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太陽光発電の発電コストは、火力発電よりも高い。そこで、太陽光発電のための補助金をまかなうために、電気代に上乗せさせるのが、「再エネ賦課金」だ。政府の財源でまかなうべきところを、電力消費者に転嫁する、というひどい政策だ。
ただし、その額が、このたび減少することになった。額がほぼ半減となる。
再エネ賦課金が下がる仕組み
再生可能エネルギーを広げるために電気料金に上乗せされる賦課金(再エネ賦課金)が今年度、初めて下がることになった。天然ガスや石炭などの燃料を輸入に頼る火力発電の燃料費が高騰する一方、燃料費がかからない太陽光、風力などのコストが相対的に安くなった形。
今年度から家庭が負担する賦課金は1キロワット時あたり 1.40円と 22年度の 3.45円から半額以下になる。
( → 再エネ、燃料高騰下で強み コスト相対的に安く 賦課金減額:朝日新聞 )
だが、この記事のグラフを見ると、疑問が生じる。
「太陽光や風力の買い取り価格は、電力の市場価格よりも安い。ならば、補助金を出す必要もなくなる。再エネ賦課金は、額を半減させるどころか、むしろマイナスにしてもいいのでは?」
これは謎だ。
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そこで、この謎に答えよう。それは……
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そのわけは:
太陽光の買い取り価格が安いのは、メガソーラーだけだからだ。一方、家庭用の太陽光の買い取り価格は、とても高い。ここに多額の補助金がつぎこまれる。だから、再エネ賦課金をいっぱい取られるハメになるのだ。
※ 朝日新聞の記事は、その違いに言及していないから、読者は戸惑う。
記事では識者がこう論じている。
米ローレンス・バークリー国立研究所の白石賢司研究員(エネルギー政策学)は「化石燃料の高騰がすぐに解消されるとは考えにくい。物価高対策での当面の電気代補助は必要最小限に抑え、再エネや省エネの投資を加速するべきだ」と指摘する。
( → 再エネ、燃料高騰下で強み コスト相対的に安く 賦課金減額:朝日新聞 )
これは考えが甘い。「再エネや省エネの投資を加速するべきだ」というが、高コストのものをいくら推進しても、かえって高コストになるだけだ。特に、東京島の推進する「個人住宅の屋根に太陽光パネルを義務づける」というのは、高コスト化がいっそう推進されるので、愚の骨頂だ。ここでは「太陽発電を推進しない」ということの方が有効なのだ。かわりに、「低コストのメガソーラーを推進する」ということが有効となる。
だから、政府や東京都は、個人住宅の屋根上でなく、メガソーラーを推進すればいい。ところが政府は逆に、メガソーラーを禁止している。やるべきことが本末転倒だ。この件は、前に詳しく述べたとおり。
→ 太陽光パネルの設置禁止 : Open ブログ
[ 付記1 ]
現状では政府が馬鹿みたいに高額の補助金を提供している。だから、各人としては、自宅に太陽光パネルを設置する方がお得だ、と言える。政府がアホなことをして金をばらまくのなら、その金をもらう方がお得であり、その金を負担する方が損である。
特に、昨今のように、電気代が高騰している状況では、「太陽光パネルを屋根に設置した方がお得である」と言えるだろう。新築住宅ならば、間違いなく、太陽光パネルを設置した方がいい。
ただし、国全体としては、そんなことをするのは馬鹿げている。むしろ、メガソーラーを設置した方がいい。それならば、金は1円もかけずに、大量の太陽光発電が可能となる。また、金は1円もかけずに済むので、再エネ賦課金もゼロにすることができる。(風力も市場価格よりは安い上がりだ。)
※ 現実には、政府は「メガソーラー禁止」の方針なので、実現できずにいるが。
[ 付記2 ]
なお、個人住宅で最善の方法は、太陽光パネルの設置ではなく、太陽熱温水器だ。これならば、ガス給湯器やエコキュートもなしに、大量の湯を沸かすことができる。コスパは最強だと言える。(ネット上でもコスト計算をした記事がいくつも見つかる。)
太陽熱温水器ならば、コストもずっと低いので、補助金の額も低くて済む。どうせなら、こっちに補助金を出す方がいいだろう。
[ 付記3 ]
個人住宅用であれば、「ペロブスカイト太陽電池」の実用化が視野に入っている。2025年の実用化(量産)が予定されているようだ。
→ ペロブスカイト太陽電池 実用化への道!薄くて軽くて雨でも発電!? - サイエンスZERO - NHK

これは低コストで設置できそうなので、個人住宅にも向いている。今の時点でやたらと大量のシリコン型の太陽光パネルを設置しても、かえって高コストで無駄になりかねない。やたらと多額の補助金を出して、その分、電力消費者から金を奪うよりは、ペロブスカイト太陽電池の実用化を待って、今は何もしないでおく方がよさそうだ。
( ※ メガソーラーならば推進してもいいが。とはいえ、政府はそれができない。)
家庭用、産業用ともに今の買取価格は既に電気を購入する金額よりも大幅に安いので自家消費メインです。現在の為替や天然ガス、石炭の価格を鑑みると、今後も再エネ賦課金は下がる傾向にあると思います。
それはすでに利益をもらい終えた人の話。たっぷりともらったのだから、その後はもらえなくても当然だ。永続的に金をもらえるはずがない。もらえると思うのは虫がよすぎる。
本項で言っているのは、10年間も金をもらい続けるのは不当だ、という話。この金を全廃すれば、一般消費者の負担はゼロで済む。
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ググると、次の数字が出ます。
> 2023年度の太陽光発電の売電価格は、容量が10kW未満で16円/kWhです。
https://www.enegaeru.com/2023pvfit/
出典は
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html
この金は高すぎる。メガソーラーに一本化すれば、9.5円で購入できる。一般消費者の負担はゼロどころか、マイナスになるだろう。金を払うどころか、金をもらえる。
東京電力で従来電灯で300kWh以上購入の料金だと30.67円/kWhです。
なので、最近太陽光発電を導入する人は売電メインでは無く自家消費メインで、売電した際に使用される再エネ賦課金も対した額では無いです。
再エネ賦課金の行き先の大多数がFIT制度が出来た時の産業用で、当時産業用は2012年に40円+税・20年の買取価格です。
今は10円なので、10円で売っては利益が出ないので自家消費がメインで再エネ賦課金の対象外です。
再エネ賦課金の行き先の大部分は、民主党政権時代に孫さんに騙されて始まった固定価格買い取り制度で、特に産業用での高い金額でまだ10年程固定価格買い取り期間が残っているのです。
いま始める分には対して再エネ賦課金のお世話にはならず、菅直人の時代に再エネに群がった業者に払い続けるという図式です。
どっちみち、メガソーラーで 9.5円で買えるのだから、これを基準価格とするべきだ。これよりは 16円は高い。
そもそも太陽光発電は、不安定電力であり、電力の安定性がなくて、必ずバックアップ電力を必要とする。そのバックアップのコスト代も負担してもらわないと、電力会社は採算に乗らない。
都合のいいときだけつまみ食いしたい、というような勝手な発電には、低価格が付くのが当然だ。火力発電のコストが 15円だとして、原子力には 11円、太陽光発電には 8円ぐらいが妥当だろう。このくらいまで下がらないと、採算には乗らない。だからその分、消費者から賦課金を徴収するしかない。消費者は黙って金を余分に払え。むしり取られろ。文句を言うな。……というわけだ。(私は文句を言うが。)