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政府がペテンをするというのだから、恐れ入る。というか、政府が国民をだますのは毎度のことか。「ニンジン(お金)をあげます」と言って、国民を喜ばせるが、実は そいつは見せかけだけであって、実際には与えない。

児童手当でもそうだ。高校生の第三子への給付増額というのは、インチキであるそうだ。毎日新聞が報じている。
高校生になっても月3万円が支給される子どもはかなり限定されそうだ。
注意したいのは「第3子」の定義だ。現行の児童手当では、高校卒業に相当する年齢(18歳の誕生日の直後の年度末)以下で、一番年長の子どもを「第1子」と数える。こども家庭庁の担当者は「高校卒業までは親が養育していることが多い、という考え方によるもの」と説明する。そのため、子どもが3人いても、一番上の子が19歳になると、2番目の子が「第1子」、3番目の子は「第2子」と扱われる。
例えば、第1子が高校3年、第2子が中学2年、第3子が小学4年の家庭の場合。これまで月1万5000円だった第3子の支給額は、新しい制度になると倍増し、月3万円になる。しかし、第1子が1年後に高校を卒業すると、第3子だった小学生は「第2子」として扱われるため、支給額は月1万円になる仕組みだ。
この場合、高校生になっても第3子として月3万円が支給されるのは、年子の子どもが3人とも高校生だったり、三つ子だったりと、 ごく限られたケースになる。
( → 児童手当「第3子は月3万円」 高校生はほぼ受け取れない? | 毎日新聞 )
「年子の子どもが3人とも高校生だったり、三つ子だったり」とあるが、年子の子どもが3人とも高校生だったとしても、それで増額してもらえるのは1年間だけだ。翌年からは増額がなくなる。3年間まともに増額があるのは、三つ子の場合だけだ。
つまり、高校生の第三子への給付増額というのが現実になるのは、三つ子の家庭だけなのだ。
三つ子の家庭は、どのくらいあるか? 2020年のデータでは、こうだ。
総数 849041
双子 8790
三つ子 137
→ 出典:日本財団ジャーナル
双子の比率は1%強であり、特に珍しくもない。
しかし三つ子はガクンと減って、0.1% よりもさらに少なく、0.016% しかない。大雑把に言えば、双子は百分の1であり、三つ子はそのまた百分の1に近い。(もう少し多いが。)
これほどにも珍しいのだ。
※ 単位は人数でなく分娩数。人数だと、三つ子は3倍になる。400人。
137 × 3 ≒ 400
ともあれ、日本全体で三つ子は年間 400人程度。高校の三学年を合計しても、1200人程度。家庭数で言えば、400家庭だけ。……たったのこれっぽっちの人しか、対象者にはならないのだ。
「高校生の第三子への給付増額」とは口先では言っても、現実にはこっそりと制限を付けて、支給をしないことにするわけだ。ひどいペテンだね。詐欺師も顔真っ青となる、ずる賢さ。
[ 付記 ]
ついでだが、次の情報がある。
児童手当の所得制限では、所得の額は、世帯所得ではなく、世帯主の所得であるそうだ。夫婦のうちの高い方の所得。夫婦で 1000万円前後で所得制限がかかるのではなく、どちらか高い方が 1000万円であるから、夫婦の総額では、最大で 2000万円ぐらいまでは、所得制限がかからないようだ。
※ この点、前は誤解して記したこともあるようなので、お詫びして訂正します。