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雪のなかで大量の自動車が立ち往生したことがあった。これを見て、
「エンジン車ならば大丈夫だろうが、EV ではどうなるか? 心配だ」
と思って、調査の実験をした記事があった。
大雪に見舞われた新潟県内の国道で先月、一時約800台の車が立ち往生し、38時間にわたって付近が通行止めになった。燃料の残量を気にしながら暖をとった人も多いはずだ。ネット上では当時、政府が脱炭素社会に向けて電気自動車(EV)の普及を後押ししていることを引き合いに、「EVのバッテリーは持つのか」との疑問の声が上がった。実際はどうなのか。
( → 大雪で立ち往生、EVは大丈夫? 実験すると 車内温度低め、一晩なら十分対応:朝日新聞 )
その実験結果はこうだった。
EV大手・米テスラの「モデル3」を3台使い、バッテリー残量80%の状態で実験スタート。設定したのは、(1)エアコンは20度(2)同18度(3)同16度でシートヒーターと車内の電源とつないだ電気毛布も使う――の3パターン。立ち往生が解消した後も自走する想定で、残量が10%になる時間を調べた。結果は、(1)33時間後(2)51時間後(3)40時間後(いずれも予測値)だった。
このことから「大丈夫」という結論を下した。

Stable Diffusion による画像
とはいえ、「バッテリー残量80%」というのが前提だ。現実には、バッテリー残量がもっと少ない状態の車もいくらかはあるだろう。バッテリー残量が少ないまま、急いであわてて道路に飛び出したら、天気予報通りに雪に降られて、立ち往生してしまった……という粗忽者も、いくらかは いるかもしれない。もしそういうふうになったら、命に関わる。大変だ。
困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。粗忽者のために、うまい案を出そう。こうだ。
「もともとバッテリー残量が少ないと判明したら、周囲の車への同乗を頼む。自分の車では生き延びられないとしても、バッテリー容量の多い他人の車では生き延びられるはずだ。だから、少し離れたところにある、他人の車に出向いて、依頼すればいい。乗せてください、と」
これは、男同士、または、女同士なら、可能だろう。もし断られたとしても、別の人に頼めば、何とかなるはずだ。命に関わるとなれば、助けてくれる人もいるはずだ。
では、まわりの車もみんなバッテリー不足だったら、どうするか?
その場合には、名案がある。それぞれの車に交互に同乗すればいいのだ。最初はAさんの車に。その後はBさんの車に。
こうすれば、2台の車を交互に使うので、バッテリーの持続時間は倍増する。二人がばらばらに2台の車をつかえば、6時間で電池が消耗するとしても、二人が交互に1台ずつを使えば、12時間も持つ。3人ならば、18時間だ。
というわけで、「同乗して、交互に使う」という方法をとれば、電池の消耗への対策ができるわけだ。これぞ、うまい方法だ。困ったときの Openブログ。

Stable Diffusion による画像
※ この画像を見ると、立ち往生しているのは、(大型の)トラックばかりだ。大雪の日には、自家用車で外出するような阿呆はもともといない、ということかも。
[ 付記 ]
雪のときの EV については、前に別項で詳しく論じた。
→ 雪と エンジン車・EV: Open ブログ
この記事の後半に詳しく記してある。その趣旨は:
・ NHK が実験した。
・ 雪でも一晩ぐらいなら十分に大丈夫。
・ 別途、大雪で EV の給電口が埋められる問題がある。
・ EV は基本的には寒冷地向きではない。
・ PHV を残すべきだ。
改めて考えると、やはり寒冷地では PHV を残すべきだ。教条主義的に PHV を禁止するべきではない。環境保護よりは人命の方が大事であるはずだ。そんな簡単なことがわからないのが、環境至上主義者だ。環境重視のためには人の命を奪ってもいい、という主義だ。これではプーチンと大差ないね。
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なお、反論もありそうだ。
「 PHV を許容することで、地球温暖化を容認するつもりか」
というふうに。
だが、これは成立しない。なぜなら、PHV が許容されるのは、冬の寒冷地だけだからだ。そういう地域と季節は、世界のなかでそれほど多くはない。全体の1〜2割ぐらいだろう。しかも、厳寒の日以外には電気で走行するはずだ。(ガソリン代を非常に高くすれば、ガソリンの使用量は激減するはずだ。)
むしろ、自動車以外の分野で、大量のガスや石油を使用しているはずだ。特に、暖房用途では、ガスや石油の使用がずっと長く続くはずだ。そちらを規制しないで、自動車の炭酸ガスのことばかりにめくじらを立てるのは、科学的・合理的な発想ではなく、ただの教条主義的なヒステリーであるにすぎない。
[ 余談 ]
「2台の車を交互に使う」という話の、似た話。
二つのハシゴを交互に使うと、月まで上ることができる。二つ目のハシゴを上り終えたら、一つ目のハシゴを吊り上げて、三つ目のハシゴとして使えばいい。こうして二つのハシゴを交互に使うことで、月まで上ることができる。……というのは、ホラ吹き男爵が語った方法。「私はこうして月まで行きました」
( ※ ハシゴではなくロープだったが。)
お金を払うと、何とかなるかもね。雪の日に出かけるなら、現金を持って出かけなくては。
あと、犯罪とかは無理でしょう。逃げようとしても、すぐにつかまってしまうので。雪の路上は、すごく広大な密室(牢屋)みたいなものだから、逃げようがない。
しかし、半分の人は、二人そろって初めて生き残れるのだから、交互に乗るしかない。一方だけが乗せるのではなく、交互に乗るのだから、お互い様だ。イヤだと言っている余地はない。二人とも生き残るか、二人とも死ぬか、どちらかでしかない。否応なしだ。
フル充電の人なら、お断りすることもできるけどね。