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記事を紹介しよう。
トヨタ自動車は2026年までに電気自動車(EV)の新たな10モデルを投入し、同年に150万台の販売を目指すと発表した。
トヨタは21年、EVの販売を30年に350万台とすることを目指すと宣言。
ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、30年の350万台に至るマイルストーンはこれまで明らかにされていなかったが、今回発表された26年に150万台というのは「想定内」とコメントした。
( → トヨタ、EV拡充で26年に販売150万台へ−脱炭素に重要な選択肢 - Bloomberg )
これをどう解釈するか?
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焦点は、ギガ・プレスを採用するか否かだ。これについて、前にこう述べた。
トヨタは 2026年に EV 専用のプラットフォームを採用すると決めた。
ここには、ギガプレスという言葉はない。たぶん、そこまで考えていないのだろう。これまでの報道を見る限り、トヨタが開発しているのは「 EV プラットフォーム」という新プラットフォームの開発であって、ギガプレスという新しい生産方式ではないからだ。生産方式を変えるべきときに、プラットフォームを変えれば済むと思っている。
ひどいね。こんなことでは、トヨタはボルボに比べて周回遅れだ。いったいトヨタはどうなってしまうのだろう。消滅してしまうのだろうか? かつての家電産業のように。
( → ボルボのギガプレス: Open ブログ )
ここでは懸念を示した。
一方、本項冒頭のように、トヨタは 26年に 150万台と示した。この数字は、ギガプレスでは不可能だ。なぜなら、それだけ多数のプレス機を用意することはできないからだ。たとえほしくても、プレス機の会社がプレス機を生産できない。ゆえに、トヨタが大量のギガブレスを導入することはできない。
そこから得られる結論は、こうだ。
「トヨタは 26年の EV では、ギガプレスを導入しない」
では、それで、ライバルに勝てるのか? トヨタはボロ負けしないのか? そういう心配がある。
だが、大丈夫。ライバルもまた、ギガプレスのプレス機を購入できないからだ。世界中の各社がギガプレスのプレス機を欲しがっていて、奪い合いなのだから、ほとんどの会社はギガプレスのプレス機を購入できないのだ。トヨタ一人がボロ負けするのではなく、世界中の会社のほとんどがそろって負ける。同病、相哀れむ。
では、勝つのは誰か? テスラだ。テスラはとっくに契約を結んでいるので、このあと数年間、ギガプレスのプレス機をほとんど独占購入するのだろう。ざっと見て、7割ぐらいをテスラが購入して、テスラが世界各国でギガプレスによる生産をする。残りの3割を、世界の各社が分けあう。トヨタにも1〜2台ぐらいはギガプレスのプレス機が来るかもね。しかしそれだけでは、150万台の生産は無理だ。
というわけで、トヨタの 26年の販売では、ギガプレスは導入されない。古いプラットフォームで生産するか、新しい EV プラットフォームで生産するかは、まだわからない。が、いずれにしても、ギガプレスにはならない。
それが私の推定だ。
たとえギガプレスを導入したとしても、すぐ生産が軌道に乗るとも思えません。合金の組成から試行錯誤しなくてはならないでしょうし あと3年では絶対無理だと思います。
Zeekr X というクルマ これ周回遅れどころかもう勝負になりませんね。テスラすら古臭く見えます。
https://www.youtube.com/watch?v=ms8kxSYKmug
→ https://jp.reuters.com/article/nissan-idJPKBN2VC0AL
意外なことに、EV 機構ではなく、塗装工程に問題があったそうだ。
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とはいえ、3月からは急激に生産台数が増えたそうだ。
→ https://twitter.com/yaesakura2019/status/1644083335608827904
→ https://kuru-ma.com/ariya-hanbaidaisu/