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事件の詳細は不明だが、いくらかは事情がわかってきた。
殺人未遂の疑いで逮捕された自衛官候補生は、射撃の順番を待っている際に合わせて4発の弾を発射していたことが関係者への取材で分かりました。
最初に、25歳の隊員に1発撃ったあと52歳の隊員に向けて2発発射し、最後に別の25歳の隊員に1発発射したということです。
このうち、最初と2番目に撃たれた隊員が死亡したということです。
弾は連射ではなく、1発ずつ発射したということで、陸上自衛隊と警察が当時の状況をさらに詳しく調べています。
警察の調べに対し、候補生は「52歳の教官が狙いだった」と供述しているということです。
25歳の隊員について「自分と教官の間にいて妨げになっていたので撃った」と説明しているということです。
( → 陸自射撃場発砲事件 逮捕の候補生 連射ではなく1発ずつ4発発射 | NHK )
犯人は自衛官候補生だ。自衛官でなく、自衛官になる前の訓練生だ。3カ月間の訓練をしたあとで、自衛官に任官する。4月入隊で、6月に事件を起こした。銃撃訓練の最終日のことだ。
ではどうして、この時期に犯行をなしたか? 記事からは(無差別的な乱射ではなく)特定の相手を狙ってのことだとわかる。動機があったわけだ。たぶん、個人的な恨みだろう。最も有力な理由は、「卒業できないと思った」ということだ。教官が厳しくて、落第点を与えたので、まともに卒業できない。中退扱いになり、任官することもできなくなる。特に、小銃訓練の成績が悪くて落第気味だったのだろう。
原因については、以上のように推測できる。
※ 下記記事も参照。
→ 一夜明け続く動揺 教官に叱られたと候補生 - 産経
──
では、対策は? 同種の事件を予防するには、どういう対策をしたらいいか?
それを考える前に、同種の事例を探ろう。
第1に、過去に似た事件があった。40年前の山口県の事件だ。やはり自衛官による銃乱射事件があった。理由も同様で、周囲の同僚に「馬鹿にされた」と思って、恨みがあったようだ。ただしこのときは、「うつ病」のせいで「心身喪失状態」にあったとされて、犯人は起訴されずに、精神病院に入院することになった。
→ 訓練自衛官小銃乱射事件 - Wikipedia
→ 陸自施設の射撃事故「偶然はありえない」 OBが思い出した山口事件:朝日新聞
→ 自衛隊銃乱射 陸自トップも言及 40年前に山口でも・・・64式小銃乱射 4人を死傷させ山中に逃走 | TBS
この事件は、似た状況にはあるが、精神異常者による犯行となると、あまり参考にならないかもしれない。
第2に、米国の銃乱射事件がある。2022年に2件あった。一般人の犯行だが、いずれも 18歳という点で、今回の事件と共通性がある。
→ ロブ小学校銃乱射事件 - Wikipedia
→ 2022年バッファロー銃乱射事件 - Wikipedia
→ アメリカ合衆国における銃乱射事件 - Wikipedia
今回を含めて、3件の事件ではいずれも犯人が 18歳だ。この年齢は精神が不安定だと言えそうだ。精神が未熟で、自己統制ができない、とも言える。全員がそうだというわけではないが、そういう人物がいくらかいるようだ。そして、そういう人物を見抜けずに、銃を与えると、「気違いに刃物」という状態になりがちだ。
──
このことから、「18歳の未熟な若者に対する処置」を新たに考えた方がいいだろう。とはいっても、「 18歳から 20歳になるまで待つ」というわけには行かない。自衛官の任期は2年間だからだ。「 18歳から 20歳になるまで待つ」ことにしていたら、その間に、任期がすべて終了してしまう。それでは意味がない。
そこで、年齢で枠を縛るかわりに、「3カ月間の訓練生の期間には、小銃を渡さない」ということにするといいだろう。小銃はあまりにも殺傷力が強すぎるからだ。かわりに、ライフル型の空気銃(エアライフル)と、拳銃(22口径)を渡すことにすればいいだろう。この両者は、いずれも殺傷力が小さい。心臓のような急所に当たった場合を除けば、致命傷にはなりにくい。当初の3カ月間は、このくらいの銃を与えるだけにすればいいだろう。
そもそも、正規の警察官ですら、与えられるのは拳銃だけである。なのに、自衛官候補生の場合には、正規の自衛官ですらないのに、小銃という強力な武器を与えられる。
今回の小銃は、89式という自動小銃だ。
テレ朝「89式 …」
《 スペック 》
口径 5.56 mm
装弾数 30発
発射速度 650 〜850発/分
有効射程 500 m以上
( → 89式5.56mm小銃 - Wikipedia )
自動小銃という名前からすると、拳銃の一種のように思えるかもしれないが、実際には「軽量のマシンガン」という位置づけた。大量殺傷兵器である。30発を連射で一挙に発射できるので、30人を殺すこともできる。だからこそ、軍用になるわけだが、その筒先を自国民に向ければ、テロリストにもなりうるわけだ。
そんな超強力兵器を、18歳のガキに与える。それも、任官前の訓練生で、入所して1カ月の段階で、あっさり与える。その大甘の制度には、呆れるしかない。警察官ならば、はるかに殺傷力の弱い拳銃でさえ、非常に厳密に扱っている。なのに、自衛隊では、空気銃や拳銃の段階をあっさり飛ばして、いきなり自動小銃を与えるのだ。簡易マシンガンとも言える強力兵器なのだが。
やはり、自動小銃を与えるのは、3カ月の訓練期間を終えたあとの、正規の自衛官になってからにするべきだろう。3カ月の訓練期間の間は、自動小銃でなく、空気銃と拳銃に留めておくべきだろう。……それが私の提案だ。
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さらにもう一つ。別の提案がある。
「自衛官になるのにふさわしくない不適格者は、訓練の途中で選別して、退校させるべきだ」
これはつまり、「腐ったミカンは出荷しない」という方針だ。
実を言うと、警察学校では、そういう方針が取られている。そのことはテレビでもドラマ化された。ドラマの「教場」では、キムタク演じる教官が、警察学校で厳しく指導していた。特に、不適格の生徒を次々とふるい落として、退校させた。
→ 不適格者をふるい落とす警察学校の内部とは? - エキサイトニュース
→ 警察学校って、警察官の不適格者を徹底的にふるい落とす(自主退職...
ドラマだけではない。現実でも、警察学校の退職率は、20〜25%にも上る。
→ 【脱落率20%】退学、脱走、鬼教官…元警察官が語る警察学校の裏側| 講談社
→ ドラマ「教場」の警察学校はリアルに怖い?実際の退職率との違い
特に、今回の犯人は、訓練の途中でも素行不良であることが目立っており、「腐ったミカン」であることが判明していたようだ。
→ 〈自衛官候補生が銃乱射3人死傷〉逮捕された男(18)は“素行不良”との風評か | 集英社
今回も、不適切な形で銃に弾を装填しているところが目撃されている。(この時点ですぐに制止していれば、事件は予防できたかもしれない。)
→ 陸上自衛隊 射撃場発砲事件 射撃の順番待ちの際に銃撃か | NHK
ともあれ、こういうふうに不適格な要素をもつ訓練生は、最後まで育て上げようなどとは思わないで、さっさと退校させるべきだろう。一人だけでなく、10%ぐらいを退校させるべきだろう。銃器を持たせるからには、そのくらいの選抜はした方がいい。銃器を持つのにふさわしくない不適格者というものは、10%ぐらいはいるものだ。そういう人を、無理に自衛官に育て上げようとするよりは、早めの段階であっさり退校させる方が、好ましいと言えるのだ。
( ※ ドラマの「教場」のように。)
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なお、「落伍者が増えると、恨む人が増えて、銃撃事件が増えるのでは?」と思う人もいそうだが、そんなことはない。落伍者が増えれば、もはや落伍は普通の出来事になる。ならば、そんな普通のことでいちいち激しく恨む人はいなくなる。駐車違反の切符をもらって、激しく怒り狂って殺人をする人がいないのと同様だ。よくある普通の出来事に対しては、せいぜい、ちょっと腹を立てるぐらいで済むものだ。
※ 警察学校の退校の理由は「成績不良」ではない。たとえば、射撃の命中率が低い、というようなことではない。人間的・性格的に問題があることだ。「ひどく怒りやすい」とか、「嘘をつく」とか。……簡単に言えば、「犯罪者のような素養がある」ということだ。

> 男は射撃場のレーンに入る前の待機場所で、自動小銃に弾を装填。完了後に「動くな」と叫んだという。 このため、周囲の隊員らが男に近づいて制止しようとしたところ、いきなり銃を発砲。八代3曹に1発、さらに菊松1曹に2発、原3曹に1発を撃った。その後、身柄を取り押さえられた。
→ https://digital.asahi.com/articles/ASR6H6SWBR6HOIPE00G.html
> 男が「止めようとした人は殺すつもりはなかった」と供述していることも判明。県警は、亡くなった25歳の隊員が発砲前の男の不審な挙動に気づき、制止しようとして巻き込まれた可能性もあるとみている。
事件は14日午前9時10分ごろに発生。捜査関係者によると、男は同射撃場のレーンに入る前の待機場所で、持っていた銃に勝手に弾の装填を開始。上官らに注意されたが無視をして装填を続けたという。
https://digital.asahi.com/articles/ASR6H3G03R6GOIPE01D.html
> 男は、他の候補生の射撃が終わるのを後方で待機していた際、実弾の入った弾倉を小銃に装填し始めた。
これを見た八代3曹から「動くな」と指示されると、男は突然、八代3曹に向けて発砲。その後、菊松1曹を銃撃し、原3曹にも発砲したという。菊松1曹は2発、八代3曹と原3曹はそれぞれ1発被弾した。
男は岐阜県警の聴取に「菊松1曹を狙った」という趣旨の説明をしている。だが菊松1曹らは男と日常的に接する立場にはなく、県警と自衛隊の警務隊は当時の状況を詳しく調べている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230616-OYT1T50064/
三人はいずれも教官であり、訓練生ではない。「曹」という肩書きのある、正規の自衛官。
「(候補生には)支給しない・貸与しない」、すなわち、身近に置かせないという意味でしたら、(今の)自衛隊は旧日本陸軍の頃と違って、ベッド(寝台)の横に銃架があって、そこにひとり一丁ずつの小銃がずらっと並んでいる、ということはないですよ。つまり、(自由時間など)好きな時に小銃を手に取って、手入れをしたり扱い方を復習したりなどのことはできません。提案するまでもなく、最初からそうなっています。銃器(火器)にさわれるのは、射撃訓練や演習のとき、あるいは警備の任務に就くときだけです。これは、候補生だけではなく、正式に任官した隊員でも同じです(よっぽどの上級幹部になったらわかりません)。
なお、旧日本陸軍でも、射撃訓練、演習、実戦の時でなければ、それぞれに実包は渡しません。ですから、個人の気まぐれで発砲はできないようになっています。もちろん自衛隊でもそうしているので、普段の生活で衝動的に発砲してしまうということは、まずあり得ません。
「(候補生には)実弾での射撃を含む、小銃を用いた各種の訓練をさせない」という意味でしたら、かわりに「ライフル型の空気銃を渡す」ということの狙いがわかりません。そのライフル型の空気銃で射撃訓練などをさせる、ということでしょうか? そんなことをしても、訓練の成果が上がる気はしませんし、その後に正式任官をして本物の小銃で訓練や演習をするときの役に立つとも思えません。今回の89式小銃の形状や重さを再現した(実包は撃てない)モデルガンみたいなものを用意して、最初の訓練期間中はそれで訓練させる、ということなら意味があるかもしれませんが。
それと、(かわりに)22口径の拳銃を与える、というところもわかりません。自衛隊員は、特殊な警備などの任務についている時以外は、ふだんは拳銃を携帯していないはずです(陸上自衛隊でも)。もちろん、正式に採用された軍用拳銃はありますが、それは、例えば普通科(昔の歩兵科のこと)の一般隊員だったら、小銃よりも縁遠い(訓練や演習の時にも身に着けない)装備だと思いますよ。警察官とは仕事の中身が違うので、装備の中身も違います。つまり、最初から、拳銃を渡す必要性はまったくありません(とくに訓練期間中の候補生には)。
総じていうと、筆者は、肝心の自衛隊員の実態(隊内での日常生活から、訓練・演習の内容まで)を全く把握しないで、または具体的な推測もしないで、記事を書いている(今回の事件についての提案をされている)というように感じます。
そんなわけがないでしょ。身近に置かせるなんて、ありえない。もともと問題外。
> そのライフル型の空気銃で射撃訓練などをさせる、ということでしょうか? そんなことをしても、訓練の成果が上がる気はしませんし、その後に正式任官をして本物の小銃で訓練や演習をするときの役に立つとも思えません。
そんなことはわかっています。そもそも今回の射撃訓練は、5回だけ。たったの5回を増やそうが減らそうが、たいして差はない。100回もやるならともかく、5回ぐらいではほとんど差はない。空気銃というのは、あくまで初心者が銃に触れる初歩という意味です。
自動車で言うなら、実車で運転する前に、ゴーカートで軽く訓練する、というようなもの。これまでいっぺんも運転をしたことのない人なら、実車の前にゴーカートを使うことには、それなりの学習効果があります。
「ゴーカートなんかやったって、実車を運転する訓練になる効果は皆無だ」
といきり立つ人もいるだろうが、私はそうは思いません。たとえば、事故の可能性を考えても、時速 60km の実車で事故を起こすより、時速 15km のゴーカートで事故を起こす方が、初心者にとっては安全だ。
> ふだんは拳銃を携帯していないはずです。
別に、普段の行動とは関係ありません。拳銃には反動があるので、反動に慣れる効果はある。「ゴーカートで訓練しても、実際にゴーカートを運転する機会などはない」というのは、ナンセンス。あくまで訓練の初歩における話です。
あなたはどうも、「初歩の初歩としての、短時間の訓練」と、「熟練者が熟度向上のために行う、長期間の訓練」とを、混同しているようですね。
自動車もそうですが、人は最初から運転能力があるわけではない。初心者がいきなり自動車を運転すると、暴走したり、道を外したり、衝突したり……というエラーは起こりがちです。
「だから最初から正式の自動車を使えばいいのだ」
とあなたは思うのだろうが、それだと、初心者の訓練中の事故が続発するんですよ。(教習所内ならば、事故が起こっても大丈夫だが。)
初心者というのは、すごく下手っぴいなんです。それなりに、ゴーカートや運転シミュレーター(運転ゲーム)などで慣れておくことは、とても大切です。「いきなり実車で運転させる」ということは、あまり賢明ではありません。
──
なお、今回の例で言えば、今は訓練過程ではなく、自衛官になる前の選抜過程です。警察官で言えば、警察学校の段階です。ただの選抜過程なんだから、高度に訓練する必要など、最初からない。ちょっと慣れてもらうだけでいい。……なのに、そのために危険な武器を渡すのは、リスク管理の点からして、ベネフィット(訓練効果)に比べてリスクが大きすぎる。
もうちょっとわかりやすい比喩で言うと、こうなる。
「大型ダンプの免許を取るときに、普通自動車の免許を取っても、意味がない。普通自動車の免許を経由しないで、いきなり大型ダンプの免許を取らせるべきだ。訓練するときも、普通自動車の運転経験を積ませずに、いきなり大型トラックで訓練するべきだ。その方が、訓練に無駄がなくて、効率的だ」
こんな発想を取ったら、訓練中に事故が続発するだろう。死者が出るかも。
そして、実際に訓練中に死者が出たのが、今回の事例だ。
ともあれ、最初の5回ぐらいは「技量の向上」なんかを狙う必要はないんです。むしろ「リスクを減らすこと」が最優先となります。
「技量の向上」を狙うのは、もっと技量が向上した後の話になります。
自動車の運転だってそうだ。最初から「技量の向上」なんかを狙って、高度なドリフトやバック駐車などを教えていれば、事故続発となります。初心者に教えるレベルを間違えてはならない。
自衛隊では、軍用拳銃の 9mm拳銃というものがあり、一般に携行されます。
→ https://w.wiki/6qyU
もちろん小銃も携行されますが、小銃に比べて拳銃は携行しやすいし、コストもずっと安いので、かなり広範に携行されます。
たとえば、対戦車誘導弾を操作するとき、小銃は携行しませんが、拳銃は携行します。上記ページに写真あり。
小銃を使わない兵はかなりたくさんいるようですが、拳銃を携行しない兵はほとんどいないでしょう。
@ 3佐以上の幹部自衛官、戦車の車長、無反動砲の砲手、ひとりで肩に担ぐタイプの誘導弾の弾手、担がず複数人で操作する誘導弾の操作手たる陸曹(指揮官)、および警務官などが装備する。
A 市街地戦闘訓練や海外派遣時には一般の隊員も装備する。
B 中央即応連隊(海外派遣や国内有事用の緊急展開部隊)では大半の隊員が装備する。
となっていますので、幹部、小銃を持っていると邪魔になる役割の隊員、特殊な訓練や任務を遂行中の隊員、および、その特殊な任務に特化した部隊の隊員などが装備する、すなわち、一般の隊員に誰でも与えられる装備ではない、としか読めません。
どこをどう読んだら、筆者のコメントにある、「一般に携行されます、かなり広範囲に携行されます、拳銃を携行しない兵(原文ママ)はほとんどいないでしょう」のような理解になるのですか?
ほら。自分で書いているでしょ。
> どこをどう読んだら、筆者のコメントにある、「一般に携行されます、かなり広範囲に携行されます、拳銃を携行しない兵(原文ママ)はほとんどいないでしょう」のような理解になるのですか?
これは戦時の話です。普段の日常生活や訓練生活の場で拳銃が与えられる、という意味ではありません。敵兵と1対1になる可能性があり、その場で拳銃がなければ射殺される、という可能性のある場合の話をしているんです。
また、戦闘訓練中の場合も同様。
> (訓練や演習の時にも身に着けない)
とあるので、それを否定しています。戦闘の訓練や演習の時には身に着ける、と。その根拠が A です。
> ほら。自分で書いてるでしょ。
⇒ どういう意味ですか? 「市街地戦闘訓練や海外派遣時には〜装備する」と書いてあるのですから、「一般に携行されます、かなり広範囲に携行されます、拳銃を携行しない兵はほとんどいないでしょう」という筆者の主張とは違ったことが、筆者の提示された Wikipedia には書いてあるとしか、私には理解できません、かつ言えません。
> これは戦時の話です。(中略)その場で拳銃がなければ射殺される、という可能性のある話をしているんです。
⇒ 話が途中ですり替わる(話の前提などが急に変わる)のはいつものことで、もう慣れっこなんですが、私のほうは、「自衛隊にとっては、戦時や海外派遣や市街地戦闘訓練はいずれも特殊なことで、そのような特殊な場合以外は、一般の隊員が拳銃を持ちませんよ」ということを、終始一貫して言っているだけです。
>> (訓練や演習の時にも身につけない)
> とあるので、それを否定しています。(中略)その根拠がAです。
⇒ 私の上の主張と同じです。「特殊な場合を除いて、一般隊員だったら小銃よりも縁遠い(訓練や演習の時にも身に着けない)装備だと思いますよ」という当初からの主張内容ですので、これまで出ている事実からは、否定されるいわれは全くありません。その否定される根拠がAだという筆者の返しも、まるでわかりません。私が書いたAの記載には、一般の訓練で装備します、演習の時にも装備します、と解釈できるような内容はどこにもありません。
私が言っているのは「一般の状況で」ではなくて、「ほとんどすべての隊員が拳銃を持つ機会があるので、ほとんどすべての隊員が拳銃を撃つ訓練をする必要がある」ということです。
「一部の特殊な人だけでなく、ほぼ全員が訓練する必要がある」
という趣旨。
警察官で言えば、「警察官が常に拳銃を携行している」という意味ではなく、「ほとんどすべての警察官が拳銃を撃つ訓練をする必要がある」という意味。
元の話は、訓練の必要性です。お間違えなく。
⇒ また話が変わりましたか! 私のほうも、筆者(管理人さん)が、最初のコメントでは訓練の話をしていたのに、途中から、「これは戦時の話です。(中略)敵兵と1対1になる可能性があり、その場で拳銃がなければ射殺される、という可能性のある場合の話をしているんです。」と、いきなり方向転換されたので、面食らったのですがね。
まあ、話を変えるのはそちらのご自由で、こちらでは何ともしようがないですが、私のほうは、筆者が過去に書かれたこと(目に見えること)にしか受け答えはできません。筆者が今の今、リアルタイムに何を考えつつあるのか、はたまた、その流れでの結論は何になるのか、こういった目に見えないことまで予測または類推してコメントを書くことは、そもそも不可能です。
ところで、筆者は私に対して、
> あなたはどうも、〇〇と△△とを混同しているようですね。
> お間違えなく。
などと言われることがありますが(というか、よく言いますが)、私がコメントを書いた後で筆者があらたに追記された内容と、それ以前に書かれていた内容とを、その私のコメントの中で混同することは、そもそも物理的にできません。また、前者の内容について後者の内容だと誤認する(間違える)ことも、同じくできません。それは、私だけでなく、全ての読者がそうだと思います。この「常識」をお忘れなく。そうであるのに、最初から誰にも不可能なことを、誰もが当たり前にやるべきことだ、(その当たり前のことができていない)として話を進めるような、「印象操作」はお控えください。
それで、今回の筆者の「あらたな」本論についてですが、
> 「一部の特殊な人だけでなく、ほぼ全員が訓練する必要がある」
> という趣旨。
というご主張(趣旨)については、私は何ら否定していませんし、異議を申し立てたりもしていません。繰り返しになりますが、そもそも、筆者が後付けで書かれたことを私が過去の時点で否定することは、物理的に不可能ですので。
そして、これは当然の話だと思いますが、警察だけではなく自衛隊においても、ほぼ全ての隊員に、小銃を使った訓練の頻度・時間には及ばないとしても、拳銃の取り扱い方を教えたり、拳銃での射撃訓練をさせていると思います。私が当初から言っているのは、隊員の訓練カリキュラムに拳銃射撃が入っている・いないの話ではなく、それには関わりなく、「特殊な場合や一部の隊員を除いて、広く一般には、拳銃を装備させていないと(筆者の提示された資料からは)解釈できる。装備に入っていないのだから、ほとんどの隊員は、演習でも拳銃を携行していないと思われる」ということです。お間違えなく。
> 状況別か、人別か、という解釈の違いかな?
> 私が言っているのは「一般の状況で」ではなくて、(後略)
ここもよくわかりません。私は最初から、状況と人とを分けていません。私が一貫して言っているのは、「特殊な状況(海外派遣など)はあり、特殊な任務に就く人や特殊な役割を持たされた人はいる。その人たちには拳銃を持たせるが、それ以外の一般の人には持たせていない(と思われる)」ということです。その人が置かれた状況、付与された任務・役割によって、特殊な人なのか一般の人なのかの位置づけが違ってくるだけの話です。つまり、特殊な状況に置かれたり、特殊な任務・役割を付与されれば特殊な人であるし、そうでない状況または任務・役割であれば一般の人でしょう。ただし、その状況・任務・役割は時によって変わることがあるので、理想的には全ての人が即応できるようになるのがよろしい、少なくとも、小銃射撃や拳銃射撃のような基本的な技能は、全ての隊員がマスターしておくべきというだけの、当たり前のことです。そして、その当たり前のことは、私の当初主張とは何らバッティングしません。
それで、これを裏付けるあらたな資料が見つかりました。以下のサイトの中ほどに、2011年度の陸上自衛隊における、新規の調達数についての記述があります。そこには、その前年度(2010年度)の9mm拳銃の調達数は1,004丁で、これに対して89式小銃は、2010年度が10,012丁、2011年度が10,033丁とあります。
https://blog.goo.ne.jp/harunakurama/e/ff9c541cae045fdcb9a7eb4cdac82736
単年度の数字だけで見るのは不確かかもしれませんが(他にデータが見つからないので仕方ありませんが)、これらのデータからは、陸上自衛隊が保有している拳銃の数は、小銃の数の10分の1くらいだと大まかに推定できると思います。ところで、下のサイト(Wikipediaの89式小銃の項目)の配備状況のところには、陸上自衛隊の定員15万人(実員約14万人)に対して、平成元年度から30年度までに、144,723丁が調達(かつ配備)されていると記されています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/89%E5%BC%8F5.56mm%E5%B0%8F%E9%8A%83
また、次のモデルの20式小銃というのもあり、こちらは2020年度から2023年度までに18,130丁が調達(かつ配備)されたか、その予定のようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/20%E5%BC%8F5.56mm%E5%B0%8F%E9%8A%83
つまり、小銃は隊員1人につき1丁以上はありそうで、これは、陸上自衛隊(一般には陸軍)なら常識的なレベルだと思いますが、そこから割り出すと、拳銃は隊員10人につき1丁というところではないでしょうか。
それで、隊員10人につき約1丁という保有数なのに、どうやったら、筆者が言われるような、「一般に携行されます、かなり広範囲に携行されます、拳銃を携行しない兵はほとんどいないでしょう」という部隊運営ができるのですか?
> 元の話は、訓練の必要性です。お間違えなく。
⇒ その訓練について、あたらしい情報を見つけましたので、それだけお伝えしておきます。その前に、まず、筆者は前のコメントで、
Posted by 管理人 at 2023年06月17日 11:12
> 自動車で言うなら、実車で運転する前に、ゴーカートで軽く訓練する、というようなもの。(中略)実車の前にゴーカートを使うことには、それなりの学習効果があります。
> 「ゴーカートなんかやったって、実車を運転する訓練になる効果は皆無だ」
> といきり立つ人もいるだろうが、(中略)時速 60km の実車で事故を起こすより、時速 15km のゴーカートで事故を起こす方が、初心者にとっては安全だ。
> 別に、普段の行動とは関係ありません。(中略)「ゴーカートで訓練しても、実際にゴーカートを運転する機会などはない」というのは、ナンセンス。あくまで訓練の初歩における話です。
> あなたはどうも、「初歩の初歩としての、短時間の訓練」と、「熟練者が熟度向上のために行う、長期間の訓練」とを、混同しているようですね。
> 自動車もそうですが、人は最初から運転能力があるわけではない。初心者がいきなり自動車を運転すると、暴走したり、道を外したり、衝突したり……というエラーは起こりがちです。(中略)
> (教習所内ならば、事故が起こっても大丈夫だが。)
> もうちょっとわかりやすい比喩で言うと、こうなる。
>「大型ダンプの免許を取るときに、(中略)いきなり大型トラックで訓練するべきだ。その方が、訓練に無駄がなくて、効率的だ」
> こんな発想を取ったら、訓練中に事故が続発するだろう。死者が出るかも。
> ともあれ、最初の5回ぐらいは「技量の向上」なんかを狙う必要はないんです。むしろ「リスクを減らすこと」が最優先となります。(中略)
> 自動車の運転だってそうだ。最初から「技量の向上」なんかを狙って、高度なドリフトやバック駐車などを教えていれば、事故続発となります。初心者に教えるレベルを間違えてはならない。
と書かれています。確かに、訓練中のリスクを減らすことはや重要かつ必須ですが、今回の事故(事件)を自動車運転の教習に例えるのは、はなはだピントがずれていると思います。自衛隊で起こった同種の事故の性質を鑑みるに、とくに今回のことは、訓練を受ける者の過失・失敗によって、あるいは、その過失・失敗を周囲がカバーできなかったことによって起こったのではありません。(その者に)無理なことを押し付けたから起こったのでもありません。
また、「初心者に教えるレベルを間違えた」、「初歩の初歩(の過程)でやらせることを誤った」、「普通車を運転したことのない人にいきなり大型車を運転させた」、「最初から技量の向上を狙って、難しい運転操作を教えようとした」、これらはいずれも本件事故の要因ではないし、本件事故において、それが比喩としてあてはまるような事実もありません。
今回の事故の要因は、訓練を受ける側に「悪意のある者」がいたからでしょう。その者が「故意によって」小銃を乱射したから死傷者が出たという経緯・理由は明らかです。「悪意・故意」が原因なのです。筆者の言わんとする「過失・失敗」は要因ではありません。そこを混同されているようですね。
筆者の自動車教習での例えでいうと、運転シミュレーター(運転ゲーム)で教習させている段階では何も起こらないかもしれませんが、悪意のある者を、例え時速15kmのゴーカート(実際の教習所では使われませんが)であっても、それに乗せて運転させたら、暴走して人にぶつかるなどして、死者は出ないまでもケガ人は出るかもしれません。つまり、初心者(あらたな入所者)には、まずゴーカートで軽く訓練させるような対策を取ったとしても、事故(事件)は起こりえます。つまり、本当の対策にはなっていません。(教習所内ならば、事故が起こっても大丈夫だが。)ということはありません。
射撃訓練のほうに話を戻すと、筆者が本項の本文で提示されたような、ライフル型の空気銃で訓練をさせるとか、22口径の拳銃をまず撃たせるという対策も、同様に意味(効果)が希薄です。空気銃なら撃たれてもケガで済むかもしれませんが、22口径拳銃なら当たり所が悪ければ死にます。筆者はそれでも、「ほら。自分で書いているでしょ。リスクを下げる効果(意味)はあるんでしょ。」と言われるかもしれませんが、そのリスクをゼロにはできません。
そこで、私が当初のコメントの後半で書いた、
Posted by かわっこだっこ at 2023年06月17日 09:38
> 今回の89式小銃の形状や重さを再現した(実包は撃てない)モデルガンみたいなものを用意して、最初の訓練期間中はそれで訓練させる、ということなら意味があるかもしれませんが。
という内容が意味を持ってくるのです。話が長くなりましたが、あらためてネットを検索すると、自衛隊でも私と同じ考え方で訓練を行っていたことを示唆するような記事が見つかりました。下の読売新聞の記事には、終わりのほうに、「陸自第10師団のベテラン隊員によると、新入隊員は弾が入っていない銃で扱いを学び、空包での訓練を経て実弾で射撃訓練をする手順を踏む」との記述があります。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230614-OYT1T50095/
なお、下の自衛隊マニア向け?の記事では、89式小銃を模したエアソフトガンを用いて訓練をしているという記述があります。ただし、これは、市街地戦闘訓練(いわゆるサバイバルゲームみたいなもの)において、お互いにBB弾をバンバン打ち合うときにも、実銃に似た形状・重さのエアガンを用いたほうが訓練効果が上がる(各国の軍でもエアガンを用いたサバイバルゲーム的な戦闘訓練は取り入れているので、それを自衛隊でもやる時は89式のモデルガンを作ったほうがいい)、という狙いですから、候補生の初期の射撃訓練ではエアガンを撃たせるという筆者の提案とは話が違います。
https://jieitaisaiyou.com/%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E3%81%AE%E5%B0%84%E6%92%83%E8%A8%93%E7%B7%B4/
つまり、本当に意味のある対策は、「候補生には、絶対に弾が出ないやり方で初期の訓練をさせる」、すなわち、
@ まず、「89式小銃の形状や重さを再現した(実包は撃てない)モデルガン」、または「弾が撃てないように加工した(一時的に撃針を除去するなどした)89式の実銃」で小銃の取り扱い方を学ばせる。
A 次の過程で小銃の射撃訓練をさせるときは、弾の出ない空砲だけを撃たせて、筆者の言う反動や音などに慣れさせる。
B 本項の本文の2つ目の提案とかぶりますが、上の@、Aを含めた訓練において、総合的に「自衛官として採用するのにふさわしい」と判断された者にだけ、さらに次の過程に進ませて、実弾での小銃の射撃訓練を許可する。
C 当然に、上の@、Aで適正の見極めが十分にされるまでは、拳銃の射撃訓練もさせない。拳銃は秘匿性が高いので、それで実弾射撃訓練をさせたり、正式採用後に、演習や任務で実弾といっしょに拳銃を装備させる場合は、小銃以上の厳格な取り扱いが必要である。
ということなります。これらの対策であれば、リスクゼロに近づいたといえるでしょう。念を押しておきますが、これに対して、「その(3か月の?)訓練期間でも、ライフル型の空気銃や22口径の拳銃なら(候補生に)与えてもいい、撃たせてもいい」というのが、本項本文での筆者の提案です。
> 「3カ月間の訓練生の期間には、小銃を渡さない」ということにするといいだろう。小銃はあまりにも殺傷力が強すぎるからだ。
です。それ以外のことは、二の次なので、細かく論じる必要はありません。
> かわりに、ライフル型の空気銃(エアライフル)と、拳銃(22口径)を渡すことにすればいいだろう。
は、一案なので、特にこれにこだわる必要はありません。
模擬銃という提案も、それはそれで十分に考えられます。主旨には矛盾していないし、主旨を補強する話だとも言えます。
> 総じていうと、筆者は、肝心の自衛隊員の実態(隊内での日常生活から、訓練・演習の内容まで)を全く把握しないで、または具体的な推測もしないで、記事を書いている
と最初に批判されたので、それに釈明しているだけです。お間違えなく。