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イーロン・マスクが辞任を決めた。先に公約したとおりで、(一時は駄々をこねていたが)最終的には公約通りに、辞任を決めた。当り前だが。
ただし、それを報じるマスコミが誤訳しまくっている。
「この仕事を引き受けてくれるバカな人を見つけ次第すぐにCEOを辞任する」(pcwatch)
「CEOを引き受ける愚かな人が見つかればすぐに辞任する」(FNN)
「CEOの仕事をやりたいという愚かな人が見つかりしだい、私はCEOを辞める」(NHK)
以上はすべて誤訳である。原文は下記。
I will resign as CEO as soon as I find someone foolish enough to take the job! After that, I will just run the software & servers teams.
— Elon Musk (@elonmusk) December 21, 2022
「 someone foolish enough to take the job 」を訳すれば、「この仕事を引き受けるほど愚かな人」となる。
つまり、「 enough 」という言葉があるので、「〜ほど」というふうに訳される。
なのに、上記の訳文には、「ほど」という語が抜けている。つまり、誤訳だ。
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ちなみに、ツイッターの自動翻訳機能 を使えば、こうなる。
「 CEOを引き受けるほど愚かな人」
ちゃんと「ほど」が入っている。つまり、機械翻訳は、人間の翻訳よりも正確だ。(相手は馬鹿なマスコミの人間に限定されるが。)
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ただし、マスコミのなかでも、朝日新聞 は例外だった。
「この仕事を引き受けてくれるほどバカな誰か」
と訳している。ちゃんと「ほど」が入っていた。さすがに朝日新聞だ。(中学生レベルの問題だけどね。)
[ 付記 ]
なお、「ほど」があるとないとでは、意味がまったく異なってしまう。
「ほど」あり …… 「自分にとって損なこと(労多くして益少なしのこと)をするほど愚かな人」という意味であり、自己犠牲をする献身的な人、という意味でもある。「馬鹿」という言葉を使っているが、実質的には称賛している。「愚直」というニュアンスに近い。
「ほど」なし …… 文字通りの「馬鹿」という意味である。侮辱表現でしかない。
マスコミは、この二つを区別できていない。言語力が貧困すぎるね。
というマスク流の洒落ですよね。
みんなまともに受け取っちゃダメでしょ。笑
あなたみたいに文意を正反対に誤読する人がいるから、本項ではちゃんと解説したのに、それでもまだ理解できない人もいるんですね。
マスクがただの馬鹿に CEO をまかせるわけがないでしょう。たとえば、あなたに CEO をまかせたら、ツイッター社はまちがいなく倒産して、マスクの6兆円はただの紙屑になります。そんなことをするわけがない。
その場合には、本当に馬鹿なのは CEO 引き受けた人よりも、マスクの方です。間違えてはいけない。