ワンツーパスは防ぎにくい。攻撃側が圧倒的に有利だ。では、防御側はどうすればいい? なすすべがないのか?
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前項では、「ワンツーパスは防ぎにくい」と述べた。転載しよう。
ここで、エムバペのワンツーパスを見てみよう。( 00:25 〜 )
→ フランス - デンマーク|ハイライト
左サイドに出たエムバペ(10番)のそばを、別の選手が追いついて追い越す。そこにエムバペがパスを送る。すると、相手選手はエムバペにボールを返す。そのときにはすでにエムバペはゴールに近づいている。パスを受け取ると、シュートして、ゴールする。……これがワンツーパスだ。
このようなワンツーパスは、とても防ぎにくい。相手の DF は、エムバペを防ぐことばかりに熱中していたら、別の選手にボールが渡ってしまった。しかも、DF の最終ラインの裏に出ている。オフサイドのラインを破られてしまった。超やばい。あわてて、パニックになる感じで、その選手への対応に取りかかる。ところが、対応しようとしたら、その選手はすでにパスを出して、エムバペにボールを送っている。「しまった! 裏を掻かれた!」と思ったときには、後の祭り。すでにエムバペがシュートして、ゴールしてしまった。
こういうふうに、攻撃側が圧倒的に有利だ。
しかし、それでは防御側が困る。防御側はなすすべがないのか? 困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
現在のサッカーの守備の基本は、マンツーマンではなく、ゾーンディフェンスである。昔はマンツーマンが主流だったが、今ではゾーンディフェンスが主流となった。
だが、ゾーンディフェンスで相手選手に詰める(プレスする)と、ワンツーパスをされたときに、スペースができてしまって、かえって思う壺となる。敵の選手Aに詰めると、敵の選手Bがフリーになりがちだ。AからBにパスが渡って、詰める相手をAからBに転じると、今度はAがフリーになってしまって、相手の思う壺となる。かくて、基本的には防ぐ方法がない、となる。
そこで、敵がワンツーパスをするときには、ゾーンディフェンスをやめて、マンツーマンにすればいい。敵の選手AからBにボールが渡ったときに、選手Bにいっせいに詰めるのではなく、Aの選手にマンツーマンで張りつく人がいればいい。
具体的に言えば、エムバペのような FW に張りつく DF がいればいい。そしてエムバペのような FW を決してフリーにさせなければいい。
このとき、特に重要なのは、もう一人の選手Bの出すパスを予測することだ。BがA(エムバペ)に出すパスを予測できれば、そのパスをカットすることができる。特に、Bがパスするまではあえてスペースを作って、そこにパスを出すように仕向けてから、Bがパスボールを蹴る直前に、そのスペースに飛び込めばいい。こうすれば、飛んで火に入る夏の虫で、Aに向かって進んでいったパスボールを、途中でカットできる。いわば、
自分の足元に飛び込んできたボールを迎えるようにして。
ball
B ●───→ A
↑
自分
ここで何よりも大切なのは、Bの出すパスを予測することだ。こういう予測をするには、高度な知性が必要となる。ゆえに、守備をする人間は、頭がいいことが大切となる。やたらと体力で勝負するよりも、頭で敵のプレーを予測することが大事なのだ。ここでは「サッカーは知性のスポーツだ」という傾向を帯びることになる。
この点で特に優れた守備選手というと、長谷部誠の名を上げることができるだろう。彼は日本で評価されている以上に、ドイツで高く評価されている。
そして、その能力の由来するところは、彼の素晴らしい頭脳である、と私は考える。そのことは、次の各記事を見るとわかるだろう。
→ 「ハセは最高のレジェンド」フランクフルト長谷部誠 現地サポーターからは賛辞続々
→ 【ドイツの反応】「脱帽だ」長谷部誠、来月38歳も衰え知らずの活躍を見せ現地サポが絶賛!
→ 【ドイツの反応】「生きる伝説だ」38歳・長谷部誠のEL制覇にドイツ人が驚愕!絶賛の声!
→ 【海外の反応】「日本歴代最高選手は長谷部誠でいい?」
→ 海外「日本のカイザー!」フランクフルトが長谷部誠と契約延長へ!(海外の反応)
→ 「彼は日本のベッケンバウアーだよ」長谷部誠が戦術理解でリベロ開眼!
→ ベッケンバウアーと比較される長谷部誠は 現代を象徴するニュータイプのリベロ
頭のいい守備選手は、フィールドの支配者として君臨できる。それゆえ、38歳になっても「チーム最優秀の選手」として評価されるのだ。欧州 EL の優勝チームにおいて。
[ 付記 ]
ワンツーパスを守備の側が(マンツーマンと知性によって)阻止することができるとしたら、攻撃側はどうすればいいのか?
矛と盾みたいな関係で、あちらが上回れば、今度はこちら、というふうに考える。すると……
長谷部誠みたいな優秀な DF が現れると、ワンツーパスも防がれそうだ。そうなったら、攻撃側としては、やはりスーパーなプレーで対抗するしかない。つまり、メッシみたいな FW が、その個人技でドリブルして、敵の守備陣を切り裂くわけだ。このとき、フェイントを多用すると、守備陣は翻弄されてしまう。
では、メッシみたいな FW が出たら……そうしたら、まあ、普通にゾーンディフェンスやマンツーマンで対応するしかないが、メッシを止める方法なんて、そう簡単に見つかるわけがない。
それでも完璧な方法を求めるなら、一つだけ、メッシを止める方法がある。それは、こうだ。
「メッシに引退してもらうこと」
【 関連サイト 】
→ 【W杯】メッシの衝撃“2段階ドリブル” クロアチアDFがまるでアマチュアと海外絶賛「価値を3000万円下げた」
[ 余談 ]
W杯の決勝では、アルゼンチンとフランスが同点で、PK 戦で決着した。そのあげく、両者には大差が付いた。
→ アルゼンチン優勝賞金約59億円獲得、準Vフランスと17億円差
また、得点数の少ないメッシがエムバペを抑えてMVPに選出された。これもPK戦の結果のせいだろう。
しかし、PK戦で紹介を決めるというのは、興醒めだ。ひどいね。困るね。何とかならないか?
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
同点の場合には、得点を評価し直す。次のように。
・ 足や胴体による得点 …… 1点
・ ヘディングの得点 …… 0.4点
・ PK で得た得点 …… 0.7点
つまり、ヘディングや PK で得た得点を、普通のシュートによる得点に比べて、低く評価するわけだ。
この方法だと、今回の決勝では、ヘディングの回数はともにゼロだが、PK で得た得点はフランスの方が一つ多い。そこで、フランスの方が多く減点されるので、フランスの方が負けとなる。この場合は、PK 戦によらずに、アルゼンチンの優勝が決まる。
こういうことであれば、エムバペやフランスとしても、「 PK 戦の結果で負けたんだ」とは思わず、「弱いから負けたんだ」と思って、納得できるだろう。