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長野の散弾銃発射事件があった。その動機はわかりにくい。そこで過去の事例を探ると、16年前にあった佐世保の散弾銃乱射事件が見つかる。Wikipedia から抜粋しよう。
2007年12月14日に長崎県佐世保市名切町のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」で発生した銃乱射事件である。
スポーツクラブ会員の男がクラブの施設内で散弾銃を11発発砲し、男女計2人を殺害、6人に重軽傷を負わせた。この事件の後、犯人は自殺。
この事件では銃規制の不備が指摘され、翌年、銃刀法が改正された。
2007年12月14日19時10分ごろ、スポーツクラブ「ルネサンス佐世保」に散弾銃を持った男Xが入店した。
Xは発砲後裏口から逃走した。迷彩服姿、身長180cm超という目撃証言……
Xは高校卒業後、名古屋と東京で職を転々とした後、佐世保に戻り水産会社や病院で働いたが長続きしなかった。仕事のやり方で注意されると激高し短期間で退職することもあった。事件の1ヶ月前に入社した防犯設備会社は僅か10日で退職していた。
Xには奇行も見られた。ある近隣住民はXが深夜突然トイレを貸してほしいと訪ねてきたと語る。この近隣住民はXの銃所持許可取り消しを警察に求めていたが、警察はXに(銃の主要な構成部品である)先台の自主的な提出を要請しただけであった。先台の提出要請には法的拘束力がなく、Xはこれに応じることはなかった。
Xは安定した収入がないのにもかかわらず、父親の退職金を頼って浪費を続けていた。犯行の数月前には、300万円の新車と40万円の漁船を購入していた。犯行直前には金融機関から570万円の借金を抱えていたが、母親が生活費の援助を打ち切ったことから、返済の目処が立たなくなっていた。
殺害された男性Bは、Xとは中学時代からの親友であり、Xにスポーツクラブに呼び出されて被害に遭った。 B射殺の動機について、警察はBが犯行を制止しようと試みたことに犯人が激昂したものと断定した。
警察は、Xが仕事に就けず借金返済もできなくなったことなどから、「自暴自棄となり犯行に至った」と結論付けている。しかし、好意を寄せていたAに対し殺意を抱くに至った理由や旧友たちをスポーツクラブに呼び出した理由については、明確な答えを出せていない。
動機については、学者から様々な説が出ている。犯罪精神医学者の影山任佐も「まず自殺を考え、最後に『人生の見せ場』を作ろうとしたとみるのが自然」と指摘した。また犯罪心理学者の福島章も自殺願望に言及し、「社会や周囲への被害妄想を抱くようになり、多くの人を道連れに死のうとしたのではないか」と語った。
( → ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件 - Wikipedia )
以上の点を見ると、今回の犯人とかなり共通点があるとわかる。

今回の犯人は、一般の社会で就職することはできず、親の個人的なアイスクリーム店で営業していたようだ。
→ 青木正道市議の息子・長男の名前は政憲?顔画像を調査!アイスクリーム屋はどこ?
この店は、そこそこ人気はあったようだ。
→ もぎたて果実のおいしさを そのままジェラートに!軽井沢町「ジェラテリア フルッティ」 ? Web-Komachi
だが、(原宿や銀座ならともかく)軽井沢のアイスクリーム店では、(夏以外には)ろくに客が来るはずもないので、赤字だった可能性がある。
また、本人は自分では店頭に立たず、バイトに任せきりだったようだ。
近隣店舗の関係者:「(Q.結構並んでいた)並んでいました」「旦那さんも物当たりの穏やかな、貫禄のある方ですよね。果樹園をやっているのと、農作物を主体としたジェラート作り。“こだわりがあって作っている”という印象を受けました」
近隣店舗の関係者:「(Q.息子さんが店長)確かそうだったと思います。(Q.“息子にも任せよう”みたいな)あったんじゃないですかね。(Q.でも息子は、あまり来ていない)しょっちゅう来てたイメージはない。(Q.最後に会ったのはいつ)(息子に会ったのは)去年夏だったかな」
社交性のある両親のもとで育った青木容疑者。「高校生までは活発で明るい子だった」と、本人を知る人たちは口をそろえます。ただ、県外の大学に進学してから様子が変わってきたといいます。
青木家を知る人:「(容疑者は)入学してすぐ戻って来た。人づきあいがうまくいかなくなって。その後は引きこもっていた。村づきあいができない性格だから、父親は心配してたと思う」
( → 13代続く農園に何が…“マサノリ園”にジェラート店経営も 立てこもり男の素顔 )
立てこもり男は、引きこもりだったようだ。佐世保の容疑者とも似ている。
精神面でも、異常の気配が多い。
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佐世保の事件で、銃刀法が厳しくなった(2008年改正された)が、その効果も虚しく、今回の事件が起こってしまった。
今回の犯人は 31歳であり、銃刀法の改正後の免許取得だったが、銃刀法の改正があっても、無効だったわけだ。
2007年には長崎県佐世保市のスポーツクラブで男が散弾銃を乱射して8人が死傷した事件が発生。翌08年に銃刀法が改正され、規制が厳しくなった。精神科医らの診断書の提出が義務づけられたほか、所持を認めないケースとして新たにストーカー行為やDV、自殺のおそれがある場合なども盛り込まれた。
だがその後も銃による事件は起きている。10年には、大阪府の居酒屋で3人がライフル銃で射殺された。昨年は埼玉県で男性医師が散弾銃で撃たれて死亡した。
( → 立てこもり容疑者、銃4丁所持 相次ぐ事件、銃規制厳格化のさなか:朝日新聞 )
では、その対策は? この記事には、こうある。
岩手県大槌町で銃砲店を営む家子和男さん(73)は数年に1度、……で銃の所持許可を取り消されたケースを見聞きする。
「銃を持つべきでない人が持たないようにするため、警察も近所に聞き込みをするが、個人情報の壁もあり、調べきれない部分があるようだ」
危機管理に詳しい福田充・日本大教授は「規制は厳しくなりつつあるが、自己管理をもとにしているため、危険な思想を持っていても、狩猟目的とうそをつけばすり抜けてしまう」と指摘する。
なかなかうまい対策はないようだ。残念ですね。
困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
銃刀法を改正して、新たに次の3点を加える。
(1) 60歳以下では、定職や所得をもつことを義務づける。所得税額で規定して、年収 500万円以上を条件とする。(所得のない人は、自殺願望を持ちやすいので、銃所有を禁止する。)
※ これで、二つの事件は回避できそうだ。
(2) 初回および1〜3年ごとに、「怒りっぽくないこと」をチェックする。具体的には、罵倒の言葉を浴びせて、それでも頭に血が上らないことを確認する。確認者は、精神分析医とする。
なお、罵倒の言葉を浴びせる人は、「怒らせ屋」である。たとえば、こう告げる。
「このボケ。おまえの撃つ弾が獲物に当たるわけがないだろ。おまえの弾が当たるのは、クソだけだ。おまえもクソだがね。クソがクソを狙うのか。さっさとケツをまくって死ね」
うまく相手を怒らせたら、歩合給として5万円ぐらいをもらえる。とにかく、うまく相手を怒らせて、銃保有禁止に持ち込む。
※ こういうテストがなされていたら、二つの事件は回避できただろう。
(3) 銃所持の免許料を、高額に設定する。毎年5万円程度。この金額を払えないような低所得者は、銃の所有を禁止する。
なお、現状では、初回の登録料があるだけで、毎年の更新料は無料である。
狩猟税を納めなければなりません。金額は、第一種銃猟1万6500円、第二種銃猟5500円、わな猟8200円です(手数料や狩猟税の納付は、登録する都道府県ごとに必要です)。
猟友会へ入る場合の会費は年間約1万円、狩猟者登録のためのハンター保険は約5000円です(条件により金額が変わります)。
( → 狩猟にかかるお金はどれぐらい? 免許取得代や銃・装備品の値段は?|マイナビ農業 )
経費は毎年1万円+5000円であるらしいが、払わなくてもいいようだし、この犯人の場合には、払っていなかっただろう。それでも銃所持は取り消されないわけだ。かくて、自殺したがる貧乏人が、銃保有できる。
仮に、「毎年5万円」の更新料が設定されていたら、二つの事件では、いずれも銃は用いられなかっただろう。やるにしても、包丁で済ませたはずだ。(それ以前に、更新料の支払いを停止して、免許取り消しとなって、銃は没収されていたはずだからだ。)
※ 毎年5万円の更新料を徴収すれば、その金で毎年、(2)の「怒りっぽくないこと」のチェックが可能となる。精神科医に1人あたり2万円を払っても、費用を回収できる。
※ 逆に言えば、(2)の「怒りっぽくないこと」のチェックをするためには、精神科医と怒らせ屋に支払う金額の分、更新料を高めに徴収する必要がある。
※ こういうチェックがなされていたら、二つの事件は回避できただろう。
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ともあれ、以上の (1)(2)(3) によって、事故の再発をなるべく防げそうだ。
※ 「毎年5万円も取るのは高すぎるだろ。ボッタクリだ」という不満が来たのなら、「免許返上のときにまとめて、半額を返す」というふうにすればいい。ただし 65歳以前には、返金しない。返金するにしても、65歳まで待たせる。……いずれにせよ、金のないケチな奴を排除するのが目的だ。
[ 補記 ]
続報がある。犯行の動機。
父親の正道さんが事件を起こした理由を問いただすと、青木容疑者は「自分はずっと孤独で、いつも1人でいることを周囲からののしられていると思っていた」と説明。「そう思っていたところ、ある女性が自分をののしっていると思い、刃物で刺し殺した」と話したという。
青木容疑者はまた、「女性を刺すのを見ていた人が110番した。駆けつけた警察官に撃たれると思ったので、撃たれる前に猟銃を放った」と話したという。
( → 「ずっと孤独」一方的恨みか 親の説得に話す 長野立てこもり:朝日新聞 )
被害妄想の度合いが強いと言える。心神耗弱(弱い精神病)の一種だと思える。
本来ならば、この種の異常者は銃所持の免許を剥奪されるべきだが、そうなっていない。その問題は、本項で指摘したとおり。
『精神異常者には銃を持たせてはいけない』
と思いました。
いわゆる、【気違いに刃物】の状態は避けるべきかと。
そうだよね。私も最初はそのつもりで書きはじめたんだけど、読者の反発を懸念して、表現にオブラートをかぶせることに腐心していたら、最初に考えていたことを忘れてしまった。
続報がある。犯行の動機。……という話。
> 「大学で『ぼっち』とばかにされている」と正道氏に訴えたばかりか、住んでいたアパートについても「ここは盗聴されているから気をつけて」「部屋の隅に監視カメラがある」などと主張するようになった。両親はカメラがあるようには見えず「これは幻覚だよ」と告げると「何で俺のことを信じてくれないんだ」と反論した。
両親は政憲容疑者を実家に連れて帰り、結局大学は中退した。病院の受診も進めたが政憲容疑者は「俺は正常だ」と拒否したという。
https://shueisha.online/newstopics/135642?page=2