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読売新聞の報道。
厚生労働省は6日午前、4月の毎月勤労統計調査(速報)を発表した。労働者1人あたりの平均賃金を示す現金給与総額(名目賃金)に物価変動を反映した実質賃金は前年同月比3.0%減となり、13か月連続で減少した。
名目賃金は28万5176円で同1.0%伸びたが、消費者物価指数が同4.1%上昇しており、物価の上昇に賃金の伸びが追いついていない状況が浮き彫りとなった。
( → 4月の実質賃金3.0%減、13か月連続で減少…物価上昇に賃金の伸びが追いつかず : 読売新聞 )
日銀は「物価上昇率 2%をめざす」と言っていたが、そのあげく、このざまだ。では、どう問題なのか?
日銀が「物価上昇率 2%をめざす」と言ったときには、賃金も同率以上で上昇することを含意していた。つまり、インフレだ。
現実には、実質賃金は大幅減だ。これは、インフレではなく、スタグフレーションと言っていいだろう。名目賃金まで低下すれば、本格的なスタグフレーションだが、ほとんどそれに近い状況だ。
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ただし、スタグフレーションというのもはばかられる。なぜなら、企業業績はきわめて好調だからだ。
→ 株価 値上がり バブル期以来約33年ぶり高値 3営業日連続で更新 | NHK
「労働者は貧困化しているが、企業はボロ儲け」という状況だ。これはつまり、「労働分配率が低下している」「貧富の格差が拡大している」ということだ。
この状況こそが、現在の経済の本質である。
なのにマスコミは、「株価が上がって嬉しい。経済は好調だ」と歓迎するような報道が多い。
「おまえの金が奪われているから、その金を奪った他人が得をしているんだよ。自分の金を奪われるのがそんなに嬉しいのか」
と言ってやればいいのだが、そう言うこともない。
金を奪われて喜ぶ人が多いのだから、日本人は貧困化するのを自ら歓迎しているというしかない。だから自民党支持率がこんなに高いんだな。
