2022年08月31日

◆ 節電ポイントのあれこれ

 節電ポイントで定額 2000円をもらえるという話はどうなったのか? もしかして、もらいそこねた?

 ――
 
 節電ポイントについては、世間ではろくに話題にならないまま、いつのまにか夏が終わってしまった。しかし、定額 2000円をもらえるという話もあったはずだ。もしかして、もらいそこねた?
 そう思って、調べてみたら……
 
 (1) 夏の節電ポイント

 夏の節電ポイントは、定額 2000円の還付はない。前年比で節約した分に対して、還元があるだけだ。前年と同様の使い方をしている限り、何も還元されない。
 そもそも、暑い夏に節電するなんて、馬鹿げているから、初めから節電する気はないし、だったら何も還元されないことになる。そうわかっているから、利用者もごくわずかしかいないそうだ。(5%程度)
 ゆえに、無視していい。

 (2) 冬の節電ポイント

 冬の節電ポイントは、定額 2000円の還付がある! 制度としては8月4日から始まるそうだ。ただし、事業者ごとに対応が異なる。受付は、東京ガスは 10月からだ。どうやら、開始はまだまだのところが多いようだ。一方、すでに開始したところもあるようだ。

 なお、受付は、スマホのアプリで受け付けるところが多い。たぶん SMS による認証つき。SMS が使えないと、もらえそうにない。また、もらえるのは現金ではなく、電子マネーになりそうだ。(詳細は事業者ごとに異なる。)

 ※ 東電は「早ければ8月中に」と公表していたが、結局、8月中には開始されていないようだ。9月以降らしい。



 【 補説 】
 ついでに、節電ポイントという政策について考えよう。
 朝日新聞は社説で、節電ポイントを批判している。
 電力不足への対策として、政府が「節電ポイント」への支援に動いている。ねらいは理解できるが、多額の予算を投じる割に、実効性に疑問が多い。目先のアピールを優先して拙速な仕組みにならないよう、政府と電力業界は熟慮すべきだ。
 現行の主な節電プログラムは、節電1キロワット時あたりの報酬が5〜10円程度の水準が多い。需給逼迫時に節電してもらえれば、事業者は高い値段の電気を調達せずに済み、負担が減る。その利点からみても、この報酬額は低すぎるといった指摘も専門家から出ている。電力業界は適正な報酬水準を伴う仕組みを考えるべきだ。
 一方政府も、報酬部分にも上乗せ補助をするという。条件や金額はまだ示されていない。一定の補助はあってもいいが、価格や市場の働きを活用するというこの手法の趣旨に照らせば、政府の役割は側面支援が基本だろう。補助頼みでは、持続的な仕組みにならない。
( → (社説)節電ポイント 実効性ある仕組みに:朝日新聞

 言っていることは、ごもっとも。単に「節電したら補助金を出す」というバラマキ政策では、実効性が薄い。にもかかわらず、政府は(バカの一つ覚えみたいに)やたらとバラマキ政策を繰り出す。あきれたものだ。
 とはいえ、かわりにどうすればいいか、うまい案が出ていないようだ。困った。どうする?

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう……と言いたいところだが、うまい案どころか、最も単純で初歩的な案を出そう。それは、中学1年生レベルの案だ。「一次関数」というやつだ。( x は消費電力で、 は電気料金 )

    a xb

 この一次関数において、係数の a b を最適化すればいい。次のように。
  ・ 消費電力にかかる係数 a は、単価である。これは高めにする。
  ・ b は、定額料金である。これは低めにする。

 現行制度では、b  は一定のプラス料金になっているようだ。ここで定額還付金の 2000円を、利用月数の5カ月間で割り算すると、1月あたり 400円。したがって定数は b  から b − 400 へと減少することになる。(ひょっとしたらマイナス値になるかもしれない。)

 ここで、新たに次のような料金制度にすればいい。
  ・ a は、現状に比べて、4割ぐらい高い値。
  ・ b は、現状に比べて、5000円ぐらい低い値。


 すると、次のようになる。
  ・ 電力消費の多い家庭は、単価の上昇が響くので、電気料金が上がる。
  ・ 電力消費の少ない家庭は、定額分の下落のせいで、電気料金が下がる。


  ※ 平均的には、12000円が4割増で、4800円増。
    そこから 5000円減。差し引きして トントン。

 ここでは、電力消費が多いか少ないかで、「平均よりも多ければ料金アップで、平均よりも少なければ料金ダウン」というふうになる。
 これは、「前年比で使用量が減ると、還付金が出る」という制度ではなく、単に平均値に比べて多いか少ないかで還付金の額が決まる。……そして、それでいいのである。
 というのは、前年に比べて節電する家庭が優遇されるべきなのではなく、毎年毎年常に節電している家庭が優遇されるべきだからだ。
 政府の方針は、「例年は浪費していて、今年だけ節約する」という家庭が、最も優遇されることになる。しかし、それは、公平性という観点からは好ましくない。
 前年比で節約するかどうかより、常に節約しているかどうかで決めるべきなのだ。つまり、単に電力消費量だけで還付金を決めるべきなのだ。

 ※ ただし家庭の人数で調整してもいい。しかし、そんな細かいことを考えなくてもいいだろう。子供の多い家には、別途、児童手当などで還付すればいいだけだ。

 ――

 《 加筆 》 
 上の新たな方式には、大きなメリットが五つある。
  ・ 参加の手続きが不要である。(自動的に参加となる。)
  ・ 国民全員が、漏れなく参加となる。(お年寄りが排除されない。)
  ・ もらえるのが現金である。(使いにくい電子マネーでない。)
  ・ 現金をもらう手続きが不要。(自動的に電気料金の減額)
  ・ 還付のための行政コストが不要。


 最後の点は、電通やパソナのような政商にとっては、金をかすめ取る機会が奪われることを意味する。国民にとってはありがたいが、(政府にたかる)政商にとっては困る。とすれば、(賄賂・献金をもらう)自民党にとっても困る。国民にとってはメリットとなるが、自民党にとってはデメリットとなる。……となると、実現は困難だ。
 とにかく、電通やパソナをもうけさせるゴミ事業ばかりが、実施されがちだ。五輪もそうだし、さまざまなコロナ対策事業もそうだ。( GoTo とかね。)……これらはいずれも廃止されない。そして国民はありがたがって、その金をもらう。自分で自分の金をもらって喜んで、「自民党様のおかげです」と感謝しながら、自民党に票を差し出す。


con-man.jpg




 【 関連サイト 】

 → 従量電灯B・C|電気料金プラン|東京電力

  ※ グラフに書くと、多段階の折れ線グラフになるので、先の一次関数は、領域別に別の係数を設定する必要がありそうだ。






posted by 管理人 at 20:52 | Comment(0) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
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