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朝日新聞が報じている。最近の記事を、日付順に並べよう。
→ 外苑再開発の環境アセス、識者「形だけ」と厳しく指摘 東京都は反論
→ 外苑再開発のアセス、小池都知事「適切」と反論 専門学会の批判に
→ 神宮外苑再開発、高木伐採は8月開始予定 今夏に住民説明会
→ 「神宮外苑再開発の認可は違法」、住民ら訴訟で主張 都は棄却求める
→ 神宮外苑再開発、7月に説明会 事業者「説明会まで高木伐採ない」
→ 神宮外苑再開発の説明会、17日から3日間 住民「開けた対話を」
特に、次の箇所が肝心だ。
再開発は、外苑にある神宮球場や秩父宮ラグビー場を建て替えたり、超高層ビル2棟を新築したりするもの。3月に着工し、2036年に完成予定。工事に伴い、837本を植樹する一方、高さ3メートル以上の木700本以上の伐採を計画する。
( → 神宮外苑再開発、高木伐採は8月開始予定 今夏に住民説明会:朝日新聞 )
古い樹木を大幅に伐採して、新しく樹木を植える。数の上では帳尻は合うが、大木が消えて、幼木だらけになる。これではとても環境は維持できない。そこで、反対論が大勢出るわけだ。
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では、どうしてこんなことになるのか? 理由は、次の図を見るとわかる。

出典:日経(xTECH)
左が現状で、右が再開発後だ。
再開発後については、下図もある。

出典:三井不動産
図の下方に駅がある。ラグビー場と野球場の位置を交換することで、現状では駅から遠い野球場を、再開発後には駅のそばに位置づける。そういう利便性向上がある。
有名なイチョウ並木は、並木との干渉をうまく避けるように野球場を配置することで、伐採を免れる。(これで一安心。)
その一方、ラグビー場とテニス場ができる部分では、大幅に樹木が伐採されてしまう。目玉となる部分(イチョウ並木)以外の部分で、大幅な伐採があるわけだ。
→ 神宮外苑地区の再開発で樹木が伐採される?! その概要や問題点を分かりやすく解説
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以上が、計画のあらましだ。
以下では、これについて私が評価しよう。
(1) 野球場
野球場については、計画通りでいいだろう。イチョウ並木との干渉が避けられているので、特に有害性は大きくない。駅に近くなるという利便性向上もある。
(2) TEPIA
実は、図の左側(新野球場の西側)に、TEPIA という建物がある。これは 1989年5月 の開業であり、2036年予定の全体完成のころには築47年になっている。とすると、神宮外苑の再開発の完了後、5〜10年もしたら、この TEPIA という建物も改築されることになる。
この建物は、今回の再開発の対象外だが、どうせ 5〜10年での改築が見込まれているのなら、いっそのこと、この建物も、神宮外苑の再開発にひっくるめて、いっしょに再開発するべきだろう。そうすれば、いろいろと問題を回避する、うまい代案もできそうだ。
《 参考 》
実は、この建物は、槇文彦の設計になるもので、モダニズムの名建築としても知られている。
→ 外苑前で建築巡り!おススメの名建築12選を紹介 | トーキョー建築トリップ
これを取り壊すには惜しい、という見解もあるだろう。だが、建築というのは、しょせんは有限の寿命しかもたないものだ。写真などで記録すれば十分であり、現物としての保存はできなくとも仕方ない。

(3) ラグビー場とテニス場
ラグビー場とテニス場ができる。
ラグビー場は、都内では数少ないものなので、存在価値が高い……という見解もあった。しかしその後、東京都が新たにラグビー場を三つも新設する方針が出た。特に、代々木にできるのは便利だ。
→ 都内3か所にラグビー場を新設…代々木公園、府中の森公園、高井戸公園
となると、今さら神宮外苑にラグビー場を残す必要はない。代々木公園とは、距離も近いからだ。
テニス場はどうか? もともとはテニス場などはなかった。軟式野球場があるだけだった。だが、軟式野球場では、利用者が少なくて儲からない。そう思ったので、もっと儲かりそうなテニス場にすることにしたのだろう。
さて。ラグビー場とテニス場をつくるのは、なぜか? じつは、こんなところにラグビー場とテニス場を作っても、採算に乗るはずがない。普通の商業地にした方がずっと儲かる。ラグビー場とテニス場なんて、ほとんど金儲けにならないので、まったくの無駄事業だと言える。民間会社がやるとしたら、事業としては破綻するだろう。
だが、これは民間の事業ではないのだ。では、何かというと、こうだ。
「ここは公園用地として指定されているので、土地利用が規制されている。一般の建物を建てることは不可。広い意味で公園と見なせるようなスポーツ施設のみが建設可」
そこで、どうせなら、ただの公園にして無料開放するかわりに、有料のスポーツ施設にして金儲けしよう……というのが、明治神宮の思惑だ。かくて、ろくに儲けにもならないような、ラグビー場やテニス場を作って、わずかな金を得ようとするわけだ。
※ ラグビーの試合なんて、ろくにないので、ほとんど儲からないのだが。
プロのテニスの試合も同様だ。
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新提案。
以上の (1)(2)(3) をかんがみて、新たに次の提案をしよう。
・ TEPIA の改築を含めて、一体化して再開発する。時期は遅れてもいい。
・ 野球場は、計画通りの位置でもいいが、もっと西側に移転するといい。
(TEPIA のある位置にずらす。)
・ ラグビー場とテニス場は、廃止する。かわりに、緑地公園とする。
・ 緑地公園の部分は、東京都が土地を買収する。
※ 明治神宮が土地の売却を拒んだ場合には、長期の賃貸で借り受ける。賃貸料は、ごく低価格とする。(公園として利用することを条件とする。商業用地とは違う。)……なお、ごく低価格とはいっても、ラグビー場やテニス場としての収益に比べれば、ほぼ同程度の額となる。
以上が、本サイトの提案だ。困ったときの Openブログ。

プロ野球球場にするのなら、まだわかるが。