──
下記記事がある。
米実業家イーロン・マスク氏や人工知能(AI)専門家、業界幹部らは公開書簡で、AIシステムの開発を6カ月間停止するよう呼びかけた。社会にリスクをもたらす可能性があるとして、まずは安全性に関する共通規範を確立する必要があると訴えた。
( → マスク氏ら、AI開発の一時停止訴え 「社会にリスク」 | ロイター )
言っていることはわからなくもないが、こんなことを実行したとしたら、中国だけが開発の手を止めずに先行して、世界の各国は中国に大きく負けてしまう……という結果になるだけだろう。「中国による世界支配」が起こるだけだ。
そう思っていたら、同様の見解が見つかった。朝日の記事にある。
オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は29日のツイートで、「良い汎用AIの未来のために必要なこと」として、実効性のある世界的な規制の枠組みなどが必要だと指摘。
──
サム・アルトマン氏:
民主的な統治を含めた、実効性のある世界的な規制の枠組みが必要だ
( → マスク氏ら1000人超「AI開発、半年停止を」 「人類に深刻なリスク」 公開書簡:朝日新聞 )
最後の一文が重要だ。これはつまり、「民主的でない国(中国)が、西側社会の枠組みの外で、規制されずにやってしまっては、骨抜きになるだろ」という意味だ。
つまり、オープンAIのCEOは、「中国が対象外では意味がないよ」と指摘しているわけだ。はっきりとは口に出さないが、言外の意で、そういう主張をしているわけだ。
ここのところ、朝日新聞の記事ではちゃんと明示されていないので、私が解説したわけだ。
とにかく、ここが本質なので、きちんと理解しておくことが必要だ。
それにしても、マスクや他の人が見当違いなことを言っている中で、オープンAIのCEOだけは、ちゃんと問題の核心を見抜いているね。その意味で、この件で理解しているのは、彼と私の二人だけだ、と言えそうだ。
マスク? もちろん、ダメですね。ツイッター以来、トンチンカンなことばかりやっている。若年性痴呆かも。