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ロシアがウクライナの都市をミサイル攻撃して、民間に被害が出ている。これでウクライナの人々はとても困っている。「耐えるしかない」と言っているようだが、それでは可哀想だ。困った。どうする?
いつも「困ったときの Openブログ」と言っているのだから、何とか、うまい案を出せないか? それとも、お手上げか? 世界中の人々が頭をひねっても、うまい案を出せないのなら、Open ブログもやっぱり駄目か? もはや降参か?
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そこで、順を追って考えよう。
現状では、ロシアのミサイル攻撃を止める方策は、「迎撃ミサイルで迎撃すること」でしかない。
しかし、「迎撃ミサイルで迎撃する」というのは、もともと非効率な方法である。敵のミサイルよりも、こちらの迎撃ミサイルの方が、圧倒的に高額だからだ。迎撃すればするほど、大損してしまう。前にも述べたとおり。
パトリオットミサイルはあまりにも高価であり、そんなもので敵の安価なミサイルを撃墜しても、意味がない。1億円のミサイルを撃墜するために、5億円の迎撃ミサイルを命中させるのでは、やればやるほど損してしまう。
( → 敵基地攻撃能力とミサイル防衛: Open ブログ )
では、どうすればいいか? 何か、うまい案はないか? それもまた、同じ項目の最後に記してある。こうだ。
というわけで、ウクライナがパトリオットのような迎撃ミサイルを使うのは、愚の骨頂なのである。むしろ、どちらかと言えば、中長距離ミサイルを使って、ロシアの軍事施設をミサイルで破壊するべきだ。ロシアの都市を攻撃するのは問題があるとしても、ロシアの軍事施設を攻撃するのは何ら問題がない。それこそ(敵都市でなく)敵基地攻撃能力だ。
そして、ウクライナがそのような能力をもてば、ロシアとしては、ウクライナのミサイル基地こそが、最大の攻撃目標となる。それゆえ、ロシアのミサイルを(誘蛾灯のように)引きつけることができるから、パトリオットのような高額なミサイルを配備する必要はなくなるのだ。
これこそが賢明な方針だと言える。(金をドブに捨てる愚行の逆だ。)
つまり、「中長距離ミサイルを使って、ロシアの軍事施設をミサイルで破壊する」という方法が正解である。(うまい案である。)
こうしてロシアの軍事施設をミサイルで破壊すれば、ロシアとしては、それを避けるために、ウクライナにあるミサイル基地を攻撃することが最優先となる。ロシアのミサイルはそこに引きつけられる。だから、ロシアのミサイルは民間施設に向かうかわりに、ウクライナのミサイル基地に引きつけられる。
要するに、ウクライナの迎撃ミサイルがロシアのミサイルに向かう必要はないのだ。ロシアのミサイルがウクライナのミサイルに引き寄せられればいいのだ。これこそが安価で確実な方法だ。
これはつまり、「攻撃は最大の防御」という方策である。(意味は本来の意味とはちょっと違うが。)
とすれば、西側がウクライナに供与するべきは、(高価な)迎撃ミサイルなんかではなくて、安価な中距離ミサイルなのである。それを大量に供与することで、ウクライナの都市への民間施設攻撃を避けることができる。
岸田首相は、防衛費倍増計画なんかを実施するより、今すぐウクライナにミサイルを供与するべきなのだ。(といっても、日本には中距離ミサイルはないけどね。 (^^); アメリカから購入して、ウクライナにプレゼントすることはできそうだ。)
[ 付記 ]
ロシアはウクライナからのロケット砲攻撃で大量の死者が出た、と声明した。
ロシア国防省は2日、ロシアが併合を宣言したウクライナ東部ドネツク州の都市マケエフカが、米国供与の高機動ロケット砲システム「ハイマース」を使ったウクライナ軍の攻撃を受け、軍関係者ら63人が死亡したと発表した。一方、ウクライナ軍は昨年12月31日夜にマケエフカを攻撃し、ロシア兵400人が死亡したと主張した。
ロシア国防省によると、ウクライナ軍はハイマース6発で攻撃。ロシア側は迎撃したが、4発が着弾した。
( → ロシア、ウクライナ軍の「ハイマース」を使った攻撃で63人死亡と発表 軍指導部の責任問う声も - 社会 : 日刊スポーツ )
HIMARS は、長射程の阻止砲撃用としてアメリカ陸軍が開発した装輪式自走多連装ロケット砲。
車体後部にM26 ロケット弾なら6発、MGM-140 ATACMS地対地ミサイルなら1発を収納。
( → HIMARS - Wikipedia )
ハイマースはロケット砲なので、中距離ミサイルを発射するわけではない。ウクライナ東部のロシア占領軍を攻撃するぐらいであって、ロシア領内部の奥深くまで到達するわけではない。それではロシアの危機感が足りない。
やはり、中距離ミサイルで、ロシア領内部の奥深くまで攻撃する必要がある。それでこそ「攻撃は最大の防御」となる。
※ 戦争の拡大を心配するかもしれないが、「ロシアの民間施設を攻撃しないで、軍事基地だけを攻撃する」と確約させれば、問題ないだろう。
※ ロシアが困って音を上げたら、「ウクライナの都市攻撃をやめたら、こっちも中距離ミサイル攻撃をやめてあげるよ」というふうに協定を結べばいい。部分的な停戦協定(武器行使停止協定)と言える。……これによって、都市攻撃を阻止できる。高価な迎撃ミサイルは必要ない。