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トヨタの前社長の豊田章男(3月31日に退任)が、「ありがとうと言ってもらえない」と不平を垂らしている。
「ここ日本では、私たちに対して『ありがとう』の言葉が聞こえてくることはほとんどありません」
「昨年海外に行って強く感じたことは事実です。それは自動車産業への感謝でした。海外では自動車産業がその地域の成長に貢献していることに、ものすごく感謝されます。これからも頼みますといわれれば、本当にうれしくなります。しかし、日本でこうした思いになれたことはありません」
トヨタグループ創始者、豊田佐吉の考え方を明文化した豊田綱領には、「産業報国の実を挙ぐべし」とある。自動車で日本の人々を豊かにすることを目指し、利益のためだけでなく、雇用を生み、税金を納めることが「お国のため」になるとの考え方だ。
こうした理念の実践に努めているはずなのに、批判にさらされるのはなぜか――。トヨタ社内の複数の関係者は、豊田氏がそんな思いを抱えていたとみる。
( → 日本では「ありがとう」が聞こえない 交代のトヨタ社長、積年の思い:朝日新聞 )
まったく、情けないね。老害の見本だと言える。このまま留任していたら、とんでもないボケ老人だが、辞任したことだけは、判断を誤らなかったようだ。……といっても、自分で自発的に辞任したのではなく、年上の会長が勇退することで、後任に豊田章男を据えようとしたことが理由だ。要するに、豊田章男が自発的にやめようとしないので、豊田章男に引導を渡すために、会長が率先して辞めたようだ。(会長に言われなければ、辞めないつもりだったのだろう。やっぱり老害かな。)
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豊田章男の考え方のどこが老害か? それは、豊田佐吉の考え方と対比すればはっきりする。
豊田佐吉は、「お国のために奉仕する」というものであって、利己主義とは正反対だ。自分の金儲けのためにやっているのではなく、日本という国全体を発展させようとした。(渋沢栄一に似ている。)
豊田章男は正反対だ。やっていること自体は、トヨタ自動車を発展させるという点で共通しているが、その目的は、まったく違う。豊田佐吉が働いたのは日本のためだったが、豊田章男が働いたのは自分のためだ。もともと自分が第一だから、「自分が働いたことで、他人が豊かになったなら、他人は自分に感謝しろ」と要求する。自分が他人のために働こうとするのではなく、他人が自分に頭を下げろと要求する。呆れるね。どこまで傲慢になれるんだか。
「労働者は雇ってもらえるのだから、雇ってくれる経営者に頭を下げろ」
という発想であるようだが、そういうのは時代錯誤に過ぎる。むしろ経営者こそ、労働者に感謝するべきだろう。
「これほどの利益を会社が得たのは、労働者がしっかり働いて、しかも、まともに給料を受け取らなかったおかげです。労働者が低い賃金を我慢してくれたおかげで、会社には莫大な利益が貯まったんです。労働者の皆さん、低い賃金を受け入れてくれて、ありがとう」
と。
もうちょっと正確に言えば、全トヨタ労連のトップが会社と癒着して、低賃金を受け入れて、その低賃金を労働者に強要してくれたおかげで、会社にはたっぷりと利益が貯まったのだ。その意味で、会社と癒着した労組幹部にこそ、大いに感謝するべきだろう。(ついでに、骨抜きにされた労働者にも、感謝するべきだろう。)
だいたい、労働者を搾取して、莫大な富を得ておきながら、金だけでは物足りなくて、「ありがとう」という言葉まで要求するとは、どこまで強欲で尊大であることやら。呆れてものが言えんわ。
人間、年を取ると、ここまでダメになるという見本だね。
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豊田章男は、これまでの経営では、実に見事だった。前項でも記したように、国内のシェアは圧倒的だ。また、世界シェアでも立派だ。それというのも、部品供給元の分散と安定化に努めたことで、十分な生産台数を確保できているからだ。この点は、実にたいしたものだ。(コストカット一辺倒の日産とは違う。)
ここで辞任しておけば、豊田章男は「名経営者」としての声望とともに惜しまれただろう。なのに、最後には「アンチ EV 」にとらわれて EV 化の波に大きく乗り遅れた。さらには、「ありがとう」という言葉を要求する。晩節を汚したと言えるだろう。
[ 付記1 ]
「外国では感謝してくれたのに」と豊田章男は愚痴をもらすが、それは外国と日本との差じゃない。外国は新規進出したから、進出先から感謝される。日本では新規進出したのは福島ぐらいであって、他のほとんどは従前からあるだけだ。だったら、いちいち感謝なんかしないのが同然だ。どこの工場だって、地元とは共存共栄でやっているだけだ。「ともに仲良し」ということはあるが、一方が他方に感謝するというようなことはない。「地元民は当社に感謝しています」なんていう会社があるはずがない。ただし「感謝してもらえないのが困る」なんていう愚痴をもらす経営者はいない。そんな愚痴をもらすのは、老害の豊田章男だけだ。
[ 付記2 ]
後継社長の佐藤恒治は、豊田章男とは違って、EV に注力するそうだ。
豊田体制の「継承と進化」を掲げる佐藤氏だが、2月の記者会見では「EVファーストの発想で事業のあり方を大きく変えていく」と断言した。
豊田章男の配下では、「水素自動車の研究をしろ」と言われて、(ケツをまくりもしないで)素直にハイハイと従っていた佐藤恒治だが、馬鹿な文系社長の命令だけを聞いていて、腹の内では「こんな馬鹿な研究を何でおれがしなくちゃならないんだ。まるで蒸気機関の研究をするようなものだ。馬鹿馬鹿しい」と思っていたのだろう。そこで、社長になるとなったら、さっそく「EVファーストの発想で事業のあり方を大きく変えていく」と明言したのだろう。
まあ、さすがに理系だけあって、豊田章男ほどの馬鹿じゃないということか。
※ 早稲田大学理工学部機械工学科ということなので、あんまり頭はよさそうではないが、文系の日産社長よりはマシだろう。(内田 誠は 同志社大学神学部卒)
[ 付記3 ]
豊田章男は「トヨタの労働者は低賃金じゃないぞ。日本でもトップクラスの賃金を払っているぞ」と釈明しそうだ。だが、これは間違いだ。
賃金が高いか否かは、業界他社との比較で決まるのではない。会社の利益率との比較(労働分配率)で決まる。トヨタは巨額の利益を上げているのだから、労働者にもその利益を配分するべきなのだが、トヨタは労働分配率が極端に低い。利益の大部分を会社の内部留保にして、労働者に還元しない。これつまり「低賃金」ということだ。「他人と比較して低賃金」なのではなく、「仕事内容に対して低賃金」ということだ。
「いや、トヨタの業績が改善したのは、経営者のおかげだぞ」と思うかもしれないが、とんでもない。トヨタの利益を生み出したのは、カイゼンのおかげだ。カイゼンは労働者が必死に莫大な工夫をなしたからこそ、なし遂げられたことだ。労働者の努力を忘れるべからず。「カイゼンは当社の経営能力のたまものです」なんて思うとしたら、カイゼンの意味をまったく理解できていない。そんな阿呆はクビにされてもいい。……その意味では、豊田章男がクビになっても当然だろうね。
次の人については、学科まで同じ私がいうのもなんですが、私よりは頭の程度はマシだと思いますよ。
名前は誰だっけ? と思って、BingAI に質問したら、見当違いの回答ばかりでしてくる。仕方がないので「日産自動車の歴代社長は?」と聞いて、データを出力させようとしたら、嘘八百の一覧データを出してくる。とんだ嘘つきだ。
そこで Google に戻って、Wikipedia で一覧データを見たら、「久米豊」だとわかった。あと、辻という人もいる。他にも東大経済学部の人もいる。
https://x.gd/AhpWd
最近の日産が落ち目なのは、東大卒の人が減ってきたからかな? 20世紀のころには東大卒がわんさといたんだが。今では東大卒の就職希望ランキングでもかなり落ちてしまった。
銀行や役所などはとうなのか分かりませんが、製造業において学歴で役員の能力を評価するのは間違っています。必要なの学歴ではなく、いかに会社を儲けさせるかと言う能力に尽きます。自動車会社の場合は、東大卒を出世させている会社としては、日産、三菱、いすゞがありますが、どれもぱっとしません。一方で、本田技研や鈴木などは会社の業績を著しく向上させたのは、私立大学や高校卒業です。製造業においては、学歴はあまり意味をなさないことが多いと考えます。