果物ジュースの値上げの理由は何か?
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( ※ 本項の実際の掲載日は 2023-04-17 です。)
果物ジュースが大幅に値上げしている。前項で示したとおり。
→ 果物ジュースが大幅値上げ: Open ブログ

では、これほどにも大幅値上げをするのはなぜか? その理由を推察してみた。こうだ。
「オレンジ、リンゴ、ブドウなどの果汁がいっせいに値上げしているのは、特定の果実が部分的に不作になっているからではあるまい。むしろ、供給量の全体が大幅に縮小したからだ。それほどの影響をもたらす大規模な不作として考えられるのは、オレンジの不作しかありえない。オレンジならば、それが不作になったとき、他の果実で代替することができないからだ。(量があまりにも多いので。)
ゆえに、オレンジの産地で大規模な不作が起こったのだろう。ちょうど、フロリダのグレープフルーツがハリケーンで壊滅したように」
こう推察したあとで、ネットをググったら、その事実が確認された。
史上最大規模のハリケーン「イアン」がフロリダに甚大な被害をもたらした。(昨秋)
→ ハリケーン「イアン」がフロリダ州にもたらした甚大な被害 | Business Insider Japan
そのせいでオレンジが大幅に不作となった。
ハリケーン「イアン」の影響で、アメリカではオレンジジュースの価格が高騰する見込みだ。
フロリダ州はオレンジの主要産地で、アメリカ農務省は来シーズンの生産量が32%減ると見ている。
だが、32% の減産というと、あまり大規模ではない。それだけで一挙に「すべての果物の価格が2倍になる」というのは変だ。そう思っていたら、ダブルパンチがあるとわかった。こちらは昨冬のことだ。
オレンジですが、アメリカあるいは南米で、「カンキツグリーニング病」という感染症が広がっているようで、アメリカで最もオレンジの収穫の多いフロリダ州で壊滅的な被害状況となっていることが伝えられています。
フロリダ州の柑橘類の収穫は、1943年以来最低の収穫量となる見込みということで、約 80年ぶりの状態となっているようです。
それに伴い、オレンジジュースの先物取引価格が、過去最高値に近づいています。
( → 米国の柑橘類の収穫量が感染症の蔓延で戦後最低に。オレンジジュースの先物価格は史上最高値に近づく - 地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー )
最近(3月)の情報では、こうだ。
オレンジジュース(果汁)の国際価格が過去最高値圏まで上昇している。加工用オレンジの主産地であるブラジルや米国が相次いで病害に見舞われ、果実の生産が想定以上に減っている。原料不足で果汁の品薄懸念が強まり、先物価格は2023年に入って3割上がった。国内外で果汁飲料の値上げも広がっている。
( → オレンジ果汁先物が最高値圏 - 日本経済新聞 )
この時点では3割アップだが、その後、どんどん急上昇しているようだ。

とはいえ、こうなるに至った理由はわかった。ハリケーンと病害だ。とすれば、長期的には問題は解決すると見込まれる。
フロリダのグレープフルーツの壊滅は、何年たってもなかなか解決しないようだが、それは樹木が育つのに時間がかかるせいかもしれない。5年では済まず、10年ぐらいかかるのかもしれない。とはいえ、10年ぐらいの時間をかければ、長期的には解決しそうだ。
「果物ジュースは今後はもう気安く飲めそうにない」
という見通しは、今後数年間だけに限られそうなので、とりあえずは一安心だ。事態は永続的ではないのだ。
[ 付記 ]
ただし、楽観できるとは限らない。根源が「地球温暖化」だとすると、今後また、ハリケーンが襲ったり、病害が広がったりして、事態はさらに悪化する可能性もある。価格は倍増ではなく、4倍増になりかねない。
地球温暖化による悪影響は、こんなところにも及ぶのかも。
(これは、「かもしれない」という話だが。)