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JR が赤字路線の収支を公開した。それにともなって、本サイトでも先日、只見線の状況を調べたことがあった。
→ JR赤字路線の廃止: Open ブログ
このときは只見線を論じただけだったが、朝日新聞は(鉄オタ気質があるらしくて)、各地で現地の声を取り上げて、「路線廃止はいやだ」という各地の声を紹介している。シリーズ記事となっている。
本サイトでは、基本的には「赤字路線は廃止するべきだ」という方針だ。これまでも、北海道や四国の路線を廃止するべきだ、と論じたことがある。
→ JR北海道は路線廃止せよ: Open ブログ
→ JR四国は全面廃線せよ: Open ブログ
それにならって、朝日の記事について、個別に論じよう。
只見線 (福島県・新潟県)
只見線の記事は、下記だ。
→ 只見線 宝物が帰ってくるから:朝日新聞(地図)
只見線については、前項で独立して述べたので、そちらを参照。
→ 只見線の収益性: Open ブログ(前項)
木次線 (島根県)
木次線の記事は、下記だ。
→ 木次線 列車のそばに寄り添って:朝日新聞 (地図)
おろち号は、機関車の老朽化などを理由に、2023年度での運行終了が決まっている。その代替として、山陰線の観光列車「あめつち」の乗り入れが予定されている。ただし、乗り入れは亀嵩駅の一つ向こうの出雲横田駅まで。同駅の先には、列車が前進と後進を繰り返して急勾配を上る「3段式スイッチバック」区間がある。あめつちは車両の性能上、この急勾配を運行できない。
地図を見て、「宍道湖に行けなくなるのか、すわ大変だ!」とあわてかけたが、それは勘違いだった。北側の宍道湖の方は廃止されない。南側が廃止されるだけだ。
廃止されるといっても、山奥のあたりだけだ。中国地方では、山陰と山陽を結ぶ横断鉄道があるが、その横断鉄道が途切れるだけだ。
そもそも、山陰と山陽を結ぶ鉄道の必要性はほとんどない。相互の交流は少ないし、あるとしても、自動車で足りる。
秘境を訪れる鉄道がなくなると、寂しさを感じる鉄オタもいるだろう。だが、そういうノスタルジーのことはどうでもいい。赤字がなくなることの方が大切だ。
※ この件では、路線廃止が決まっているので、私としては特に論じることはない。
樽見鉄道 (岐阜県)
樽見鉄道の記事は、下記だ。
→ 樽見鉄道 駅の一部屋、寺子屋になった:朝日新聞(地図)
5年ほど前、穏やかな田園風景が広がる実家の近くに、大型商業施設ができるかもしれないとの話を聞いた
結局、何もないまま、田んぼだけがある風景が広がるばかりだ。
しかも、田んぼは猫の額ほどの面積しかなく、その周辺は山並みに囲まれているという、幅狭い峡谷の土地だ。
こんな僻地を鉄道が通っているということの方が不思議なくらいだ。バスに転換するよりも、峡谷の土地からはさっさと転出するべきだろう。さもないと、地球温暖化による洪水で、水死者がたくさん出てしまいそうだ。
ただ、Wikipedia を見る限りは、経営状況はあまり悪くないらしい。赤字の額は限定的であるようだ。第三セクター方式で支出を大幅に切り詰めている効果があるらしい。
ここは特に路線廃止の対象となっていないようだが、赤字が限定的であるのならば、現状維持でいいだろう。
※ この路線の南端は、大垣駅だ。青春 18切符の最終点として有名なところだ。また、ときどき寝過ごしてここまで来てしまって、困る人も出てくる。昔の話だが。
→ 「東海道線で夜寝過ごすと、大垣まで行っちゃうよ」と よく聞きましたが
※ 路線の北半分は僻地だが、路線の南半分は市街地なので、全体としてみれば、収益性はあまり悪くないようだ。将来、北半分は廃線になる可能性もある。
予土線 (愛媛県)
予土線の記事は、下記だ。
→ 予土線 生徒発、沿線に賑わいを:朝日新聞(地図)
駅近くの県立北宇和高校(生徒数255人)の存在は大きい。さまざまな行事で地域社会と繋(つな)がり、鉄道利用客の大半を占める生徒たちは、地域活性化や路線存続の「頼みの綱」だ。
予土線は100円を稼ぐのに1401円かかる赤字路線で、1キロあたりの1日平均乗客数は195人。JR四国は今後のあり方について議論を深めたい考えだが、町と高校は「廃線となれば学校の存続にも関わる」と危機感を募らせる。
地元の高校にとっては駅の必要性が高いようだが、一方では、赤字が9割以上にも達する超赤字路線だ。こうなると、廃止の必要性が高まる。
廃止すると困るか? 只見線と違って、豪雪にはならない。また、落石で不通になることもない。ほぼ併走する国道があるし、バスは通っている。ならば、代替バスに転じたとしても、「通学できなくなる」というような問題は生じないわけだ。
なお、報道によると、2022-09-05 の夜の時点で、台風11号の影響による大雨で電車は不通となり、代替バスが用意されたが、翌朝には不通が解消した。ダイヤに大幅な乱れがあるそうだ。
ということは、鉄道よりもバスの方が災害に強いことになる。この点、只見線の場合とは逆だ。鉄道がなくなってバスになっても、特に問題はないことになる。
鉄道を廃止したら、路線を道路にした上を走る専用バス( BRT )にしてもいいだろう。しかし人家は、線路沿いよりは、国道沿いにあるようだ。とすれば、素直に国道の代替バスを使う方がよさそうだ。
なお、記事にはトロッコ列車の写真が掲載されているが、その場所はここだ。
なかなか印象的な場所だ。四万十川も見えるし、いいところだ。ただしここは、道路からも見える。道路があれば、鉄道はなくなってもいいだろう。金を食いすぎるからだ。
なお、地図を見るとわかるが、現地は山奥の秘境とも言えるようなところだ。そんなところに鉄道を通す必要はまったくない。
記事にある高校は、予土線の西部で、海岸に近いあたりだ。このあたりは人口が多い。
また、予土線の東部でも、海岸に近いあたりでは、人口が多い。
ならば、予土線は、西部と東部の人口の多いところだけを残して、中央の秘境の部分だけを廃止すればいい。こうすれば、赤字は限定的になる。高校の生徒も困らない。それでいて、赤字額は大幅に削減される。……この方法がベストだろう。
大糸線 (長野県・新潟県)
大糸線の記事は、下記だ。
→ 大糸線 廃車になっても、愛してる(地図)
これは、路線廃止の話ではなく、旧型になって使われなくなったという、廃車の話。それも、古いディーゼル列車だ。
鉄オタのノスタルジーが書いてあるだけだ。アホくさ。今回のシリーズが鉄オタ気質丸出しであることの象徴だね。
(あとがき)
朝日の鉄オタ記事にさんざん付き合って、疲れたわ。
[ 付記 ]
本サイトでは、「赤字路線を廃止するべきだ」という立場から論じたが、この方針が実現する見込みはほとんどない。
かわりに JR東は、「黒字路線で値上げして、その収益で赤字路線の赤字を埋める」という方針を採用した。(本末転倒だが。)
そのせいで、今後も首都圏の黒字路線では、どんどん値上げの予定である。値上げされるのは、食品や電気代やガソリン代だけではない。輸入品価格とは関係のない JRの電車代まで値上げになるのだ。(理由はまったく別だが。)
→ バリアフリー化で運賃値上げ 1: Open ブログ
→ バリアフリー化で運賃値上げ 2: Open ブログ
→ バリアフリー化で運賃値上げ 3: Open ブログ
