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18日午後1時ごろ、東海道新幹線の豊橋―名古屋間で停電が起き、東京―新大阪間の上下線で最大約4時間、運転を見合わせた。愛知県安城市の下り線で架線が切れたことが関係しているとみられる。JR東海は、同日午後11時時点で74本が運休、114本が最大4時間28分遅れるなどして約11万人に影響したとしている。
( → 停電、新幹線立ち往生 4時間不通、11万人影響 東海道:朝日新聞デジタル )
ずいぶんとひどい状況になったようだが、たかが架線の断線ぐらいで、これほどにも被害がひどくなったのが解せない。どうしてこれほどにも大きな影響が出たのかというと、次の二点が考えられる。
・ 在来線への乗り換えができない
・ ただの部分停止で、全面運休になる構造
こういう状況があるわけだ。困った。何とかならないか?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「架線が断線したのは、豊橋−名古屋間のみだ。だから、この区間だけで運休とすればいい。
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新大阪 名古屋 豊橋 東京
ここで運休となる 豊橋−名古屋間 については、在来線の列車(東海道線の特急や臨時列車)を使えばいい。
一方、それ以外の区間では、通常通り、新幹線を運行すればいい」
このようにすれば、特に問題はないはずだ。影響は激減するだろう。
たとえば、東京から新大阪に行く人は、豊橋まで新幹線で行って、豊橋から名古屋までは在来線の特急(または臨時列車)に乗って、名古屋から新大阪までは新幹線で行く。これで問題ない。
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ただし、以上のことを成立させるには、「折り返し運転」が必要だ。つまり、次のことが必要だ。
「東京から豊橋に着いた列車は、そこで引き返して、東京に逆戻りする」
「新大阪から名古屋に着いた列車は、そこで引き返して、新大阪に逆戻りする」
このようにできないと、豊橋や名古屋に着いた列車が戻れなくなって、行き止まり状態になり、滞留する。それではまずい。だから、その場で引き返せることが必要だ。
では、引き返すためには、どうすればいいか? 「上り線から下り線に移る」「下り線から上り線に移る」というふうに、路線を交替するための引き込み線が必要だ。
ところが、現実には、そのような引き込み線は設置されていないことが多い。たいていは、車両基地のある場所だけに引き込み線が設置されていて、他の場所には引き込み線が設置されていないことが多い。したがって、折り返し運転をしようとしても、できないのが普通だ。
ではなぜ、引き込み線が設置されていないのか? JR が金をケチっているからだ。
JR は、「誰もいない無人駅にバリアフリー工事をするので、莫大な金額の投資をする」という無駄な浪費をする。そのために、「大幅黒字の都心部の路線で、さらに輪をかけて値上げする」という愚行をする。それで都心部の駅でバリアフリーが進むのなら、まだわかるが、都心部の路線で値上げしても、それで都心部の駅のバリアフリーが改善されることはまったくない。なぜなら、都心部の駅のバリアフリーは、すでに実現しているからだ。都心部の路線で値上げするのは、客の来ない無人駅でバリアフリー化をするためなのだ。(それというのも、先にクレイマーみたいな身障者が大騒ぎをしたせいだが。)
→ バリアフリー化で運賃値上げ 1: Open ブログ
→ バリアフリー化で運賃値上げ 2: Open ブログ
→ バリアフリー化で運賃値上げ 3: Open ブログ
こういうふうにして、JR は莫大な金を浪費する。だから新幹線に引き込み線をつくるという必要な投資ができない。だから、たかが1箇所の架線断線で、東海道新幹線の全線が麻痺するという、馬鹿げた事態になる。
金の使い方を間違えると、こういうメチャクチャなことになるのだ。
[ 付記1 ]
すぐ上に述べたことには、異論があるかもしれない。
「バリアフリー化で値上げをするのは、JR東だ。東海道新幹線は、JR東海だ。経営母体が違うので、金の無駄ということにはならない」
まあ、理屈としてはその通り。ただしこれは、金の無駄遣いの例示の仕方がズレていた、というだけのことだ。
JR東海は、バリアフリー化とは別のところで、さんざん浪費している。それは「乗客のほとんどいない赤字路線に莫大な金をつぎ込む」という形でなされている。こんなふうに乗客の少ないところに大金を注入するぐらいなら、莫大な乗客のいる新幹線のために金を注入するべきなのだ。
なのに、そうしないから、冒頭の動画のように、莫大な数の乗客が被害を受けて、多大な影響が及ぶことになる。金のかける場所を間違えているわけだ。
[ 付記2 ]
「1駅ごとに引き込み線を付けるのは、数が多くなりすぎて、大変だぞ」
という批判が出るかもしれない。だが、大丈夫。新幹線の駅(小さな駅を除く)の数は、かなり少ないからだ。
換言すれば、新幹線では、駅と駅の距離はかなり長い。東京近郊の私鉄だと、駅間距離はかなり短いので、路線全体を取っても、たいした距離にはならない。たとえば、東横線の全線の距離は、「渋谷−横浜」間の距離なので、たいした長さではない。このくらいの長さは、新幹線の駅間距離と同じぐらいだ。
つまり、新幹線で1駅ごとに引き込み線を作ったとしても、その数は、東京近郊の私鉄路線の路線全体に引き込み線を作るのと、同程度の頻度にすぎない。距離的に見れば、たいしたことはないのだ。したがって、1駅ごとに引き込み線を作っても、金額的にはたいしたことにはならない。
通過のための引き込み線でなく、折り返し運転用の引き込み線のことです。それはかなりの場所が必要なので、駅構内には設置できず、駅から少しだけ離れた場所に設置する必要があります。
東横線だと、中目黒で地下鉄が折り返し運転をすることがあるが、いったん横浜方面に 100メートルほど移動してから、線路を換えて、下りから上りに転じます。V 字形の分岐がある。
https://x.gd/CZQgq
実際に、訓練もされているようですし。
https://trafficnews.jp/post/39711
引き込み線ですが、この先が不通になっているのでしたら
待避線に入らずとも、上り線から下り線(下り線から上り線)に
一旦入れば、折り返しは可能ですしね。
配線図を見ると、全駅にはポイントが無いのは確認出来ますけど。
https://www.haisenryakuzu.net/documents/jr/shinkansen/tokaido/
しかし、1か所が止まった時点で新幹線は数珠繋ぎになり、「のぞみ」「ひかり」も各駅停車になるでしょう。
さらに、折り返した列車が何号になるのか(来なくなった列車の番号を振るとダブってしまう)、指定席の人はどの列車に乗るのか、折り返し運転で列車の順番が狂ってしまった後、停電が復旧した際に元のダイヤに向けて回復できるのか…
考えれば考えるほど、「最寄り駅までは何とか運転して乗客が下りられる状態にする」位が関の山のように思われます。
> 1か所が止まった時点で新幹線は数珠繋ぎになり
それは渋滞学の示すとおりで、車間距離が短いと、渋滞が起こりやすくなります。渋滞を避けるには、車間距離を上げればいい。つまり、間引き運転すればいい。
全席自由席なら、それも可能だ。