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プチプチや発泡スチロールは、どちらも燃えやすいので、火事になりやすい。普通の内窓(ガラス製)とは違って、可燃物には危険性がある。

もっとも、たいていの部屋には、紙やプラスチックや布など、大量の可燃物があるので、プチプチや発泡スチロールだけを気にしても仕方ない……という面はある。
だが、それでも可燃性の問題には、何らかの対処しておくに越したことはない。そこで、対処の方法をいくつか提案しておこう。
(1) 厚手のカーテン
厚手のカーテンを設置するといい。生地が厚手であれば、容易には燃えない。火花やマッチぐらいの火気ならば、防げるだろう。それ以上の強い火気にまで対応したければ、難燃性の生地のカーテンにしてもいい。
だが、そもそも、室内には火気を入れないのが原則だ。暖房はエアコンまたは FF式の暖房機にすれば、火気はない。ただのガス暖房機(FF式でないもの)でも、火気はない。
灯油ストーブだと、火気の心配があるが、灯油ストーブを使うのは、北海道の人ぐらいだろう。関東以南では、灯油ストーブを使う家庭はほとんどあるまい。
というわけで、火の気の心配がないから、厚手のカーテンを設置するぐらいで、可燃性の問題は避けられる。
なお、レースのカーテンには、可燃性の問題がある。少なくとも冬には、レースのカーテンを外して、厚手の生地のカーテンにするべきだろう。「可燃性の危険を避ける」といことのほかに、「保温性が良くなる」という効果も生じる。夏ならともかく、冬ならそうするべきだ。
(2) 不燃布
より本格的なものでは、「不燃布」というものもある。材質は、有機物を含まない無機物であることが多い。シリコンや金属を素材としたものが多い。金属だと、熱伝導率が高いという問題も生じる。
こういうのは、本格的な不燃物なので、火の気のある場所に使うのに適している。台所などだ。
一方、普通の部屋に使うには、使いにくさもある。(熱伝導率の問題など。デザインが良くないという問題もある。曲げなどの加工性が悪いという問題もある。カーテンには適さない。)
最大の難点は、価格が高すぎることだ。1メートル幅で、長さ1メートルごとに3000円以上になるのが普通だ。また、購入も面倒だ。Amazon では(屋外炊事用などの)小サイズの不燃布は売っているが、大型のものは売っていない。こんなものを買う人はろくにいないからだろう。
どちらかというと、簡易版の薄い防炎シートならば使える。値段も安価だ。
→ 防炎シート 白色 モノタロウ 防炎シート 【通販モノタロウ】
ポリエステル基布に塩ビコーティング加工。
防炎シートは小さな火源に接しても容易に燃え上がらず、もし着火しても際限なく燃え広がりません。
ある程度の防火性はあるが、火事にはなりにくい、という程度だ。火の気のない部屋であれば、これでも十分だろう。
なお、これを設置する場合には、工夫を要する。次のようにするとよさそうだ。
「窓枠の上下に、棒状の板を設置して、それで布を押さえる。上下の板の間には、柱としての突っ張り棒を立てる」
もっとお手軽なのは、画鋲で留めることだ。だが、画鋲で留めると、毎年毎年、冬の前と後に画鋲を留めたり外したりすることになる。それを何十年もやるうちに、窓枠の材質が、画鋲の穴で穴だらけになりかねない。アバタだらけ、という感じだ。それはまずい。
この方法を使うと、防炎シートの分だけでも、いくらか保温効果が生じる。プチプチの1層分ぐらいの効果はありそうだ。
なお、色は白で限定なので、デザイン的には見栄えが良くない。同時にカーテンの設置が必要になりそうだ。だったら最初から何年生地のカーテンでも買った方がよさそうだ。
こんな面倒なことをあれこれとやるよりは、「厚手のカーテン」の方がマシだ、という気がする。
(3) アクリル板など
固いアクリル板(厚さ 2〜3mm)を設置する、という案もある。加工がちょっと面倒だが。(簡単には切れない。カット済みのものを注文する。mm 単位で。)
ただし、アクリル板は燃えやすい。燃えにくさを考えると、ポリカーボネートか、ポリ塩化ビニルがいいようだ。
アクリル 燃えやすい
ポリカーボネート 燃えるが、自己消火性あり
ポリ塩化ビニル 燃えにくい
( → 一覧 )
アクリル板は、燃えやすいが、価格はやや安めだ。(8,500円程度)
ポリカーボネート板は、自己消火性があるが、価格はやや高めだ。(10,000円程度)
ポリ塩化ビニル板は、燃えにくいが、固さが不十分なので、断熱性が弱い。火を浴びせると、その向こうにあるプチプチが燃えてしまうかもしれない。お薦めしない。
アクリルやポリカーボネートの板を使うと、プチプチの「透明な厚い壁」を外側から押さえる効果はある。だが、コストはかなり高くなる。こんなものに1万円程度をかけるくらいなら、補助金をもらって、ガラス製の内窓を付ける方がマシだ、とも言えそうだ。(とはいえ、ガラス製の内窓だと、何万円もの金がかかるので、金銭的には大幅増だ。)
( ※ 詳しくは次項。)
[ 付記 ]
出火という点では、古いリチウム電池が出荷する、という危険性もある。
だが、この点を心配するなら、古いリチウム電池をもつスマホを、可燃物のそばには置かない、という工夫の方が大切だ。
また、古くて使わなくなったスマホは、電池の蓄電量をなるべく空っぽにしておくと、安全度は高まる。なぜなら、リチウム電池が出荷するのは、「短絡したあとで大電流が流れて過熱する」ということの結果だからだ。もともと残余の蓄電量が少なければ、短絡しても、すぐに電池がなくなるので、過熱する危険は少ない。
※ 残余の電池量が少ないまま、放っておくと、リチウム電池が壊れる危険がある。だが、そういう壊れ方をしたときには、出火はしないので、火事の心配はしなくていい。単に電池が壊れるだけだ。