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「3カ月後にはワクチンの効果が弱まるので、3カ月後にワクチンを再接種する」(それまでは再接種しない)
というのが、政府の方針だった。
ところが、新たな研究(京都大学)によると、特に高齢者では、3カ月後にはワクチンの効果がほとんどなくなってしまうので、3カ月ではもはや手遅れになるようだ。つまり、前回接種から2カ月ぐらいで再接種しないと、感染しがちになるようだ。
グループが注目したのは、他の免疫細胞に働きかけて抗体作りなどを促す「ヘルパーT細胞」。ワクチン接種で、新型コロナのたんぱく質に反応するものが増える。成人は1回の接種で増え、2回目も同程度を保ち、3カ月後に減少。免疫の働きを活性化するアクセルが速やかにかかり、ゆっくり「減速」する傾向がみられた。
高齢者のヘルパーT細胞の増え方は、1回の接種後は成人に比べて低く、2回で成人と同程度になるが、3カ月後には成人より低くなった。
( → お年寄り、コロナ抗体増えにくく ワクチン接種後、遅い免疫反応立ち上がり 京大グループ解析:朝日新聞 )
高齢者ではかなり多くの死者が出ているのだから、この冬のうちには、前回接種から2カ月後にワクチンを再接種できるようにするべきだ。
そもそも現在、オミクロン株のワクチンの接種者が少ないので、オミクロン株のワクチンは大量に余っている。これを無駄に捨ててしまうぐらいなら、2カ月後の接種を推進するべきだろう。
これと似た話は、前にも記した。
政府は「オミクロン対応ワクチンの接種を禁止する」という馬鹿げた方針をやめるべきだ。
政府は「 BA.4-5 系統対応のワクチンを接種することを禁じている」という状況がある。嘘みたいだが、本当だ。それは、次のことによる。
「 BA.4-5 系統対応のワクチンを接種できるのは、前回のワクチン接種から3カ月以上を経過した人に限られる。3カ月未満である人は、接種禁止」
こういう形で、政府は「 BA.4-5 系統対応のワクチンを接種することを禁じている」という状況がある。
では、どうすればいいか? 「前回のワクチン接種から3カ月以上を経過した」という条件を外せばいい。そうすれば、2022年10月以前にワクチンを接種した人は、2023年1月以降には「 BA.4-5 系統対応のワクチンを接種することができる」というふうになる。
現状はどうか? 「3カ月以上を経過」という条件を満たさないので、 BA.4-5 系統対応のワクチンを接種してもらえない。そのせいで、 BA.4-5 系統のコロナウイルスに感染して、次々と高齢者が死んでいく。高齢者が「ワクチンがほしい、ワクチンがほしい」といくら訴えても、政府は「駄目だ、駄目だ」と言って、ワクチンの接種を禁じる。
そして、余った大量のワクチンを、政府はどうするか? 「使用期限切れです」と言って、大量に廃棄するのだ。
( → コロナ死者急増と政府の無策 )
この話を記したのは、2022年12月31日だった。
その後、2023年1月13日になって、冒頭の記事(京都大学の研究報告)が出た。ここでは、「3カ月後では遅すぎる。特に高齢者では」と、はっきりと判明したのだ。
私の指摘したことが、学術的にはっきりと裏付けられた、と言えるだろう。政府は無為無策によってオミクロン株のワクチンを大量廃棄するのをやめて、高齢者に「2カ月後の接種」を推進するべきだ。
【 関連サイト 】
特に本項と関連するわけではないのだが、オミクロン株対応ワクチンの話が、下記にある。
→ オミクロン株対応ワクチンの接種開始から4ヶ月 明らかになってきた有効性と安全性(忽那賢志)
接種の度に副反応に翻弄された(苦しめられた)私からすれば、短いスパンで何度も接種していって大丈夫なのか?と思ってしまいます。
人それぞれで、メリットとデメリットを勘案すればいい。自分で決めていい。政府が強制するわけではない。