2022年09月27日

◆ 安倍国葬を評価する

 安倍元首相の国葬が実施された。これをどう評価するか?

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 国葬の状況は、画像で見ることができる。抽象的な議論ではなく、具体的な事物であるからだ。目に見えないものは馬鹿には理解できないが、目に見えるものは馬鹿にも理解できる。
  ※ 若者がどうだ、とは言っていません。

 テレビはさすがに情報量が多い。8分間ぐらいの動画でも、相当の情報量がある。





 インスタでも、ほんの一部のダイジェスト版みたいな情報がある。(下記はインスタ)

 若い人はこういうのを見て、「国葬のことは、インスタで大量の情報を入手したぞ」と威張りそうだ。まあ、彼らが普段入手する情報量からすれば、これでも大量なのだろう。

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 新聞は、画像が少ないので、葬儀の状況を伝える記事はあまり多くはない。





 ただし画像にならない情報には強い。
 《 国葬の参列者4183人、一般献花者2万3千人 政府発表 》
 政府の「国葬儀事務局」は国葬の参列者が4183人、一般献花者が約2万3千人(午後6時時点)と発表した。いずれも速報値。

 午後4時までの予定だった一般向けの献花は、希望者の列が途切れなかったことから、3時間あまり延長して終了した。
( → 【速報中】 [国葬]:朝日新聞

 6時間で 2万3千人、という人間を動画で見せるわけには行かない。見せることができるのは一部だけだ。画像にならない情報は、文字(数字)で伝えるしかない。

 ――

 国葬の式次第の詳細は別として、国葬の全体をどう受け止めるべきか? それについては、今朝の朝日記事が興味深い。自民党員の感想がある。
 国葬は、故人が国民の弔意を捧げられることで、国民の統合がなされるべきだが、現実には政府が強行したせいで、かえって国民の分断を招いてしまった。……そういう趣旨だ。
 「国葬はもう時代遅れだということではないでしょうか」
 60代の女性党員はそう語る。
 女性にとって国葬といえば、55年前の吉田茂元首相だった。
 「私の周りでは、みなで弔意を示した。いま振り返ると一体感があった」と言う。
 安倍氏の国葬も「一度決めたからには実施した方がいい」と考える。だが一方で、「多くの人が納得して弔うことができなければ国民がばらばらになってしまう。政治家の国葬は、今回限りにしたほうがいいのではないか」

  20代の若い自民党員。
 「小学生の時から首相は安倍さんで、最も身近に感じる政治家だった」。だからこそ、その安倍氏を「悼む場であるはずの国葬」に対し、反対デモが相次ぐ状況に「胸が苦しくなる」と言う。
 岸田文雄首相の説明が歯がゆかった。
 安倍氏を思う。「自分の国葬をきっかけに社会の分断が深まっている。いまの状況を本当に望んでいたのでしょうか」
( → 国葬で世論分断「安倍さんは望んでいたか」 違和感抱く自民党員も [国葬]:朝日新聞

 国民を統合するべき国葬が、かえって国民の分断を招いてしまった。そういう皮肉な結果になってしまったわけだ。
 では、どうしてこうなったか? 

 ――

 私が思うに、たぶん、岸田首相のせいだ。首相本人には迷いがあったのだろう。前例からしても、国葬をやる気はなかったのだろう。もともとリベラルっぽいし、右派的な国葬には乗り気でなかったのだろう。しかし、「国葬をしろ」と麻生に強く言われた。そこで迷ったすえに、麻生の言葉に従うことにした。
  → 岸田首相に国葬を迫った? 麻生副総裁に批判の声「国会答弁はいつも理屈なしでめちゃくちゃ」
  → 岸田首相「国葬なんて誰が言いだしたんだ」だけじゃない! 繰り返されてきた “手のひら返し” の数々

 記事では「麻生に恫喝された」というふうに記述されているが、岸田首相にも欲念や下心(または打算)があったのだろう。「国葬にすれば、安倍派の支持も得られそうだし、自分にとっても得になるかな」と。

 こういう邪念にとらわれたせいで、「国葬はしない」という当初の自己判断を維持できなかった。政治的信念がなかった。意志薄弱で、軟弱で、他人の意見に左右される。その意味では、安倍元首相とは正反対の気質だと言えるだろう。……そして、それが、自らの墓穴を掘ることになった。支持率の暴落という形で、結果は具現した。
 他人の意見に左右されて、自らの墓穴を掘る。とうてい、首相の器ではない。二流の人物だと言える。東大をめざし続けたほどで、頭はいいのだが、国家のトップに立つほどの器ではないのだ。

 なお、逆のタイプが安倍元首相だ。頭が悪いのだが、自信満々で、カリスマ的な支持を得た。……その結果、支持率はとても高かったが、日本という国をぶち壊した。国民には大迷惑となった。
 そうならないだけ、ダメな岸田といえども、まだマシかもね。
 
 国葬の場における岸田の情けなさを見ていると、「死せる孔明 生ける仲達を走らす」という言葉を思い出す。走らされる岸田は、いかにも「小人物」だね。


kishida.jpg

posted by 管理人 at 23:45 | Comment(2) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
銃撃でなく、病死だったら国葬になっただろうか?
と、妻に言われて腑に落ちた。
Posted by へのへのもへじ at 2022年09月28日 00:42
遠い将来、息子が天皇制度改変して天皇も政治に参加できるようにして孫がその座に着いたらまさしく仲達ですな
Posted by かーくん at 2022年09月28日 07:02
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