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室温 10度以下は危険
「寒さは危険だ」という話がある。特に、室温が 10度以下になると、健康を損ねるので、危険だという。「10度ぐらいはへっちゃらさ」と思う人が多いが、これより寒いと、命に関わるそうだ。
「それほど寒そうには聞こえないけれども、生理学的には、本当に体に負担になっている」のだと、英サウスウェールズ大学のデミアン・ベイリー教授は話す。
10度というのは心臓と肺と脳に、多大な影響を及ぼす。
「脳への血流が減るので、脳に入る酸素や糖の量が減る。その結果、脳の知的活動に悪影響が出る」
私の心臓はいつもより速く脈打ち、温かい血液を体のあちこちにいつもより勢いよく送り込んでいる。血圧も急上昇している。
「血圧の急上昇は、脳梗塞(のうこうそく)を引き起こすリスク要因だし、心臓発作のリスク要因でもある」と、ベイリー教授は言う。
血液そのものも変化している。「まるで糖蜜のように」なるのだと教授は言う。そして、いつもより粘度の高い、べたついた血液が、危険な血栓を作るリスクも高まる。
だからこそ、冬には心臓発作や脳卒中が増えるのだ。
( → 部屋が寒すぎる……すると人体はどうなるのか - BBCニュース )
この記事では、「室温は 18度以上にするべきだ」とも(ついでに)記している。
室温 18度以上にするべき
次の記事では、「室温は 18度以上にするべきだ」とはっきり示されている。
18度は、世界保健機関(WHO)が推奨する冬の最低室温だ。WHOは18年11月、「住宅と健康ガイドライン」を発表。寒冷な季節に、人々の健康を守るための安全でバランスのとれた最低室温として18度を強く勧告した。
研究チームは、住人約2900人の朝晩の血圧も調べた。一般に、家庭で測る血圧(家庭血圧)は医療機関で測るより低めとされる。調査の結果、室内の温度が低いと血圧は高くなることがわかった。また、心臓が収縮したときの収縮期血圧(最高血圧)は、朝の室内温度の変化に影響を受けやすく、特に高齢者や女性では、室温の低下によって血圧が上昇する傾向が強いこともわかった。
一方、断熱改修をすると、特に朝の最高血圧は 3.1ミリHg有意に下がった。
「全国的データで、断熱改修で部屋が暖かくなれば最高血圧が下がることや、室温が下がればどれだけ朝の血圧が上昇するかなどがわかった意義は大きい」
通院している高血圧患者や高齢者、喫煙者など、リスクが高い人ほど断熱改修で朝の最高血圧が下がりやすいこともわかってきたという。
自治医大の調査などで、循環器疾患の大きな発作は朝に起こりやすいこと、朝や夜の家庭血圧は薬だけで下げるのは難しいことがすでに判明している。「朝の血圧が下がることで、脳卒中や心筋梗塞、心不全の発作のリスクは確実に減ると推測される。高齢者は暖かく暮らすこと、特に朝起きて暖かい部屋で過ごすことが非常に重要になってくる」
( → 寒い日本の家は「静かなる殺し屋」招く? WHO「冬は最低18度」:朝日新聞 )
※ 引用部は一部抜粋なので、詳しくは元記事を参照。
私の評価
上の二つの記事では、ほぼ同様のことが示されている。
人々は 10度以下の気温でも耐えられるので、「少しぐらい寒くても平気さ」と思いがちだ。「寒さなんか気力で克服してやる」とも思いがちだ。
しかし、寒さに耐えることはできても、体には負担がかかっている。また、脳の活動も低下しがちだ。
では、どうしてそうなのか? 寒さは厚着によって十分に克服できるはずなのに、どうして上記のような問題が起こるのか? それは、私見によれば、次の三点だ。
・ 厚着をしても、顔・頭・手などは露出する。
・ 厚着をしても、足は冷えやすい。
・ 冷気を吸い込むことで、呼吸器が冷えやすい。
特に、最後の点は問題だ。前項で示した「寒さで免疫機能が低下する」ということは、まさしく呼吸器で該当する。気温が低いと、たとえ厚着をしても、冷気を吸い込んだ呼吸器は冷えてしまう。厚着では寒さを克服できないのだ。困った。どうする?
そこで、困ったときの Openブログ。解決のために、いくつかの案を出そう。
寒い部屋ではマスクを
寒い部屋ではマスクをするといい。戸外でマスクをするだけでなく、室内でもマスクをするといい。他人に感染させないためではない。自分の呼吸器を守るためだ。特に、保温のためだ。
冷気を吸い込むと、呼吸器が寒さにさらされる。そこで、マスクをすることで、呼吸器が冷気を吸い込まずに済むようになる。
特にお勧めなのは、(カラスのようにとがった形の)3Dマスク(立体マスク)を使うことだ。これによって、口のまわりに大きな空間ができる。そうなれば、そこに暖かな空気が滞留するので、口や鼻で冷気を吸い込む問題が緩和される。

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就寝前のエアコン
就寝前には寝室でエアコン暖房を効かせておくといい。1時間ぐらい暖房を効かせておけば、熱が家具や壁に蓄積されるので、熱が朝までもつ。そのことで、朝になっても 10度以上の室温が保たれるだろう。
実際、このようにしてから、私は冬の夜間で過ごしやすくなった。睡眠の質が向上したので、朝の目覚めもいい。
以前は、「寝ている間は寒さに気づかないから、冷気でもいいさ」と思っていたが、寝ている間に冷気を吸うと、体に負担がかかるので、睡眠の質が悪化してしまうのだ。
また、温度が高いと、喉が渇くことも減るので、加湿器の効果が向上したのと同様の効果がある。
※ とても寒いと、いくら加湿器で加湿しても、喉の乾燥を防ぎにくいものだ。
なお、エアコン暖房を使うときには、コツがある。普通に使うと、どうしても上部に暖気が滞留して、床のあたりには冷気が滞留する。だから、部屋の空気をときどき掻き混ぜて、暖気と冷気を掻き混ぜるといい。
扇風機やサーキュレーターを使うのも一案だが、手動で
起床後の暖房
起床後には暖房を使うといいだろう。特に、(エアコンでなく)ガス暖房を使うと、火力が大きいので、すぐに暖まる。また、朝は外気が低いので、エアコンを使うと、効率がよくない。いつまでたっても、なかなか暖まらないで、電気ばかりがやたらと消費される……という無駄にもなりがちだ。
朝だと、食堂(ダイニング)だけを暖めるということもあるので、専用のガス暖房機を使うのがよさそうだ。
ただし、FF式(強制吸排気式)のガス暖房機はかなり高価だ。一方で、室内で吸排気をするガス暖房機は格安だ。前にも言及したことがある。
「 FF式ではないガス暖房機を使う」
これだと、強制換気ができないので、室内の空気は汚れてしまう。だから、ときどき換気するか、窓に隙間をあけて常に少しずつ換気する必要がある。そういう難点はあるのだが、費用が抜群に安い。本体価格が2万円程度で、工事費込みで3万円程度で済む。
というわけで、ガスとエアコンの併用でも、安上がりになる。
で、これを使ってみたところ、やはり、ガス暖房機の火力の強さは圧倒的だな、と感じる。エアコン暖房機の方は、なかなか暖まらないのだが、ガスの方はすぐに強力な熱気が出る。
( → エアコン暖房とガス暖房: Open ブログ )
なお、子供のいる家庭ならば、FF式のガス暖房機の方がいいだろう。(人数が多いからだ。コスパを考えると、費用を人数で割り算できる。)
※ ガスは、配管工事がもともとしてあることが前提となる。配管工事がしてないと、新たに配管工事が必要となるので、工事費が加算される。(費用の相場は 10万円〜15万円らしい。)
エアコンの新旧差
エアコンの電気代はどうか? 古い機種だといっぱい電気がかかる。この件は、前にも言及したことがある。
→ エアコンで節電: Open ブログ
エアコンは、夏も冬も使うものなので、古いものは買い換えた方がよさそうだ。
使用頻度の低い部屋では、買い換えなくてもいいが、毎日のように使う部屋(寝室など)では、買い換えてもいいだろう。( これまでの使用年数しだいだが。)
温度計(寒暖計)
室温を測るには、エアコンの温度設定を見ればわかる、と思っている人が多いだろうが、そうでもない。なぜなら、部屋の上部と下部では、温度にかなりの差があるからだ。エアコンで 20度に設定していても、部屋の隅の下方では 13度ぐらいだ、ということは、ざらにある。
そこで、安価な温度計(寒暖計)で測ると、部屋の各場所の温度を測定できる。
→ アマゾン 温度計: Open ブログ
[ 付記 ]
オマケとなる話。
(1) マスク不要論
自民党で、マスク不要論を唱える人がいる。呆れる。さすが自民党だ。
→ 「国際会議でマスクしているの日本人だけ」萩生田氏発言| FLASH
(2) 節電要請
政府は「なるべく節電してください」と国民に要請する。「電力の需給逼迫を緩和するため」と。
だが、実を言うと、普段は節電の必要がない。節電をする必要があるのは、(雪国以外では)雪の降るような特別に寒い日だけだ。年に数日程度のことにすぎない。その数日だけ、節電をすればいい。他の日は、節電をしなくてもいいのだ。
→ 節電ポイントの無駄: Open ブログ
【 関連項目 】
前項では、寒さで免疫力が低下する、という話をした。
本項では、寒さで血圧や心機能に負担がかかる、という話をした。
どちらも寒さの悪影響を論じている。似たテーマの話だとも言える。
このあと、さらに次項でも、続きとなる話がある。(予定)
※ 本項ではお金のかからない話をしたが、次項ではお金のかかる話。本格的な改造計画。
→ 長生きしたければ「冬場の暖房代」をケチってはいけない…脳科学者が指摘する「脳がボケる部屋」の条件(プレジデントオンライン)
https://president.jp/articles/-/62954