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日銀の介入に効果がないことははっきりした。投機資金は巨額であり、そのなかで日銀が少額の資金を投入しても、焼け石に水ぐらいのこうかしかないわけだ。つまり、為替操作の効果はない。……そう判明した。
では、どうすればいいか?
「無効なことはやらない方がいい。やるだけ手間が無駄だ。おまけに外貨準備高が減ってしまって、信用が毀損してしまう」
というのが多数派の意見であるようだ。だが、ここで私は正反対の意見を言おう。こうだ。
「介入は無効だと判明したからこそ、どんどん介入をするべきだ」
なぜか? 介入が無効であれば、介入したことによる損失は発生しない。(相場下落による損失が発生しない。好きなだけ売れる。)
そこで、安く買った物を高く売ることで、差益が生じる。かつて 1ドル=80円のころに大量に買った(安い)ドルを、今では 1ドル=145円という高い値段で売れば、差額の 65円を利益として得ることができる。(相場の下落なしに。)
だから、大量に余っているドルを、今のうちにどんどん高値で売却すればいいのだ。そうすれば、多額の差益を得ることができる。(為替差益。)
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では、どうしてそれが成立すると言えるのか? 理由はこうだ。
「この先、円がさらに暴落するなら、今はドルを売るべきではない。だが、この先、円が高くなるなら(元の相場に回復するなら)、今はドルを売るべきだ」
ここで、「この先、円は高くなる(元の相場に回復する)」という見通しが成立する。その理由はこうだ。
「今はドル高だが、その理由は日米の金利差だ、と思っている人が多い。しかし違う。金利差はせいぜい年利3%であり、それが2年続いても、6%にしかならない。それが相場に影響する効果は、1ドルあたり 10円程度であるにすぎない。なのに現実には、25〜30円も高くなっている。金利差の分の 10円を差し引くと、15〜20円も過剰に高くなっている。
では、その理由は何か? もちろん、実需だ。つまり、石油や天然ガスの高騰だ。このせいで日本の輸入代金が異常に高騰している。貿易赤字も大幅に拡大した。
→ なぜ? 貿易赤字が過去最大 拡大の要因は? 影響は? | NHK

ところが、石油価格(およびそれに連動する天然ガス価格)の高騰は、すでに収まった。( → 前項 で述べたとおり。)
とすれば、日本が外国に支払う額も減るから、貿易赤字も縮小する。と同時に、円安も縮小する。
したがって、中長期的には円安傾向は収まっていく、と見通せる。これは、日米の金利差には影響されず、原油価格に影響される分だ。
なのに市場の投機資金は、日米の金利差だけで相場が決まると思い込んでいる。勘違いしている。そのせいで先行き円安になると見込んで、今でも円売りが多い。
しかし実際には、中長期的には円安(ドル高)は解消するはずなのだ。ならば、ドル高の今こそ、手持ちのドルを高値で売り払うべきなのだ。そうすれば、多額の差益を得ることができる。また、将来、円高が過剰に進んだときに、その円高を抑制するための資金を入手することもできる。
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前項では、「備蓄した石油を、高値のときに売って、安値のときに買えば、巨額の差益を得ることができる」と述べた。
それと同様のことを、(石油でなく)ドルについていても実施すればいいのだ。そのことで、相場を安定させる効果が生じると同時に、日本という国は巨額の差益を得ることができる。一石二鳥だ。
これぞ、うまい方法と言えるだろう。(困ったときの Openブログ。うまい案を出す。)
[ 付記 ]
実は、金利の効果も、かなり相殺される。(消えてしまう。)
なぜなら、物価上昇があるからだ。物価上昇があると、貨幣の数量が増えて、貨幣の価値が減少する。以前のドルに比べて、以後のドルは価値が減じている。その分、対外通貨に対して、通貨安になる。つまり、物価上昇が進めば進むほど、ドル安が進む。
このドル安を相殺するのが、金利高による通貨高だ。だから、金利高があっても、それはせいぜい物価上昇を相殺するぐらいの効果しかない。ゆえに「金利高によるドル高」という効果は、本来は生じないはずなのだ。「物価上昇によるドル安」と相殺してしまうからだ。
現状の「金利高によるドル高」という効果は、あまりにも過剰だと言える。それは現実を離れた勘違いによる投機のせいなのだから、やがては効果が消えてしまうだろう。とすれば、現在のドル高は、近い将来には消えてしまうと見込める。特に、原油の価格が上がって、OPEC が増産すれば(減産をやめれば)、ドル高は収束していくだろう。
統合政府として見れば似たようなものですが。
まあ、あまりに気にしなくてもいいのでは。