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つまり、「異次元の少子化対策」とは、「トンチンカンな少子化対策」という意味だ。三次元の現実世界に対して、四次元目でやる、というふうな。つまりは、あさっての方向を向いているわけで、まったく無効な対策である。……こう理解するのが、言葉通りの意味だ。
そして、その言葉は、まさしくドンピシャリだ。岸田政権における「異次元の少子化対策」とは、少子化の原因と、少子化の対策が、食い違っている。あさっての方向を向いた、トンチンカンな少子化対策である。そう評価できる。
原因と対策の食い違い
次元が違っているというのは、「原因と対策とがまったく噛み合っていない」ということからわかる。具体的には、こうだ。
・ 少子化の原因は、若者の結婚率低下だ。(既婚者の出生率低下ではない。)
・ 少子化の対策は、既婚者の出生率アップだ。
このように、まったく食い違っている。
前者については、前にも説明した。
少子化の原因は何か? 「結婚してから子供を産まない」ことではなく、「結婚しない」ことだ。(子供を産むための最初の前提が満たされていないわけだ。)
( → 少子化の原因 .2: Open ブログ )
後者については、昨今の「児童手当の増額」という方針がある。その財源のために、社会保険料を上げようとしたり、高校生の扶養控除を廃止しようとしたりする。( → 前項 )
ともあれ、原因と対策とは、まったく食い違っている。従って、政府のやっている対策をいくらやっても、効果はない。
正しい対策
では、正しい対策は? 「異次元の少子化対策」ではなく、「同次元の少子化対策」だ。つまり、原因と対策とを同じ次元でやることだ。
原因は「若者の結婚率の低下」なのだから、対策は「若者の結婚率の上昇」である。そのためには、「若者の非正規労働者の待遇改善」が必要だ。この件は、前に述べたとおり。
非正規労働者やギグワーカーは、一種の奴隷のような扱いをされていて、待遇は悪い。だったら、そんなところでは働かなければよさそうなものだ。なのに現実には、あえて非正規労働者やギグワーカーとして働きたがる人が多い。まるであえて奴隷になろうとするようなものだし、あるいは、あえて自殺したがるようなものだ。どうしてこういうことが起こるのか?
それは、謎に思えるが、理由はある。次の二点だ。
( → 少子化の対策 .2(企業責任): Open ブログ )
上では「次の二点だ」と述べたが、それは、次の (1)(2) のことだ。
(1) 正規雇用の減少
(2) 非正規雇用の優遇
このうち、特に (2) については、こう述べた。
非正規雇用が増えることには、別の理由もある。非正規雇用が国の制度で優遇されているのだ。具体的には、「社会保険料の雇用者負担の免除」という形だ。
正規職員ならば、「社会保険料の雇用者負担(半額)」が義務づけられている。健康保険・失業保険・年金料金……といった社会保険の保険料は、労働者の自己負担分と同額の雇用者負担額が義務づけられている。これは「隠れた給料」とも言える。ところが、正規職員については雇用者負担(半額)が義務づけられているのに、非正規職員についてはそれが免除されていることが多い。
特に、その人が「被雇用者」でなく「個人事業主」と見なされている場合には、企業の側からの雇用者負担(半額)がない。
( → 少子化の対策 .2(企業責任): Open ブログ )
詳しい話は、上記項目にある。ともあれ、こういう対策をするべきだ。そうすれば、原因と対策とが、同じ次元になる。つまり、「異次元の少子化対策」を脱して、きちんと噛み合う少子化対策ができる。これこそが正解だと言えるだろう。
【 追記 】
少子化の対策としては、「若者の結婚率の上昇」を狙いとするべきだ。それが本道だ。(独身者向けの対策。)……これが、上に述べたことだ。
一方で、別の方針も考えられる。「既婚者の出生率上昇」を狙いとすることだ。ただし、その場合には、対策はまったく別のものとなる。
既婚者はもともと、生涯の出生率が2に近い。つまり、もともと出生率の点では特に問題ない。なのに、ことさら2よりも上回らせたいのであれば、既婚者向けには「3人目を生ませること」を目的とした対策に特化するべきだ。つまり、こうだ。
「児童手当は、1人目と2人目の分は廃止する。かわりに、3人目の分を5倍ぐらいに増額する」
現状では、1人目と2人目には1〜1.5万円が支給されるが、これを廃止して、3人目だけに5〜7.5万円を支給すればいい。こうすれば、3人目を生む動機が高まる。
政府の新方針では、「3人目に3万円」だが、それでは額が少なすぎる。あまり効果はあるまい。「異次元の少子化対策」ならぬ「しぶちんの少子化対策」である。
※ 今回の「高校生に児童手当を支給」というのも、方向違いである。大事なのは、3人目に高額を支給することだ。たったの3万円だけでなく、5万円以上を。……なのに、そうしないのだから、原因と対策がまったく食い違っているというしかない。まさしく「次元が違う」だね。
私は女性の社会進出を歓迎するのであれば少子化は受け入れるべきだと思います。少子化でGDPが少なくなっても住み易い社会になるように準備することこそいまやるべきです。具体的には住宅、自動車(管理人さんはその関係らしい)、その他の耐久消費財の寿命を今の4倍くらいにして、GDPは少なくても良い暮らしができるようにすべきです。今の技術で長寿命化は十分可能です。プラスチックなどは分解しなくて困っているのです。また長寿命化はSDGsの動きにも合致しています。
説明済みです。文中にリンクがあるでしょ。 少子化の対策 .2 というページ。そこに書いてある。
> 自動車(管理人さんはその関係らしい)
全然、違いますよ。私は自動車会社とは無関係です。
> GDPは少なくても良い暮らしができる
そんなのは不可能です。途上国民になるなら、貧しくて低寿命の人生になるしかありません。
人は霞を食って生きることはできない。
どうせなら、「年金を半分に減らせ」とでも唱える方がいい。それが「GDP を減らす」という意味です。
「少母化」の原因の1つに、お見合い結婚がなくなり、キラキラした「恋愛」の先にしか「結婚」がなくなってしまったことがあると思う。
自分ひとりで生きていくのも大変なのに、恋愛にお金をかけられないからと恋愛にすら進まない人もいれば、恋愛の延長でキラキラした結婚生活を続けようとしてもできず、離婚してしまう人もいる。
それを変えるには「1人で生きるより2人+子供で生きる方が楽だ」と思える制度設計が必要。子供を育てる基盤が家庭と考えれば、男女のカップル+実子というパターンだけではなく、同性カップル+養子でもいいのではないか?
漫画の世界では、レズカップルとゲイカップルが人工授精で子供を産んだりするが、現実には無理。許可されない。
レズカップルとゲイカップルがエッチして子供を産むなら可能だが、むりぽ。そもそも、それを推奨するために政府が金を出す、というのが筋違い。
結婚はエッチを推奨するために政府が金を出す制度なので、同性の結婚は元々無理筋。
http://openblog.seesaa.net/article/487749941.html