2023年06月14日

◆ 産卵用の鶏の不健康

 産卵用の鶏が不健康な状況にあるので、その状況を改善しよう、という活動がある。これは動物愛護的な活動に見える。だが、人間の健康にも影響する。

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 この話は朝日新聞の週末版 be に掲載された記事が元になる。
 産卵のために飼育されている鶏が、密集している環境にいる。そのせいで苛酷な状況にあり、苦しんでいるそうだ。その状況を何とかしたい、という動物愛護の運動をしている人がいる。
NPO法人「アニマルライツセンター」代表理事・岡田千尋さん

 「バタリーケージ」に詰め込まれ、卵を産ませ続けられていた鶏たち。
 例えば最初に保護した雌の「リリ」。全身の毛が抜け、尻尾は骨がむき出し。ケージで体がこすれ、あちこちすり切れていた。
 NPO法人「アニマルライツセンター(ARC)」の代表になって20年。「畜産動物はペットなどと比べても飼育数が最も多く、動物のなかで最もひどい扱いを受けている」と話す。そんな畜産動物たちのアニマルウェルフェア(動物福祉)を向上させようと、この分野の活動をリードしてきた。
 海外の法制度を調べあげ、日本の飼育実態を追及し、インターネット上などで公開する。消費者を啓発し、署名を集め、その数を背景に、卵や食肉を扱う食品メーカーや小売りチェーン、ホテル、飲食店などと交渉する。
 めざしてきたのは主に二つ。一つは、採卵鶏のケージ飼育からの解放。もう一つは、母豚を種付け前後から出産まで114日程度、自分の体と同じくらいのスペースで飼育する施設「妊娠ストール」の廃止。

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 米国では、ケージで飼育される鶏の割合が2016年には90%でしたが、現在は65%まで減っています。今後5年間で、さらに30%程度まで減少すると予測されています。欧州ではより大きな変化が起きていて、EUは特に残酷なバタリーケージを12年に禁止し、ほかのすべてのケージ飼育も27年までに廃止する規制の導入を約束しています。
 ところが日本では、採卵養鶏農家の9割以上がバタリーケージ飼育。大きく後れを取っています。G7サミットの日本開催を機に、政府に考えを改めてほしいと考え、声明を出しました。

 ――バタリーケージにはどのような問題があるのでしょう。

 ほとんど身動きができない状態で飼育されるので、健康にも影響が出ます。翼や脚の骨は、平飼いに比べて確実に細くなります。また、ほかの飼育方法に比べて鶏の死亡率が高くなったり、内臓や糞(ふん)からサルモネラ菌が検出される頻度が高くなったりするという研究報告もなされています。継続的にかかる強いストレスが原因と考えられています。
( → 「最もひどい扱い受けている畜産動物」 苦しみを減らすための20年:朝日新聞
  → 岡田千尋さん 「たくさんの母豚が、鳴き声をあげていた」:朝日新聞

 日本の養鶏がケージ飼育をするのは、その方がコストダウンになるからだ。何でもかんでもコストダウンを重視する、という方針の下で、鶏の健康などを考えずに、すし詰めにする。
 よく考えてみれば、コストダウンのために労働環境をひどい状況にする、というのは、人間の労働者に対してもなされることだ。人間でさえ、こうなのだから、まして鶏については、飼育環境をひどくするのは、ごく自然な発想なのだろう。
 また、消費者の方も、「鶏の健康なんかより、1円でも値段が安い方がいい」と思いがちだ。かくて、生産者も消費者も、「コストダウン」「価格低下」を最優先にする。そのあげく、鶏の健康は犠牲にされる。
 そこで、人道性(?)を動物にも適用しようとする動物愛護論者が、声を上げるわけだ。「動物にも人権(?)を」というふうに。……ほとんど言語矛盾みたいなものだが。

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 さて。以上は現状の紹介だ。
 一方で、私としてはどう考えるか? 賢明な読者ならば推察が付くだろうが、私は別に、どちらかの立場に味方して、「こちらが正しい」などと支持するようなことはしない。むしろ、
 「あちらが立てば、こちらが立たず。困った。どうする? そこで……」
 というふうに語りたがるものだ。どちらか一方ではなく、まったく別の立場から語りたがるものだ。
 では、今回は? 

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 今回は別に、誰も困っているわけではないので、「困ったときの Openブログ」とは言わない。かわりに、賛否両論とは別の視点から語ろう。

 実は、鳥の健康なんかはどうでもいい。私は動物愛護論者ではないし、犬や猫を飼っているわけでもないので、動物への愛情なんかはない。大事なのは、動物でなく、人間だ。
 人間は動物の肉を食べる。その動物の健康状態が、肉の状態を通じて、人間に影響するのだ。次のように。
 (1) 鳥や豚をケージで育てると、ストレスが溜まるが、ストレスの溜まった動物は、免疫力が低下する。(毛が抜けたりするが、それだけではなく、病気への免疫力が低下する。)
 (2) 免疫力が低下すると、病気に感染しやすくなる。鳥や豚が病気になりがちだ。たとえば、鳥インフルエンザに感染した鶏が大量廃棄されたり、豚インフルエンザに感染した豚が大量廃棄されたりする。他の病気に感染することもある。
 (3) 感染しやすいことに対抗して、抗生物質を投与することも多い。そのせいで、鳥や豚が抗生物質づけになる。その肉を食べる人間もまた、その残留した抗生物質の影響を帯びる。

 要するに、鳥や豚が不健康に育てられると、その悪影響は、肉を通じて、人間に及ぶのだ。だから、鳥や豚の健康状態は、人間にとって決して無関係ではありえないのだ。(その肉を食べる以上は。)

 ならば、鳥や豚の健康を改善することは、回り回って、人間の健康を改善することになる。「情けは人のためならず」の拡張版だ。「情けは畜生のためならず」というところか。

 そして、そうである以上は、鳥や豚のストレスをなくすためのコストを負担することは、人間にとって金銭的に損することにはならない。むしろ、自分の健康を改善するための必要コストと見なすことができるので、かえって得するとも言える。(払った金以上の利益を得ることができる。)……そう結論できる。

 ※ そもそも、われわれが食事を取るのは、生きるためであり、健康のためだ。なのに、食事を取ったことで、かえって健康を悪化させるのでは、元も子もない。だから、抗生物質だらけの病気の鳥や豚なんかを、食べるべきではないのだ。



 [ 付記1 ]
 家禽や家畜からの感染症は、かなり多い。人類の歴史上でも、何度もあった。インフルエンザでも、豚インフルエンザや、鳥インフルエンザなど、さまざまなインフルエンザが家禽や家畜を経由して、人間に伝わった。
 鳥や豚の健康を悪化させていると、将来的にも、さまざまな感染症が新たに発生して、人間に感染することになりかねない。

[ 付記2 ]
 コロナについては、コウモリなどの動物を経由して感染した、という説が流れたこともあった。だが、最近の情報だと、中国の研究者が人為的にウイルスを変異させたことで、強力な感染力を持つようになり、人類に蔓延することになったようだ。
 そんなことをした研究者をとっちめろ、と思う人もいそうだが、その研究者は、真っ先に感染死した。
 大元の責任者は誰かというと、中国軍だが、そのまた責任者は、習近平だ。コロナの死者は全世界で 700万人に及ぶので、一人で 700万人を殺したのが習近平だ、と言えそうだ。

 ※ ただし、もっと上にいるのが、ヒトラーだ。第二次大戦の死者数は 6000〜8000万人。コロナの 10倍になる。



 【 関連動画 】







 
posted by 管理人 at 22:24 | Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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