──
魚の調理法では、コツがある。それは「水分を減らす」ということだ。
このことは魚の調理の鉄則だと言ってもいい。魚はもともと水中にいて、体が水でふやけている。そのまま食べると、水っぽい。うまくない。そこで、なるべく水分を減らすのが、魚をおいしく食べるコツだ。
(1) 焼き魚
焼き魚は基本だ。焼くだけで、自動的に水分が抜けていく。鉄板で焼いてもいいし、野外では串刺しにして焼いてもいい。お手軽だし、焼くだけでおいしくなる。味付けも、塩や醤油だけでも足りる。(もっと工夫を凝らしてもいいが。)
(2) 煮魚
煮魚は注意を要する。そのまま煮ると、水分が抜けない。「水分を抜く」という鉄則が崩れる。また、煮汁が多いと、魚のうまみが汁の方に移ってしまう。身がおいしくなくなり、汁ばかりがおいしくなる。これでは本末転倒だ。
そこで、煮魚を作るときは、次のようにする。
・ 汁は少なめにする。
・ 少ない汁をスプーンですくって、魚の上からかける。
これだと、「煮る」というよりは、「煮汁をかける」という感じだが、とにかく、こうすると、魚のうまみが外に逃げない。最後は煮汁といっしょに魚を全部食べてしまう。煮汁が残らないように、煮汁を少なめにすることが大事だ。
(3) 照り焼き
上の方法を徹底的に追い込むのが、照り焼きだ。「煮汁が最小である煮魚」と言ってもいいくらいだ。ただし、それだけではない。
照り焼きで大事なのは、「煮る前に焼く」ということだ。その意味で、照り焼きは、「前半が焼き魚で、後半が煮魚」という折衷料理だと言える。
だが、これは「魚の水分を抜く」という方法では、最善だ。しかも、味付けの仕方は、焼き魚と違うので、焼き魚の単調さを脱することができる。なかなか頭のいい調理法だ。理屈で考えると、考えた人は頭がいいね。

なお、照り焼きを作るときは、汁(タレ)の量をなるべく減らすことが大事だ。さもないと、煮魚になってしまう。その意味で、みりんを多く付けるべきではない。みりんよりは、砂糖を使ってもいい。とにかく、汁(タレ)の量を少なめにすることが大事だ。煮るよりは焼く感じにするのがいい。
(4) ムニエル
小麦粉を付けてバター焼きにすると、ムニエルができる。バジルなどの香草をかけることで、フランス料理の美味しさが出てくる。いかにも高級感がある。これもまた、「水気を抜く」という効果がある。
先に別項で推奨したことがある。
→ 魚介類はムニエルがおいしい: Open ブログ
(5) フライ
魚をフライにすると、水気を抜く効果があるのだが、この料理は、お手軽すぎる感じだ。スーパーなどでも、白身魚のフライをよく売っている。味は平凡だし、特においしくもない。食べ飽きた感じだ。いかにも庶民的。あまりお薦めできない。
──
なお、魚料理全般に言えることだが、魚には魚臭さがあるので、これを取るには、レモンを使うといいだろう。ポッカレモンというやつだ。
https://amzn.to/42uC77r
他に、大葉の栽培という手もある。次項を参照。
→ 青じそ 栽培(鉢植え): Open ブログ
[ 付記 ]
「水分を減らすといい」というのは、刺身についても成立する。
刺身は、小さく切ったものでなく、サクで買うといい。長方形になった大きなかたまりに、塩を振って、しばらく置いて、水分を取る。最後にキッチンペーパーで拭く。これで、ぬめりを取る。すると、雑味が取れて、味がよくなる。
水洗いしてもいいのだが、水洗いすると、水気を吸って水っぽくなるのが難だ。そのあとで塩をかけてから紙で拭くのも一案だが。
鮭のフライは美味しかったです。
https://tsukijiichiba.shokubunka.co.jp/blog/stuff/北海道の雄★佐藤水産の秋鮭フライ初登場!オン/
料理は並行作業が原則なので、魚を煮ている間には、野菜料理を調理します。サラダの野菜を切ったり、野菜を茹でたり。