2023年05月26日

◆ 食料自給の対策

 食料自給について、政府が新方針を立てた。

 ──

 5月11日 の朝日新聞記事から。
 《 料増産命令、法整備を検討 有事の輸入停止・パンデミックの混乱 農水省 》
 有事に輸入が止まるなど国内で食料が不足する事態に備え、農林水産省が農産物の増産を農家や民間事業者に命令できる制度をつくる方向で検討を始めた。
 具体的には、花農家にコメやイモをつくるよう命令したり、限られた食料がまんべんなく消費者に届くよう事業者に指示したりできるようにすることを検討する。価格高騰や買い占めを防止するための価格統制や配給制なども視野に入れる。
 紛争で海上輸送が止まるような事態のほか、気候変動による世界的な凶作、感染症のパンデミック(世界的大流行)による物流の混乱なども想定。
 農水省が対応を急ぐ背景には、ロシアによるウクライナ侵攻で食料の安定供給への不安が高まったことがある。
( → 食朝日新聞

 これまでは、有事への対策として、「自給率を高めよう」と言うばかりだった。そのために乃木坂46を起用したりした。(国民を嘘でだますために。)
  → 乃木坂 46 で詐欺: Open ブログ

 しかし、いくら自給率を高めても、有事には石油が途絶えてしまうので、米生産ができなくなる。田植え機もコンバインも動かなくなるからだ。つまり、自給率を高めるだけでは、有事への対策としては意味がないわけだ。
 また、地球全体の異常気象への対策という意味なら、「世界中が飢饉なのに日本だけは飢饉でない」ということはありえないので、もともとナンセンスである。「日本だけでは飢饉だが、世界は飢饉でない」ということなら、十分にあり得るので、そっちの心配をするなら、まだわかるが。

 ──

 さて。自給率とは別に、「サツマイモを植える」という方策は、有効である。「米は作れなくても、サツマイモは作れる」ということなら、十分に考えられるからだ。この場合、田植え機のような機械はなくとも、国民を総動員すれば、種イモを地中に埋めることは可能だろう。

 ※ ちなみに、田植え機が動かないときに、人力で田植えをするというのは、まず無理である。田植えというのは、プロならば可能だが、素人がやると、大変だ。若い高校生でさえ、30分で腰が悲鳴を上げる。私は高校の実習で田植えを体験したので、ちゃんとわかっているんだ。
    → 田植えを行いました | 筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】
    → 「筑駒」に根づく逞しさ 生まれる新たな農業への息吹

 ともあれ、いざというときの対策としては、米よりもサツマイモがいい。そして、そのためには、「いざというときには、サツマイモを大量栽培できる」という体制を、あらかじめ整備しておくことが必要だ。
 一方で、常日頃から実際にサツマイモを栽培する必要はない。サツマイモの自給率を普段から高める必要はない。平時の自給率と危機時の自給率とは別である。平時の自給率を高めても、戦時の自給率が高まるとは限らないのだ。

 ──

 では、いざというときにサツマイモの大量栽培が可能になるためには、どうすればいいか? 
 第1に、種芋を大量に用意しておくことが必要だ。といっても、普段から用意する必要はあるまい。危機というのは、いきなり来るものではないので、「そろそろ危機になりそうだな」と思ったら、その前に準備をしておけばいい。
 第2に、サツマイモの収穫量アップの手段を用意しておくといい。特に、次の記事が大切だ。
 下水処理水をサツマイモ栽培の液体肥料にしたり栽培スペースを工夫したりし、生産量を約10倍に増やすことに成功したと近畿大の鈴木高広教授らのチームが22日までに発表した。
 チームは静岡県磐田市の下水処理場で栽培実験。苗を植えたポットを3段に並べ、1平方メートル当たり年間25.3キロに相当する量を収穫した。全国平均は同2.4キロという。
( → 下水処理水で生産量10倍に 近畿大がサツマイモ栽培 | 共同通信

 有事への対策として、食糧の自給率を高めよう……と乃木坂46 を使って嘘を振りまくよりは、サツマイモの増産の技術を整備しておくべきだろう。乃木坂46 の宣伝費に、(広告掲載費込みで)何千万円も払うよりは、サツマイモの増産技術の普及のために、その金を使う方が有効だろう。
 といっても、農水省は乃木坂46 の推しメンごっこ(押し活)をしたいのだろうが。

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 ※ そう言えば、先日は、白石麻衣を使って、政府が押し活をしていたな。
   → 白石麻衣の広告: Open ブログ

posted by 管理人 at 22:51 | Comment(1) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 続報。

> 野村哲郎農水相は23日の記者会見で「コメの代わりにイモを植えろと命令しても農家は聞かない。法律で明確にする必要がある」として根拠となる新法が必要との認識を示した。
  → https://digital.asahi.com/articles/DA3S15649222.html

 農家が聞かないのは、天の邪鬼だからではない。できないからだ。畑でなく水田を使うのもやりにくいし、田植機で苗を植えるのでなく、芋のタネを植えるのも難しい。
 農家の手助けの動員部隊の法律でも作った方がいいね。そのためには、高校で、種芋を植える実習でもすればいい。筑駒の農業実習のように。



Posted by 管理人 at 2023年05月30日 15:00
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