2023年06月08日

◆ トラック運搬は予約を取れ

 トラック労働の長時間労働に規制がかかることで、物流が崩壊する、と言われている。その対策として、事前に予約を受け付けるといい。

 ──

 トラック労働の長時間労働に規制がかかることで、物流が崩壊する、と言われている。前に論じたとおり。
  → トラック労働の規制: Open ブログ

 先日も、関連する話題(トラック労働の残業手当)について言及したばかりだ。
  → 運送業界の無賃労働: Open ブログ

 さて。こういう問題があると困る。そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 「時間外勤務労働に 960時間の規制がかかることで、トラック運搬の供給量が減る。そこで、供給力の枠内で、事前に予約を受け付ける。予約を取った客の分だけを運搬して、予約を取らなかった客の運搬は断る」
 これを事前に明示しておけばいい。そうすれば、まともな客の分だけを受け入れて、わがままな客の分を断ることになる。(殿様商売ふうだ。)

 ここで、コツがある。こうだ。
 「予約を取るときの料金は、現状の2割高の料金とする。それを受け入れた客だけ、予約を受け付ける」 
 これなら、料金がアップするので、労働条件は向上する。かくて、トラック労働者の待遇の問題は解決する。めでたし、めでたし。 

 ──

 すると、疑問が出るだろう。
 「すべての客が、2割高の料金を受け入れたらどうするんだ? 供給が2割ぐらい絞られてしまうのに、どうやって、すべての客の注文を受け入れるんだ? 金だけじゃ解決しないぞ」

 それには、こうすればいい。
 「料金を上げた分、外部から運転者を新規募集すればいい。新規の運転手を外部から雇用することで、労働力不足の問題を解決できる」

 すると、こう疑問が出るだろう。
 「運転手を新規に導入するとしても、トラックはどうするんだ? 運転手は容易に増やせるだろうが、トラックは容易に増やせないぞ」

 それには、こうすればいい。
 「今回の規制では、労働時間が規制されるだけだ。規制された分、トラックは遊休する。その遊休した分を、新規の労働者で補えばいい。トラックが不足するのではなく、労働者が不足するだけだから、労働者を新規導入すれば、それで解決する」

 すると、さらに疑問が出るだろう。
 「それはわかったが、あまり工夫がないな。もっと、うまい手はないのか? 困ったときの Openブログなら、うまい手を出せ。うまい手を」

 それには、こう答えよう。
 「運賃を値上げするときには、基本料金を上げるかわりに、(納入時の)待ち時間を高額で有料化することにすればいい。そうすれば、待ち時間を短縮する動機が働くので、結果的に、待ち時間が減少する。このことで、効率が大幅に改善して、運搬の供給量が大幅に増大する」
 つまり、千載一遇のチャンスを利用して、「待ち時間の有料化」が実現できる。長年の課題が果たせる。かくて、物流の効率化が達成される。
 これぞ、うまい方法だ。困ったときの Openブログ。
 


 [ 補足 ]
 待ち時間については、次の報道もある。
 政府は2日の関係閣僚会議で対策をまとめた。荷主も含めた事業者に待ち時間などの削減を求め、取り組みが不十分なら法的措置をとることも検討する。
 長時間労働の要因の一つに、配送先での長い待ち時間や荷物の積み下ろし作業などがある。正当な対価が支払われていないケースも多い。
 こうした商慣行を見直すため、荷主と物流事業者に待ち時間や積み下ろしなどの作業の削減を求め、それぞれに自主行動計画をつくるよう要請する。さらに大手には改善計画の策定と報告を義務づけ、悪質な事業者には行政処分を含む法的措置をとれるようにする方針だ。
( → 再配達を半減、政府目標 物流2024年問題、ドライバー負担減へ:朝日新聞

 だが、こんなふうに政府があれこれと(手取り足取りで)具体策を指示する必要はない。単に「待ち時間の有料化」を実現するだけでいいのだ。
 しかも、そのためには、独禁法の適用(優越的地位の濫用を禁止)を適用するだけでいい。普通の既存の法律を守るだけで済むのだ。
 なのに現実には、それがなかなか進まない。そのわけは、政府自身が、独禁法の適用(優越的地位の濫用を禁止)を適用するのに抑制的だからだ。運送業界に限らず、この手のデタラメが横行している。
 そして、それを見逃すのが、自民党だ。その方が、大手企業にとって都合がいいからだ。……労働力の買いたたきをやたらと行うというのが、日本企業の常道だ。



 [ 付記 ]
 バスもまた運転手不足だそうだ。そのせいで減便が続々。
  → 「バス運転手不足」首都圏でも顕在化 小湊鉄道が路線バスを大規模減便 高速バスも







posted by 管理人 at 23:00 | Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ