体化へ - 日刊介護新聞 by いい介護
  → 代理人によるマイナンバーカードの受け取りについて 横浜市

 健康保険証の存続


 前項では「顔写真なしのマイナンバーカードを強制交付する」という案を示した。これならば保険証を廃止してマイナンバーカードに移行することができる。
 一方、野党は「健康保険証の存続」(継続利用する・廃止はしない)という方針を示した。
  → (時時刻刻)混乱さなか、マイナ利用拡大 保険証廃止、野党「見送りを」:朝日新聞

 これは、最善ではないが、次善の方針かもしれない。ただ、不正利用を防げないので、なるべく使用できる範囲を限定した方がいいだろう。
 具体的には、
  ・ 介護施設・老人福祉施設で利用
  ・ 1950年以前に誕生の高齢者

 というふうに、範囲を限定する。上記のに条件をともに満たした場合のみ、健康保険証の利用を認める。……こうすれば、大きな問題は生じないだろう。

 なお、双方のうち、片方だけを満たす場合はどうか? 一応、次のようにするとよさそうだ。
  「利用を認めるが、有償化して、1回 100円程度の手数料を徴収する」

 たとえば、1950年以前に誕生の高齢者は、マイナンバーカードの取得の手続きがわからなかったり面倒だったりしたので、申込みをしていない。それでも、健康保険証を使えるようにする。介護施設に入所した場合には、上記の2条件をともに満たすので、特に問題なく利用できる。一般病院に通院した場合には、上記の2条件の一方だけ(後者だけ)を満たすので、「1回 100円程度の手数料を払うことで、健康保険証を利用できる」というふうにする。

 ※ ただしこれは、次善の策である。前項のように、「写真なしのマイナンバーカードを強制交付する」というのが最善だ、という点は、揺るがない。

 健康保険証の不正利用の対策


 健康保険証の使用の継続を認めた場合には、不正利用の阻止も同時に進めるべきだ。
  ・ 不正利用をした人には、厳罰で処する。
  ・ 同一の保険証で複数の人の利用がある可能性(不正利用の可能性)を、AIでチェックする。


 特に、後者は重要だ。このくらいのことは、AIでちゃんと調査して、発見して、摘発するべきだ。

 ※ たとえば、遠隔地での利用は、不正利用の疑いがある。
 ※ 健康保険証の不正利用は、外国人労働者には多いらしい。
   その点からも、AIによるチェックがしやすい。
 ※ 血液型の検査で、異なる血液型が発見されることもありそうだ。
   ある病院ではA型、別の病院ではB型、と判定されたり。
   こうなれば、明らかに、複数人による不正利用だ。
 ※ 高額の医療費がかかる場合には、特に念入りにチェックするべきだ。

 認証作業の高速化


 マイナンバーカードで、顔認証や暗証番号入力をすると、そのたびに、手続きに数秒の時間がかかる。これは面倒だ。
 そこで、この手続きを、バックグラウンドで事前に作業してしまえばいい。

 (1) 顔認証
 《 現状 》
 「顔認証」のボタンにタッチする。すると、顔認証のソフトが作動して、認証を開始して、認証が完了したら、「認証完了」と表示される。(数秒間)
 《 新案 》
 「顔認証」のボタンにタッチする前に、すでにバックグラウンドで、顔認証のソフトが作動して、認証を開始して、認証が完了している。「顔認証」のボタンにタッチすると、すぐに「認証完了」と表示される。(一瞬で)


 (2) 暗証番号
 《 現状 》
 「暗証番号」のボタンにタッチする。すると、暗証番号のソフトが作動する。暗所番号を入力すると、その番号が照合される。認証が完了したら、「認証完了」と表示される。(数秒間)
 《 新案 》
 「暗証番号」のボタンにタッチする前に、すでにバックグラウンドで、暗証番号のソフトが作動してして、照合されるべき番号が用意されている。暗証番号を入力すると、その数字を照合して認証が完了する。だから、「暗証番号」を入力すると、すぐに「認証完了」と表示される。(一瞬で)


 ──

 結局、(1) でも (2) でも、現状では数秒間の時間がかかる。ホスト・コンピュータと、数秒間の通信をしているからだ。
 そこで、その追伸の時間を、バックグラウンドで事前に済ませておけばいい。そうすれば、利用者がボタンにタッチしたあと、一瞬で認証が完了する。

 ※ 認証手続きのときには、ハッシュ値を使うハッシュ化をしておくと、高速処理が可能になりそうだ。(ハッシュ値については、ここでは説明しないので、各自で自分で調べてほしい。)




 ※ シリーズはこれで終わりです。 (おしまい)
 
posted by 管理人 at 21:55 | Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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