2023年06月08日

◆ 中古バッテリーによる蓄電

 余った電力は、水素に貯蔵するよりも、バッテリーに蓄電するといい。特に、廃車になった EV の中古バッテリーを使うと、格安だ。

 ──

 「余った電力は、水素に貯蔵する」という案があるが、水素に変換してから電力に戻すと、多大なロスが生じるので、エレルギーが無駄になる。むしろ、蓄電する方がいい。しかし、蓄電には「コストがかかる」という難点がある。
 そこで、「新技術で安価な蓄電池を開発しよう」という方針が立ったが、そんなに急激に低コスト化は無理だ。
 しかし、ここでうまい案がある。「廃車になった EV の中古バッテリーを使う」という案だ。これならば、格安でできる。

 実は、この案については、十年近く前から何度も紹介したことがある。ただし、その時点では否定的だった。なぜなら、その時点のバッテリーはあまりにも高額だったからだ。こんなに高額のバッテリーでは、たとえ中古でも、蓄電に使うにはペイしない。そこで「政府に補助金を出してもらう」という案が出たが、それでは税金の無駄遣いだ。かわりに、私としては「中古車のまま使いつぶす」という案を出した。この方がまだましだ、というわけだ。

 さて。それとは別に、将来の話をしよう。2030年ごろになれば、バッテリーの価格は大幅に安くなる。また、EV が大量に普及する。そして、2035年ごろには、( 10年間の使用後に)寿命が来た EV も大量に出るだろう。そのときに廃車になった EV の中古バッテリーも大量に出るだろう。その中古バッテリーを転用すればいいのだ。これで、安価に大量の蓄電池を入手できる。
  ※ あくまで 2035年ごろの話だ。今現在の話ではない。

 結論。

 廃車になった EV の中古バッテリーを使って、余った電力を蓄電すればいい。実は、そのアイデアはずっと前からあったが、コスト的に実用化は困難だった。しかし 2035年ごろには、コスト面でも数量面でも、中古バッテリーがふんだんに余るので、それを使って、余った電力を蓄電できる。
 したがって、水素に貯蔵するという方策は不要だ。



 [ 付記 ]
 2035年はそれでいいが、2030年ごろはどうか? このころにも、余ったバッテリーはかなり提供されるだろう。ただし、温度管理をしていないバッテリーは長持ちしないので、中古で使えるとは限らない。性能の劣化がひどいものは、廃棄してリサイクルするしかない。
 一方、劣化が少なくて、廃棄しなくて使える分もあるだろうが、それはそのまま EV に使えばいいだろう。EV の車体がガタついたなら、電池だけ取り外して、別の車体に載せ替えればいいのだ。この方法が最も無駄が少ないだろう。つまり、修理しながら使うわけだ。これで 15年ぐらいはもつだろう。2015年ごろの分は、2030年まで使えるだろう。
 なお、2022年ごろのアリア以降は、温度管理をしているバッテリーだ。これは、長寿命が見込まれる。そこで、2035年ぐらいまでは中古車として使えばいい。そして、それ以後は、バッテリーをはずして、中古バッテリーとして蓄電に使えばいいだろう。
posted by 管理人 at 22:59 | Comment(1) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
https://www.sej.co.jp/var/rev0/0007/1886/1236813477.pdf

日立とセブンイレブンが実証実験を行っているとのことです。
Posted by サク at 2023年06月16日 08:49
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