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墜落した陸自ヘリコプターの機体が発見された。大きく損壊していたと判明したのだ。朝日新聞が報じている。
「グシャグシャだ。原形をとどめていない」。テレビ中継で引き揚げ作業の映像を見ていたある防衛省関係者はそう感じた。エンジンらしきものが見て取れたが、どこの部位か分からないものも多かったという。
防衛省によると、引き揚げられた機体の主要部は操縦席、胴体、尾翼の各部分で折れたり、割れたりしていたが、一部でつながっている状態だった。担当者は「海底で、大きく損壊していた」と説明した。
自衛隊の取材経験が豊富な航空評論家の青木謙知さんは「海水はやわらかいイメージもあるが、実際にはある程度の高さからたたきつけられればコンクリートのように硬い」と語り、海面にぶつかった際の衝撃の強さを指摘した。
( → 陸自ヘリ、激しく損傷 作業の様子うかがえず:朝日新聞 )
激しく損傷していたということだが、このことは不思議ではない。すでに私が前に述べたことと整合的だ。
せめて「異常発生、メーデー、メーデー」と叫ぶぐらいのことはできていそうなのに、それもなかった。
私が思いついたのは、こうだ。
「ダウンバーストがあった。下向きの気流が発生している地域があり、そこに飛び込んだので、一挙に地面にたたきつけられた。もともと低空飛行をしていたので、機体を立て直す余裕もなかった」
( → 陸自ヘリコプター墜落 .1: Open ブログ )
以上のように、「ダウンバーストによる急降下があった」と推定していた。そのことが、今回の事実で裏付けられたと言えるだろう。
ダウンバーストによる急降下 ≒ 大きな損壊
と見なせるからだ。
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なお、別記事によると、フライトレコーダーが見つかったそうだ。
陸上自衛隊のヘリの機体主要部分が2日午前11時50分ごろ、民間船舶のクレーンで引き揚げられた。午後には島内の平良港へ送られ、事故時の状況を記録したフライトデータレコーダー(FDR)が回収された。
( → 引き揚げられた陸自ヘリからフライトレコーダー 事故の原因を分析へ:朝日新聞 )
フライトレコーダーがあれば、墜落した地点も判明するだろう。レーダーから消失した地点と、ヘリコプターの発見された地点とでは、かなり距離があるが、その点についても、事実が判明するだろう。なお、私の見解は、別項で述べたとおりだ。
「ダウンバーストで墜落したあと、機体は水上に浮かんだまま、1〜2時間ほど浮遊していた。このあたりの海流は、時速3キロぐらいなので、海流に乗ったまま、北東に移動していった。そうして 4.2キロを移動したあとで、沈没した。なお、その間に連絡が届かなかったのは、墜落の衝撃で全員が死亡したからである」
( → 陸自ヘリコプター墜落 .2: Open ブログ )
これが正しいかどうかはまだ判明していないが、フライトレコーダーを調べれば、判明するだろう。
[ 付記 ]
もう一つ、確認ポイントがある。こうだ。
「引き上げた機体の中に、ローターは含まれているか?」
仮にローターが含まれていなければ、「ローターが はずれたことによる急降下」という可能性がある。この場合は急激な落下があったことになる。( 下記の ※ を参照。)
ローターが見つかれば、上の仮説は否定されるので、ダウンバーストがあったという仮説がいっそう補強される。
※ ローターがあれば、安全に不時着[オートローテーション]できるのがヘリコプターだ。
《 加筆 》
ローターは4本あるが、そのうちの1本が、はずれたり折れたりすれば、ヘリコプターは一挙に墜落する。その可能性も考えられる。
【 関連動画 】
ちなみに、日本で見つかった最大の雹は、直径 29.5pだ。
→ https://harenote.com/hail