自動運転では、ステレオカメラを二重化するといい。高速道路用に、望遠レンズを使うものを追加する。
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自動運転や自動ブレーキでは、ミリ波レーダーや LiDAR もある。これらは遠距離にも正確な距離測定が可能なので、高速道路にも使える。
一方、単眼カメラやステレオカメラは、遠距離には向いていない。単眼カメラは、遠距離用の専用カメラ(望遠カメラ)を用意することで、遠距離にも対応できるようになった。一方、ステレオカメラは、遠距離には対応できていないことが多い。そのせいで、高速道路の高速運転には向いていないことが多い。
そこで、ステレオカメラにも、単眼カメラと同様に、望遠用のカメラを設置したいのだが、そうすると、システム価格が2倍になってしまう。カメラは倍増するし、CPU も倍増する。こうなると、コストが倍増で、よろしくない。
困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまそうな案を出そう。こうだ。
「方式はステレオカメラの方式を踏襲して、機器だけを最新型に変更すればいい。旧式のカメラや CPU のかわりに、最新の高精細カメラや高速 CPU を使えばいい。これならば、高精細化による高解像度によって、高速運転にも対応できる。」
しかし、この方法は、簡単ではあるが、コストがかさむ。2K カメラを 4K カメラにすると、解像度は横方向に倍加するが、コストは4倍ぐらいになりがちだ。また、CPU も、性能を倍加すると、コストは4倍ぐらいになりがちだ。かくて、対応速度を2倍にするためにコストが4倍になる。これでは、割が合わない。かくて、「最新技術の方式で対処する」というのは、単純ではあるが、コスト的によろしくない。
困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。もっとうまい案を出そう。こうだ。
「ステレオカメラを二重化する。望遠レンズを使う1セットを追加する。すると、カメラは2倍になり、CPU も2倍になるが、普及品の安価な機器を使えるので、コストは2倍増で済む」
数式で言うと、こうだ。
100 ×2 < 400 ×1
安いものが2つあると、費用は2倍になる。
高いものが1つあると、個数は1個だが、価格が4倍になる。
前者よりも後者の方が高コストなので、前者の方がお得である。
汎用品の CCD や CPU は、低価格なので、2セット使っても、コストは2倍で済む。
高性能の CCD や CPU は、高価格なので、1セット使うだけでも、コストは4倍になる。
だったら、「コストが2倍になる」のは、コストアップ要因ではなく、むしろコストダウン要因なのである。だから、「ステレオカメラの二重化」という方式は、かえって安上がりなのだ。
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性能的にも、この方式は好ましい。
CCD は、横方向の解像度を高めるだけでよく、縦方向の解像度を高める必要はない。4K カメラを使うことは、必要のない解像度を得ることになるので、コスト的に無駄である。二重化する方式ならば、特にコストをかけずに、十分な解像度を得ることができる。(望遠レンズで。)
CPU は、実質的には処理速度が2倍になったのと同じことになる。コア数が2倍になったのと同様である。なぜなら、二つのシステムを使うことで、計算は二つに分散して処理されるからだ。処理速度を2倍にするには、3〜4倍ぐらいのコストがかかるのが普通だが、システムを二重化すれば、コストは2倍だけで済む。
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また、別の理由もある。
望遠用のステレオカメラは、左右のカメラの間隔を広げることができる。1メートル以上も離していい。一方、標準のステレオカメラは、左右のカメラの間隔を広げない。15〜30cm ぐらいの間隔があるだけでいい。
このように使い分けることができる。そのためにも、ステレオカメラは二重化した方がいいのだ。(一石二鳥ふうだ。)
※ そもそも、カメラ数を制限する必要はない。たいていの自動運転車では、カメラ数が 10個以上になっている。前後左右を見るには、そのくらい多数のカメラが必要となる。だったら、最重要の前方について、カメラ数が2つ増えることぐらいは、どうってことはないのだ。
[ 付記 ]
標準と望遠はそれでいいが、超広角はどうするか?
これについては、ステレオカメラ方式とは別に、超広角の単眼カメラを用意すればいいだろう。こちらは特に立体視しなくてもいい。超広角が必要なのは、近距離の歩行者対策なので、あまり厳密な距離測定はしなくても済むことが多い。だから、立体視はしなくてもいい。
2023年05月21日
過去ログ
https://www.asahi.com/articles/ASQ8R218PQ8KULFA00F.html
コスト的には、LiDAR が滅茶苦茶に高価なので、これだけでカメラ 100個分以上になる。
日産のプロパイロットとは大差が付いている。
→ 新型「セレナ」販売好調!1カ月で2万台受注 〜7割が「プロパイロット」を装着
https://autoc-one.jp/news/2915808/
エクストレイルや、アリアでも、同程度だと見込まれる。高速道路の長距離運転では、大差が付きますからね。高齢者にとって、必要度は高い。金さえあれば、どうしても欲しい機能だ。
> 新型アウトランダーPHEVのオートクルーズは、マイパイロットと言って日産で言うところのプロパイロット1.5相当で
https://minkara.carview.co.jp/userid/2011810/car/3201167/7072072/note.aspx
とのことなので、日産ノート・オーラと同程度であるようだ。日産の最新車のレベルには及ばない。