2023年06月17日

◆ 銃口を向けられたら……

 自衛官候補生の銃撃事件の関連。
 銃口を向けられたら、どうするべきか? 身をかわして横に逃げるべきだ。

 ──

 自衛隊の銃撃事件では、「銃口を向けられた自衛官があっさり射殺された」ということが報道された。
 射撃訓練に臨んだ男は弾薬を受け取ると、八代3曹の指示に従い、射撃位置に入る前の準備位置で弾を弾倉に込めた。だが、本来は射撃位置で小銃に装着するはずの弾倉を取り付けたことから、八代3曹に制止されたという。
 男は直後、左斜め前方向にいた八代3曹に1発、右斜め後ろを振り向き、菊松1曹に計2発、原3曹に1発撃った。他の隊員に取り押さえられる際にも上に向けて何発か発砲したという。男は「取り押さえられそうになったから撃った」と供述。
( → 日常的な指導関係なく 候補生と被害隊員 陸自発砲:朝日新聞

 ここでは、銃口を向けられた教官が、逃げもしないで、あっさりと射殺されたことに着目しよう。

 ──

 銃口を向けられたら、どうするべきか? それには鉄則がある。身をかわして横に逃げるべきだ。しかも、相手の左側(自分から見たら右側)へどんどん移動するべきだ。これが原則だ。

 (1) 横に逃げることで、銃弾が命中しなくなる。引き金を引こうとしたときと、実際に銃が発射されるまでには、0.1秒ぐらいのタイムラグがある。その 0.1秒の間に、30cm ぐらい移動すれば、発射された銃弾は、逃げている自分の 30cm 後方を通りに受けていく。……このように、タイムラグを利用して、命中を避けるわけだ。だから、横に逃げることは有効である。
    ※ 逆に言えば、動く相手を狙うときには、相手の将来の位置を予測して、少し先を狙って撃つ必要がある。……しかし、初心者は、そこまでやることはできない。だからこそ、相手が初心者なら、動くことがとても有効なのだ。

 (2) 相手の左側に逃げることが大切だ。なぜか? 相手が右利きならば、相手が銃を構えたときに、体は右側を向いている。相手にとって左側の方面は、相手が背を向けている。そこに逃げ込めば、相手の視野の範囲外となる。完全に範囲外とはならないが、それでもやはり、相手にとって見やすくない領域となる。その分、マトを定めることが難しくなるので、命中率は下がる。……このようにして相手の背後から裏を取って、相手に襲いかかることができる。
    ※ ただし、相手の銃が小銃や猟銃の場合(右腕を引いて構える場合)に限る。相手の銃が拳銃ならば、話は別だ。体は(右を向かずに)正面を向いているからだ。

 ──

 以上のことは、実戦においても、とても有益だ。自衛隊の射撃訓練では、遠方からマトに的中させる訓練ばかりしているようだが、市街地などでのゲリラ戦では、上記のような戦い方をする必要がある。
 このような戦い方を学んでいないと、ゲリラ戦で近距離からあっさり銃殺されてしまう。攻めるばかりでなく、逃げる方法も学ぶべきなのだ。

 以上のような逃げ方を、常日頃から訓練しておけば、今回のような悲劇は起こらなかっただろう。(犯人が銃を向けた瞬間に、反射的に、さっと逃げ出す行動を取っているからだ。逆に、カカシのように漫然と突っ立っていれば、当たりやすいマトになるだけだ。)


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 ※ 自衛隊では、「たとえ銃弾を入れていなくても、銃口を人に向けてはいけない。絶対に」と徹底されている。それはそれでいいのだが、そのせいで、「銃口を向けられたら」という場合における対処をやらなくなっている。そいつはまずい。ちゃんと対処策も訓練しておくべきなのだ。戦闘時の訓練の一環として。……カカシじゃないんだから。



 [ 付記1 ]
 今の自衛隊では、ゲリラ戦があまり重視されていないのが、問題だ。接近しての銃撃や取っ組み合いも考えるべきだ。ナイフや短剣を使ったり、拳銃を使うことも、訓練に入れるべきだ。
 どうも、遠距離で小銃で狙撃することばかり考えているようだが、相手が塹壕に隠れていれば、小銃などは意味がない。また、塹壕に隠れている相手の上から襲いかかったなら、小銃を持つ方が負けて、拳銃を持つ方が勝つ。(小銃は構えるのに時間がかかるので、構えようとモタモタしている間に、拳銃で撃たれてしまう。)
 自衛隊はもっと接近戦の訓練をするべきだろう。特に拳銃の訓練が重要だ。それも、早撃ちの訓練が必要だ。(西部劇みたいに。)

 [ 付記2 ]
 相手を制圧する場合にも、工夫は必要だ。
 銃を構えた相手に襲いかかるときは、身を下げて、タックルするべきだ。身を下げると、相手の銃に当たりにくいからだ。
 銃というものは、上に向けることは容易だが、下に向けることはやや面倒だ。視野の中でも見やすくない。下方から襲いかかってくる相手に銃弾を命中させることは困難だ。だからこそ、こちらからは、身を低くしてタックルするべきなのだ。

posted by 管理人 at 19:19 | Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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