2023年04月06日

◆ 水素社会を推進するべきか? .1

 脱炭素社会の実現に向けて、水素社会を作ろう、という政府戦略がある。妥当か?

 ── 

 脱炭素社会の実現に向けて、水素社会を作ろう、という政府戦略がある。
 脱炭素社会の実現に向け、水素は燃焼時に二酸化炭素を出さないエネルギーとして期待されている。
 政府は4日、「水素基本戦略」を改定し、2040年までの水素供給量を現在の6倍となる年1200万トンとする新たな目標を盛り込む方針を決めた。脱炭素に今後15年間で官民合わせて計15兆円を投資する。
 改定案では、政府の目標「50年の水素供給量2千万トン」に向け、40年に1200万トンとする方針を明記。30年ごろに商用に使えるよう、輸送やコンビナート建設を含むサプライチェーン(供給網)づくりもめざす。
 日本独自の「クリーン水素」の基準もつくる。製造過程で出るCO2を回収して地中に埋めることで生み出す低炭素の水素も「クリーン」に含める。世界の標準から外れるものだが、政府は独自のクリーン水素の概念を広めたい考えだ。
( → 水素供給量の目標、40年までに「6倍」 官民で15兆円投資へ 戦略改定:朝日新聞

 日本独自の「クリーン水素」の基準、という話は、次の記事の「ブルー水素」に相当する。石炭から水素を作って、そのとき排出される CO2は地中に埋める、という方法。
 ――低品質な石炭である褐炭を使って豪州でつくる場合、CO2ゼロの「グリーン水素」にはなりませんが。

 つくる時に発生する CO2は回収して地中に埋めるので、実質ゼロとなります。現実的な形で広げるために、こうした「ブルー水素」も必要だと考えます。一方で、中東の太陽光や欧州の風力の余剰分を使った「グリーン水素」にも対応しながら、水素の普及に貢献していきたいです。
( → 水素供給量の目標、40年までに「6倍」 官民で15兆円投資へ 戦略改定:朝日新聞

 以上で、政府の方針と民間企業(川崎重工)の方針を紹介した。

 ──

 さて。ここで疑問が生じる。
 「CO2は回収して地中に埋める」というのが、政府や民間企業の方針だが、その方法はかなりコストがかかるのが問題だ。技術的には別に難しくないのだが、どうしてもコストがかかってしまう。
 この難点を解消する方法はある。「極寒の南極大陸で CO2 を地下に埋め込む」という方法だ。南極大陸ならば、気温がマイナス 50度にもなるので、炭酸ガスを圧縮するのも容易であり、埋め込みのコストが下がる。この方法は前に提案したことがある。
  → 炭酸ガスを南極で封入: Open ブログ

 ただしこの方法は、先の「石炭で水素生産」という手法には使えない。南極大陸で水素生産の工場を作ることはできないからだ。(南極の商業利用は、環境汚染の危険があるので、国際条約で禁止。)
 となると、代わりに、オーストラリアの極地でやればよさそうだ。だが、オーストラリアは温暖な土地であり、極地などはない。日本の北海道よりもずっと暖かい。寒い適地が存在しない。
 というわけで、低コストでの地中埋め込みは、実現できそうにないので、「地中埋め込み」という方法は、(コスト面から)あまり実現性が高くない。

 ──

 なお、仮に「地中埋め込み」という方法が実現するとしたら、その場合には、水素生産をするよりは、単純に発電をする方がよさそうだ。つまり、「石炭発電をして、炭酸ガスを地中埋め込みする」という方法だ。どうせ「地中埋め込み」ができるのなら、(非効率な)水素を生産するより、(効率的な)発電をする方が利口だろう。

 では、「石炭発電をして、炭酸ガスを地中埋め込みする」という方法は、有望か? いやいや、とても有望ではない。将来的には、太陽光発電にはコスト面で大差で負けるだろう。シリコン太陽電池にも勝ち目がないが、将来、ペロブスカイト太陽電池が出てきたら、まったく勝ち目がないと言える。
 どうしてか? 石炭や石油には「採掘コスト」というコストがかなり高くかかる。一方、太陽光発電の場合には、太陽のエネルギーが空から無料で降りかかってくる。最初の設備費や設置費はかかるが、運転費はゼロで済むのだ。これは圧倒的な強みとなる。


sun_smile.png


 結論としては、どうなるか? 
 「将来は水素社会になる」という発想そのものが根本的に狂っている、と言えるだろう。これは「アンチ EV 論者」である豊田章男の唱える主張なので、政府もそれに影響されているようだ。
 だが、将来的に来るのは、「水素社会」ではなく、「電気社会」である。水素の化学エネルギーに頼るのではなく、電力の電気エネルギーに頼るのだ。それこそが最も効率的だ。なぜなら、電力は電線だけで運搬できるからだ。物理的に運搬する必要のある水素よりは、はるかに使い勝手がいいのである。
 また、エネルギー効率でも、水素のエネルギーよりも電子のエネルギーの方が、ずっと高効率に使える。
 「将来は水素社会になる」という政府の認識そのものが、根本的に狂っていると言えるだろう。
(豊田章男の残した置き土産は、クソだった、ということだ。クソをつかまされた政府。トヨタを沈没させるだけでなく、日本全体を沈没させようとする。川崎重工はその被害者か。トヨタもろとも沈没しそうだ。)
 


 [ 付記 ]
 水素の唯一の長所は「保存できる」ということだ。電力は保存しにくいが、水素は水素タンク(ガスタンク)があれば保存できる。ただし、それが有効であるためには、あらかじめ「電力が余っている」という状況が必要だ。つまり、再生エネの発電量が、日本全体の電力消費量を上回っていることが必要だ。(そうでなければ、電力として消費できるからだ。)

 だが、現実には、「余剰な電力を保存するために水素を使う」という日は、来そうにない。なぜなら、EV の充電池が「電力の保存装置」として使えるからだ。大量の EV の充電池があれば、日本の発電量の全体の1日分を優にまかなえるようだ。3日分ぐらいになると、まかなえないかもしれないが、その心配もないらしい。というのは、ペロブスカイト太陽電池は、曇り空でも発電が可能だからだ。前々項の YouTube 動画 で示した通り。
 
 結局、EV の充電池とペロブスカイト太陽電池と風力発電があれば、太陽光発電のエネルギーの安定性は保たれる。万が一、足りなくなったときには、バックアップとしての火力発電を使えばいい。(その機会はほとんどないだろうが。)
 というわけで、「余剰な電力を保存するために水素を使う」ということは、ありえそうにないので、水素の出番はないことになる。
 
 ──

 と思ったのだが、あとでよく考えると、ちょっと違うかも。
 電力の消費量は、冬と夏に多い。冬場には太陽光が弱いわりには、電力の消費量が多い。それに合わせて、大量の太陽光パネルを設置すると、春や秋には(消費電力が少ないせいで)、季節的に電力は余剰になりそうだ。
 となると、春と秋にのみ稼働させるという条件で、「余った電力で水素を生産する」ということは可能かもしれない。……ただしそれは、かなり遠い将来の話となる。「日本全体の電力消費を再生エネでまかなって、なおかつ余剰が出る」ということだと、2040年でもまだ無理で、2050年以降になりそうだ。
 そんなに先の話は、今からしても仕方がない。27年も先の話をすると、鬼が笑う。

posted by 管理人 at 23:45 | Comment(20) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に [ 付記 ] を加筆しました。
Posted by 管理人 at 2023年04月07日 00:56
風況は良いけれど送電線網が貧弱な地域では
風力発電のキャパはあっても受け入れられない場所も多いものと思います。
そういう地域で水素を蓄電体として利用するのは有効なのではないかと思います。
関東一帯では鬼が笑うかもしれませんが、田舎では結構現実的な気がします。
Posted by けろ at 2023年04月07日 13:08
 風力発電の電力を、地元で使い切れるのなら水素生産もよさそうだが、北海道の場合には、風力電力がありあまる。それをどう運ぶか、という問題。
 送電線がないから電力を運べない、というのが現状だ。

 そこで水素生産を、というのがご提案だ。だが、辺境で生産した水素を、首都圏まで持ってくるのには、多額の運搬コストがかかる。一般的には次のコスト差。

  送電 < ガス・パイプライン < 船舶で運輸

 最後の方法がご推奨だが、最もコストがかかる運搬方法だ。送電線を新設する方がはるかに安上がりだ。いったん設置すれば、あとはほとんど費用がかからない。船舶による運輸は、多額の運搬コストがかかる。

 ただし、津軽海峡を渡る送電網は、莫大な費用がかかるので、現実的ではない。この件は、前に別項で批判した。
  → https://x.gd/MyiGS

 現実解としての最適な方法は、たぶん、こうだ。
  ・ 風力発電は、北海道で発電した分は北海道内で消費する。運ぶのは送電線で。
  ・ 本州で消費する分は、本州で発電する。これも送電線で運ぶ。
  ・ 北海道と本州の間では、電力のやりとりをしない。分断する。電力安定性のためには、バックアップとしての[古いポンコツの]火力発電所を用意する。その方がはるかにコストは安く済む。(海底送電線は、効果が少ないわりに、超巨額がかかるので、無駄である。)
  ・ 水素の生産は、「再生エネ発電の総量が消費電力を上回って、電力を捨てるしかない」となった時点よりも後の話。つまり、2050年以後の話。それ以前では電力をそのまま消費すればいい。(その分、火力発電を減らせば、電力を蓄積したのと同じ効果が出る。)
Posted by 管理人 at 2023年04月07日 13:25
 いつも多彩な話題提供有難うございます。
産総研のHPによれば、ペロブスカイト太陽電池で達成できる最大効率は理論的に25%程度だそうです。
 一方、Wikiによれば日本付近の最大照射強度は約1kW/平米なので、仮に25%効率の場合で地上面積38万k平米をかけた場合、9.5E11Wの発電量になります。
 エネ庁のHPによれば、全国の2020年度電力需要は約1万TWhなので、時間平均では
1E4*1E12/3600=2.8E12
となり、需要が時間平均でも数倍多いようです。

 どこか計算間違っているでしょうか。或いはEEZに太陽光パネル筏を並べるという想定でしょうか。
 宜しくお願い致します。
Posted by 新道 at 2023年04月08日 06:51
> 需要が時間平均でも数倍多いようです。

 興味深い計算をありがとうございました。これは考えたことがなかった。
 だけど、大丈夫。理由は以下の通り。

 再生エネ全体でまかなえばいいので、太陽光発電に限る必要はない。たとえば、風力発電も使える。その電力を EV に蓄電すれば、夜間の発電量を昼間に使える。

 太陽電池はペロブスカイト太陽電池以外も使える。ペロブスカイト太陽電池は、従来は使いにくかった場所(窓や壁面や自動車ボディ)に設置するのに適しており、普通の場所にはシリコンでいい。

 太陽熱温水器を使えば効率が 60% になる。

 それでもまだ足りない分は、海外で太陽光発電で水素生産して、輸入すればいい。とはいえ、それは国内の再生エネ発電が上限に達したあとのことだ。2050年以後。そのころであれば、「海外からの水素輸入」が意義を持つ。そのころであれば、太陽光発電のコストは kWh あたり 1円ぐらいまで下がっていそうだ。水素生産もコスト的に成立するだろう。

 ──

 だけど、太陽光発電の発電量って、思ったより少ないんですね。九州ではすでに(一時的には)供給が需要を上回っている、というのは、どうなんだろう? 九州は人が少ない、ということで片付くのかな? 
 関西までは 60Hz で太陽光発電の電力でまかなえるが、関東はまかなえないのかもしれない。東北で太陽光発電の電力が余りそうな気もするが。

 ──

 参考のため、ネットで別の計算を探したところ、Wikipedia に記述があった。全国の面積をすべて利用するのでなく、可能な場所だけを利用した場合、需要の 10% をまかなえる計算だという。太陽光だけではそれが限界であるようだ。
  → https://x.gd/uV4Zs

 風力発電の方は 424GW という値が得られた。
  → https://looop-denki.com/home/denkinavi/energy/powergeneration/percentageofpowergeneration/
 ギガは E9 なので、0.424E12 となる。夜間の分を合わせて、1E12 ぐらいか。

 水力や太陽熱温水器を合わせて、再生エネ全体でようやくトントンとなるぐらいかな。これだと足りないので、原子力発電が必要かも……とも思ったが、別にその必要はない。海外からの水素輸入で足りる。

 世界レベルで見れば、太陽光発電の資源量は十分に足りている。
  → https://unit.aist.go.jp/rpd-envene/PV/ja/about_pv/e_source/esource_2.html
 太陽光発電で水素生産、という形で、将来的にはまかなえそうだ。30年ぐらい先の話になるが。

 もっと先なら、核融合発電という手もある。

 ──

 なお、電力をまかなうことより、ガスをまかなうことの方が大切なので、その意味では、水素生産の必要性はもっと早まりそうだ。
 上記では 2050年ごろを想定していたが、ガスをまかなうことを考えると、太陽光発電による水素生産(ガスがわり)は 2040年ごろには実現するかもしれない。
 都市ガスを、LNG 由来でなく、水素由来にすることは、必要性が高くなりそうだ。
 世間では、電気のことばかりを考えている人が多いが、ガスのことも忘れてはダメだね。

 参考記事:
 二酸化炭素と水素から都市ガスを生成 親炭素技術「メタネーション」とは
  → https://seikeidenron.jp/articles/19578

 とはいえ、石炭や石油に由来する高濃度の二酸化炭素を使うのでは、二酸化炭素を削減する効果はない。化石燃料を使用するからだ。
 空気中の二酸化炭素を利用できればいいが、あまりにも低濃度なので、これを固定する技術はない。次項を参照。

 結局、都市ガスの脱炭素化は、技術的に解決方法が見つかっていないようだ。都市ガスに少しだけ水素を混ぜて、お茶を濁す、というぐらいでしかない。水素の生産では解決が付きそうにない。
 水素を生産するとしたら、水素のまま利用するしかないようだ。となると、その方法は、燃料電池と、水素式の火力発電だろう。都市ガスを経由する方法は無理っぽい。
Posted by 管理人 at 2023年04月08日 09:18
辺境で生産した水素を首都圏に持っていくのはいくらなんでも無理筋でしょう。基本的には地産地消(2〜3県のくくり)が望ましいと思います。
太陽光とか風力とか変動の大きな発電所ばかりだと周波数維持ができませんから、電力網への受け入れ量は絞らざるを得ず、九電のような事態になるわけです。バックアップとして水素火力発電所でもあれば、即応性が高そうです。その意味で水力も大切ですよね。あとはレドックスフロー電池みたいなやつで、もっと安価で小型で効率の良いものでもできれば良いのですが。
Posted by けろ at 2023年04月08日 23:48
 電気を水素にしてまた電気に戻すと、多大なロスが生じます。それでも可能となるには、太陽光発電の発電コストが大幅に下がる必要があります。
 この条件を満たすには、たぶん 2050年(早くても 2040年)ごろまで待つ必要があるでしょう。それまでは、水素生産の出番はないでしょう。本項のコメント欄に書いたとおり。

> 電力網への受け入れ量は絞らざるを得ず、九電のような事態になる

 別に、電力が余ったからといって、困るわけではない。受け入れ停止をすればいいだけだ。
 ときどき余るようになるほど、過剰な太陽光発電を設置したとしても、コストがいくらか上がるという問題が生じるだけだから、別に問題ない。一方、水素生産をすると、「余る」問題はなくなるが、コストがべらぼうに上昇する。
 どうせ水素を利用するのなら、「水素で都市ガスを生産する」という方法(8日の項目)の方が賢明です。ただしその水素は、高コストな国内産ではなく、低コストな海外産になるでしょう。(国内での水素生産は高コストなので無理だ、ということ。)
Posted by 管理人 at 2023年04月09日 00:07
詳細なご回答ありがとうございます。

https://taiyou-denryoku-hikaku.com/column/yojyoudenryoku/
によれば、生産された電力は、高電圧側から低電圧側に自動的に流れるそうです。太陽光パネルでの発電が電力網の電圧より高い場合はいいのですが、需要が少なくて電力網の電圧が最大規定電圧(末端で107V)に達した場合、太陽光パネルで発生する電気エネルギーの行き場がなくなり、何らかの事故になると思われます。大規模な太陽光発電装置に対する蓄電装置がないとこのような事故の可能性が増えると考えられますが、どのような対策があるのでしょうか。蓄電池は非常に高価なので大規模な蓄電装置の設置は現状不可能に近いと思います。
 その辺の事情が分かりません。宜しくお願い致します。
Posted by 新道 at 2023年04月10日 05:37
 過電圧の場合にはアースに流すのが常識だと思うのですが。違うのかな? 知らないけど。
 洗濯機だって、アースは付いているんだが。
Posted by 管理人 at 2023年04月10日 10:13
> 過電圧の場合にはアースに流す
そんな、ご無体な……。
電力事業の根幹をぶっ飛ばすようなことをおっしゃらなくても。
Posted by けろ at 2023年04月10日 13:57
 調べてみたら、次の説明がありました。

> あまった電力を捨てるという方策が残ります。正式には出力抑制と呼ばれる方策です。もったいないですが、社会が負担するコストを考えればこれが一番安いということもあり得ます。

 https://blogs.itmedia.co.jp/serial/2011/07/post-5d04.html
Posted by 管理人 at 2023年04月10日 15:02
 ご回答ありがとうございます。

風力発電の場合は羽根を回転させないようにして発電を抑制しているようですが、太陽光発電では、太陽光を何らかの方法で遮らない限り、発電し続けるのではないでしょうか。そうであれば、発電した膨大な電気エネルギーをどのようにして安全に捨てることができるのかを知りたかったのですが。
 単に余った電気を地中に捨てるということは地中に膨大な電気エネルギーを送ることになり、火災や爆発などの原因になるのではないでしょうか。
 また、送電線側に捨てるとすると電力系統の電圧が異常に上がり、各家庭の電気設備が火を吹くことになるのではないでしょうか。
 かりに遮断できたとしても遮断できなかった範囲の電圧は更に上がり、爆発的な異常状態が発生するのではないでしょうか。
 このように膨大な電気エネルギーを安全に捨てることが可能なのかどうか。実際にはどのようなことが生じるのかを知りたいのですが。宜しくお願い致します。
Posted by 新道 at 2023年04月10日 17:32
 原理的に言えば、太陽光発電のパネルの出力側で、高い電圧をかければ、パネル側からの電流は流れなくなります。電流がゼロになるので、出力もゼロです。
 この場合、できた電力がどこかに捨てられるのではなく、パネルの内部で電子が流れなくなっている状態です。つまり、最初から出力がゼロになっている状態です。できた電力が捨てられるのではなく、電力ができなくなっている状態です。

 以上のような原理を想定した上で、ググってみたところ、「出力制御をする機器」をパネルに付けている、という現状が判明しました。
 → http://www.faq.energy-innovation.omron.co.jp/faq/show/7469?site_domain=default

 詳しい内容は不明ですが、たぶん、上記の原理によっているのだと思えます。
Posted by 管理人 at 2023年04月10日 18:26
電力が余っているときにはその程度に応じて「使ってくれたらカネを上げるよ」というマイナス料金にします。対象は地域熱供給事業者です。事業者はその電力でヒートポンプを動かして巨大な蓄熱槽を加熱しておきます。そして熱需要者(家庭や企業など)に熱を供給して稼ぎます。電力が余っていない時には、普通に料金を払って電力を買って蓄熱します。余剰電力は地中に放出なんかしないで、有効利用は可能です。
……という説明を、デンマーク大使館の日本人職員がかなり詳しく公開してくれています。
(ただし、水素云々とは関係なくなりますが)
Posted by けろ at 2023年04月10日 20:14
ちなみに、ある程度高温の「熱」を確保できれば、冷房のエネルギー源としても利用できるようになります。
Posted by けろ at 2023年04月10日 20:16
 早速のご回答ありがとうございます。

>太陽光発電のパネルの出力側で、高い電圧をかければ、パネル側からの電流は流れなくなります。

 10日の質問で示しましたが、電力系統は規定電圧が末端で107Vなので、供給側の端末の最大電圧はそれとバランスするように決まります。逆に言えば、太陽光パネルの出力側に通常の電圧以上に電圧をかけようとするとそれとバランスして各家庭の端末側も電圧が規定以上に上がり、家電製品など火を吹いてしまう可能性があります。
 仮に各家庭のブレーカーが働いた場合は、更に電力需要が減少しますので、電力系統のどこかに高電圧の個所が生じ、そこで大規模災害が発生することになるのではないでしょうか。このような時の電力網の実際の挙動を知りたいということです。
 どこにこのような異常な高電圧を防ぐためのエネルギーバッファ装置があるのかということになりそうです。
 地面にアースして局所的な発熱が生じても問題にならない程度の電力レベルならいいのですが、日本の殆どの電力を太陽電池で供給するのであれば、エネルギーレベルは局所的であってもかなりの大きさになり、大規模災害を発生するような気がします。
 お手数ですが、宜しくお願い致します。
Posted by 新道 at 2023年04月10日 20:50
 電力が流れないようにするのなら、その回路は遮断してしまえばいいんです。遮断するので、家庭側は影響されません。

 上のリンクの画像にもあるが、左側(太陽光パネル + 出力制御装置)を孤立させてしまえば、右側(電力網側)は影響を受けません。
 出力制御装置が 107V になっていれば、それでおしまい。
Posted by 管理人 at 2023年04月10日 21:00
太陽光パネル計算に間違いがあったそうで誠に申し訳ありませんでした。
また、ご指摘いただいた松本様有難うございます。
なお、太陽光パネルが高電圧を受け、発電を続けた場合にはパネル内部の電圧が高くなり、水力発電で水が規定以上に溜まり過ぎたダムと同様、パネルなどが大規模破損したり、地域がブラックアウトになるなどの、事故の可能性はありませんか。正確なところを教えていただけると有難いです。
Posted by 新道 at 2023年04月11日 07:46
 別に電圧は高くならないと思いますよ。出力制御器の側はせいぜい 120V までしか上がらないだろうし、太陽光パネルの側もそのくらいまでしか上がらないでしょう。
 あるいはダイオードで電流を流さないという手もある。
 ダムならば雨水が空から降ってどんどん水が増えていくが、太陽光パネルならば空から降るのは光だけであって、電子が降ってくるわけじゃない。内部に溜まる電子が増えるわけではない。単に電子の産出がなくなるだけです。

 なお、以上は推定です。正確なところは、私も知りません。業界人じゃないので。
 ネットでも情報は見つからないので、業界の人に聞くしかないのかも。
 
 ──

 BingAI に質問したら、ちょっとよい回答を得ました。

Q 太陽光パネルで出力制御の仕組みは?

A 太陽光パネルの出力制御には、パワーコンディショナ(PCS)が使われます。PCSにおける「出力制御」とは、電力出力(供給)の一時的な停止、もしくは抑制を行うことを意味します。太陽光発電でたくさんの電気が発電できる時に、なぜ電力の出力を抑制しなければならないのでしょうか?ここでは、太陽光発電における出力制御について解説しています。
 → 参考:https://www.daihen.co.jp/technologygeeks/cat01/cat01_02/229/  ★


Q パワーコンディショナーの出力制御の原理は?

 上についての回答は、先の回答と同様の情報しか得られませんでした。詳しい原理を教えてくれるサイトはないようだ。単にパワーコンディショナーという機械があると教えてくれるだけだ。

 そこで次の質問をしてみた。

Q パワーコンディショナーを解説する図は?

A  http://hatsudenkakaku.info/entry60.html

 これでようやく回答を得た。
 BingAI 、すごく優秀だね。質問しだいで、うまく回答してくれる。
Posted by 管理人 at 2023年04月11日 10:12
 ひとつ前のコメントで、 ★ の箇所のリンクを間違えていたので、修正しました。

 
 なお、BingAI で同じ質問をしたら、今度は別の回答になっていました。
 そういうことは、しばしばある。同じ質問でも、回答が一定しないようだ。
Posted by 管理人 at 2023年04月16日 09:37
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