2022年11月16日

◆ 車内の置き去り死亡事故

 父親が2歳女児を自動車に乗せて、そのまま忘れてしまったせいで、死亡させた、という事故があった。その本質は?

 ──

 事実のあらましはこうだ。
 大阪府岸和田市で12日夕、乗用車内から意識不明の女児(2)が見つかり、間もなく死亡が確認された。大阪府警によると、女児の父親(33)が「保育所に送るために娘3人を車に乗せたが、女児だけ預けるのを忘れて帰った」と説明しているという。女児は姉妹2人とは別の保育所に預けられる予定だったが、そのまま車内に約9時間閉じ込められていた可能性があるという。
( → 父「保育所に預け忘れた」 車内にいた2歳児死亡 大阪:朝日新聞

 大阪府警は14日、司法解剖の結果、死因は熱中症だったと発表した。
( → 女児の死因は熱中症、車内に9時間放置か 大阪府岸和田市:朝日新聞

 より詳しい情報もある。
 この日午前8時ごろ、父親が娘3人を保育所に送るため、ワンボックスカーに乗せて自宅を出発。保育所に長女(4)と三女(1)の2人を預けた後、別の保育所に預ける予定だった次女を車に乗せたまま帰宅したという。
 午後5時すぎ、父親が同じ車で次女の保育所に迎えに行ったところ、保育士から「今日は来ていない」と言われ、車内を確認したところ、後部座席のチャイルドシート上で意識のない次女を見つけたという。
 父親は「次女を送るのを忘れて、家に帰ってしまった」と説明しているという。
( → 車内で長時間置き去りか、2歳女児死亡 父親「保育所に送り忘れた」:朝日新聞

 保育所の事情も報道された。
  岸和田市は14日、保育所が保護者に欠席を確認しなかったことについて、保育士が保護者に電話しようと受話器を上げた際に来客があり、連絡したつもりになっていたと説明した。
 市子育て施設課の溝端多賀子課長は「連絡できていれば、救えた命だったかと悔やまれる。重く受け止め、ご家庭との連絡を徹底したい」と話した。
( → 「降ろしたはず」誰にでも 車内に2歳女児、熱中症死 大阪:朝日新聞

 では、責任は誰にあるのか? 
 政府の担当大臣は「園の責任は重い」と園を批判している。
 小倉将信こども政策担当相は15日の閣議後会見で「保育園の方で登園管理をしてくだされば救えた命だと思っている。園の責任は重い」と述べた。
 小倉氏は「一義的には保護者の責任で子どもの所在確認を行っていただきたい」とした上で、保育所から保護者に連絡がなかったことに「救えたかもしれない命を救うことができなかったことは、非常に遺憾に感じている」と語った。
( → 2歳児死亡「園の責任は重い」「負担軽減へ努力」 小倉こども政策相:朝日新聞




 「一義的には保護者の責任」と言って親を批判し、次に「園の責任は重い」と言って園を批判している。要するに、「親と保育園が悪い」ということであり、「政府は悪くない」という主張だ。
 では、本当にそうなのか? 

 ──

 ここで名探偵の推理を示そう。こうだ。
 「犯人は、そういうおまえだ!」
 つまり、グダグダと他人のせいにしている政府こそが、真犯人なのである。意外なる真相。


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 なぜ政府が真犯人なのか? その理由は、こうだ。
 そもそも、子供が三人もいるなら、その三人は同じ保育園に所属させるべきだった。三人とも同じなら、置き忘れという事故が起こるはずもない。
 だが、事故が起こるかどうかということ以前に、利便性の点で、三人を同じ保育園に所属させるべきだったのだ。その方がずっと便利だからだ。(2箇所または3箇所に分散させていたら、親の手間が大変だ。)
 そして、このような優遇措置は、子供が三人ならば絶対に必要であり、また、子供が二人の場合にもなるべく必要だ。(特に一方が零歳児である場合には。)
 そもそも、現在は少子化であり、子供が二人いる家庭は多くはない。また、子供が二人になる家庭でも、最初の一人目が産まれた時点では、今のところは一人だけだ。というわけで、大半の園児は一人っ子なのだ。二人以上の子供がいる家庭はかなりの少数派だ。とすれば、二人以上の子供がいる家庭は、「同一の保育園に所属する」という点では、最優先で処せられるべきだ。他のどんな園児にも増して、優先されるべきだ。場合によっては、現在の園児を他の保育園に移転させてでも、二人以上の子供がいる家庭の子供を同一の保育園に所属させるべきだ。
 これこそが、政府・自治体のなすべき方針である。こうしておけば、家庭の負担は少なくなると同時に、置き去りが起こる事故が発生する可能性も激減する。
 なのに、政府・自治体は、そうしなかった。そのせいで、事故が起こった。──とすれば、真犯人は、政府・自治体なのである。特に、こども担当相こそが、真犯人の親玉、と言えるだろう。こいつが無能・無策だったから、事故が起こったのである。



 [ 余談 ]
 自分に責任があるくせに、親に最大責任があるように言っている担当相は、「人でなし」すぎる。
 あまりにもひどいので、恨まれそうだ。下手をしたら、安倍元首相のように、銃撃されたとしても、仕方ないぐらいだ。( ※ 別にそうしろと促しているわけじゃないけれどね。責任の重さを比喩的に感じてほしいものだ。)





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Stable Diffusion による生成画像
posted by 管理人 at 21:09 | Comment(0) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
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