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東京駅のほぼ駅前と、横浜駅のほぼ駅前に、小学校がある。あまりにも一等地なので、こんなところに小学校を設置するのは、いかにも無駄だ。どうするべきか? 個別に考えよう。
東京駅前
東京駅のほぼ駅前に、小学校がある。
東京駅八重洲南口前に8月、高さ240メートル、地上45階建ての「東京ミッドタウン八重洲」が完成した。
そんな東京駅前の新たな顔ともいえる高層ビル内に9月、中央区立城東小学校ができた。約170人の児童が、ビル南東部分の1〜4階で学んでいる。
敷地の一部は、もともと学校があった場所。そこで大規模な再開発事業が持ち上がった。移転しようにも都心では適当な代替地が見つからず、浮上したのが校地を提供し、代わりに学校がビルに入る案。旧校舎の取り壊し後、他校での仮住まいを経て、5年ぶりに元の八重洲に戻ってきた。
高層ビル内だけあって、さすがに土の運動場はない。それでも4階には、1周70メートルのトラックを備え、床をラバーで覆った「運動場」がある。
こうした珍しい環境が評判を呼んでか、公立校ながら「人気」も高い。というのも、同校は区が指定する「特認校」となっていて、校区外の児童も一部抽選で受け入れている。今年度は14人の枠に184人の応募があり、約13倍の高倍率となった。
オフィス街にある城東小は、08年には児童数が50人程度まで減ったが、今はその3倍超。スクールバスで通う子もいる。新校舎は旧校舎の1.7倍の広さがあることもあり、来年度の1年生は2学級分60人程度を受け入れる。「超都心」の小学校は、6年かけて全学年を2学級に拡大する計画だ。
( → 東京駅前、地上45階建てビルに公立小 倍率は13倍、高級ホテルも [東京インサイド]:朝日新聞デジタル )
超一等地に、多額の費用をかけて小学校を作る。それでも必要性があるのならまだわかるが、実際には必要性がほとんどない。もともとは児童数が全校で 50人程度まで減った。その後は増えたとは言うが、学区外の生徒(都心に通いたい生徒)を、域外から受け入れているからにすぎない。
つまりは、低コストの私立校みたいな扱いで、域外からのお坊ちゃま連中を受け入れているわけだ。通学にも不便なので、域外からベンツやロールスロイスの自家用車(運転手付き?)で送られてくる子供も多いようだ。
こんな超高級小学校のために、莫大な土地代と建設費を税金で投入するというのは、馬鹿げている。
とはいえ、地元にも、少数ながらも児童はいる。それを無視するわけにはいかない。困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。
まずは、地元の小学校を Google マップで捜す。
左にある城東小学校が、該当の小学校だ。これは必要ない。
中央上にある阪本小学校が、かわりになりそうだが、ここはちょっと小さすぎる。
右にある明正小学校は、広さもあって、好適だ。これをかわりにすればいい。通学には少し不便なところがあるが、路線バスがちゃんと通っているので、路線バスで通学すればいい。場合によっては、スクルールバスを通してもいい。スクールバスを無料で通すとしても、生徒数は少ないので、たいした費用にはならない。城東小学校を売却すれば、その代金で十分にまかなえる。(お釣りがたっぷり来る。)
こうして、「東京駅前に低層の小学校を建てる」という無駄をなくすことができる。
横浜駅前
横浜駅のほぼ駅前に、小学校がある。
横浜市立みなとみらい本町小学校(西区高島1丁目)は、全国でも珍しい「10年限定」の小学校だ。
JR横浜駅から徒歩10分ほど。日産本社やソニーの関連事業所などオフィスビルが並ぶみなとみらい21地区の一角に位置する。
( → みなとみらいの小学校、10年で閉校できず? タワマンが招く児童増:朝日新聞デジタル )
10年で廃止する予定が、市の予想がずさんだったせいで、予定通りに児童数が減少するどころか、逆に児童数がどんどん増えてしまって、廃止できなくなってしまったそうだ。それというのも、林立するタワマンに、若い夫婦が予想以上に大量に入居したせいらしい。
ならば、このまま廃止しなければよさそうに思えるが、もともと「 10年限り」という約束で建設したので、約束を反故にできない。そもそも、駅前の一等地に小学校を建てるというのも、無駄である。
困った。どうする?
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。
みなとみらい本町小学校の南東には、タワマンが林立している。(3D表示にするとわかる。)
ここから、みなとみらい本町小学校に通学する児童が多いわけだ。
これを廃止するとしたら、かわりに小学校を建設するような場所は、あるか? ある。東京駅前と違って、横浜駅のそばには、広大な未利用地がある。(埋め立て地だ。)
タワマンの並ぶ地域の北方には、高島中央公園がある。その西側と北方には、広大な未利用地がある。ここに小学校を建設できる。この位置は、タワマンからでは、徒歩約 7分間ぐらいなので、現在のみなとみらい本町小学校(徒歩約 9分間ぐらい)よりも、かえって近くなる。
さらに北方には、高島水際線公園もある。ここも、タワマンからは徒歩 10分ぐらいの距離だ。
いずれにせよ、十分に徒歩圏にあり、ここに小学校を建設することに、差し支えはない。
その分、現在の小学校(ほぼ駅前の一等地)を、廃止することができる。
[ 付記 ]
横浜の場合、タワマンの住民用に、小学校の土地を提供するのは、公費負担が大きくなりすぎる。金持ち住民のために、貧乏な横浜市が莫大な土地を提供するというのは、「金持ちを税金で優遇する」ということに相当するので、不当である。
そもそも、タワマンというのは、小さな土地を多くの建物で利用する(つまり容積率が高い)という形のものだ。そうするのは住民の勝手だが、そのあと、「子供のためには高額の土地を横浜市が購入して公立小学校を建ててくれ」というのは、虫が良すぎる。自分が一等地に住むために、多額の土地代を払うのは当然なのだ。同様に、自分の子供が一等地の小学校に通うためには、多額の土地代を払うのが当然だ。(受益者負担)
こういうことは、普通の土地では考慮しなくていいが、タワマン地域では考慮する必要がある。したがって、受益者負担の形で、タワマン住民には高額の特別賦課金を課するべきだろう。どうせ家賃に毎月 40万円ぐらい(および管理費 20万円ぐらい)を払える住民が多いのだから、特別賦課金で毎月 4万円ぐらいを徴収しても、どうってことはあるまい。その金で、小学校の土地を購入する代金にすればいいのだ。これで受益者負担となり、横浜市の持ち出しがなくなる。金持ちのために税金を多額に支出する、という無駄がなくなる。
※ ついでだが、タワマンに住んでいるからといって、住民税が特に多額になるわけではない。タワマンに住もうが、普通の市街地に住もうが、住民税は特に変わらない。(所得に依存するだけだ。)…… 差があるとすれば、固定資産税の分だけだが、その額は、たいして大きな差とはならない。