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朝日新聞が報じている。
温暖化の影響が顕著になってきている。京都大の立川康人教授(水資源工学)によると、世界の気温が上昇した結果、降雨パターンが複雑に変化し、雨が降るときと降らないときの差が極端になっているという。豪雨被害が相次いでいるのに対し、1日の雨量が1ミリ未満の「無降水日」も増える傾向に。降雪量の減少や高い気温による水の蒸発なども渇水のリスクを高めている。
( → 全国で高まる「渇水リスク」利根川で早くも危機感、対策強化する福岡:朝日新聞 2023年5月1日 )
記事中では事例として、利根川水域や、福岡や、四国の例が示されている。
一方、次の記事もある。西日本と東日本を分けて、西日本が厳しいと報じている。(いずれも昨年6月の状況だ。)
→ 西日本は水不足、東日本はある程度大丈夫そうだが・・
→ 西日本のダムは貯水率低下 短い梅雨で水不足の懸念高まる - ウェザーニュース
→ 水不足、西日本で警戒強く - 日本経済新聞
特に福岡や四国では顕著だが、西日本はもともと水不足の傾向がある。「うどん県」が有名な香川県もそうだ。水が足りないので、ため池を作ったが、それでもまだ足りないので、米作を諦めて、小麦を作るようになった。だから、うどん県になったのだ。
→ 香川がうどん県である理由: Open ブログ
ともあれ、西日本は水不足だ。このままでも大変だが、このあとは温暖化の進行で、もっと大変になりそうだ。困った。どうすればいい?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「西日本では稲作をやめる。稲作は東日本に任せて、西日本では稲作以外の農業をやる。特に、野菜生産に注力する」
そもそも、稲作はもともと東日本が中心だ。そのことは、次の統計データでもわかる。
→ 米の生産量の都道府県ランキング(平成30年)
西日本ではもともと稲作はあまり重要でない。また、米を作っても、品質がよくない。おいしくて高値になるのは、東北・北海道のものばかりだ。せいぜい関東ぐらいが南限だ。北陸は別として、東海や近畿よりも西では、稲作をしても高品質にならないのだ。
ならば、いっそのこと、稲作はやめた方がいい。かわりに、野菜と果物を中心にした農業とすればいい。西日本では、光と温度が野菜生産に適しているのだ。光は豊かで、温度は高めだ。これらは、稲作には適さないが、野菜生産には適する。
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さて。稲作をやめると、どうなるか? 水田で大量に水を使用することがなくなるのだ。そのことで、農業用水の必要量が激減する。かくて、農業用水として川から取水される量が激減する。……こうして、水不足は一挙に解決する。そのあとは、水不足でなく、水余りになる。
まあ、以上はちょっと極端な話ではある。「稲作を一挙に全廃する」というのは、極端すぎるので、無理っぽい。だが、全廃とは言わなくとも、半減ぐらいにすれば、農業用水の必要量も半減する。そのことで、水不足は一挙に解決しそうだ。
[ 付記 ]
「コメでなく小麦を作れ」と言った人もいる。
→ 『モーニングショー』玉川徹氏、「米から小麦へ」「食べないもの作るな」“米農家・米食軽視”発言に反論続出
だが、このアイデアはダメだ。
第1に、小麦生産のコストは非常に高くて、莫大な補助金漬けだ。こんなことをしたら、輸入小麦から国産小麦に置き換わる分、小麦の価格が大幅に上がってしまう。ただでさえ小麦価格の高騰でパンやうどんが値上げしているのに、さらに値上げしてしまう。
第2に、国産小麦はうどん用の薄力粉で、パンにするには適していない。いくら小麦を作っても、それでパンの小麦になるわけではない。
なお、以上の話を聞くと、
「だったら、本項の趣旨も同じだろ」
と反論する人もいそうだが、それは誤解だ。
本項は「米を作るな」と言っているのではない。「西日本では米を作るな」と言っているだけだ。つまり、「西日本で減産した分、東日本で増産すればいい」ということだ。
政府は減反政策をやめたが、農協の指導で民間レベルでの減反政策が継続されている。これを廃止すれば、東日本では増産ができる。
1971年から本格的に実施された減反政策は、2018年に廃止されました。廃止されたことにより、作付面積の増加や米余りなどの状態が各地で見られています。
2021年の時点では自治体や農協などの団体が中心となり、米の生産量の目安を農家に提示して、急激な増産を回避するように調整しています。
( → 減反政策とは? 廃止から4年、米農家の現状と今後の展望を考える | minorasu(ミノラス) - 農業経営の課題を解決するメディア )
しかし私は、たぶん大丈夫だと思う。5月と6月ごろに雨がいっぱい降って、春の水不足を補いそうだ。
何だか最近、雨が多くて、気温が低いんだよね。(東京地方)
https://www.accuweather.com/ja/jp/tokyo/226396/may-weather/226396