――
前項では「移動販売車」の話をしたが、ついでに「移動料理車」みたいなキッチンカーの話をしよう。こちらは僻地でなく都心にある。
都心のキッチンカーは是か非か?
いろいろ考えたが、功罪なかばするようだ。
・「うまい・安い・近い」で、利用者には便利である。
・ 業者は固定資産税を払っていない。
・ 本来ならば「公開空地」として建ぺい率の対象外の領域を勝手に使っている。
以上をまとめると、こうなる。
「安くて便利だが、それは、公共財を勝手に盗んで私物化しているからだ」
つまり、本来ならば、公開空地としての公園などに利用されるべき場所を、勝手に私物化しているから、払うべき負担を免除されて、「うまい・安い・近い」が実現できているわけだ。単純に言えば、「泥棒をすると、楽をして金儲けができて、お得だね」というようなものだ。儲かるかと言えば儲かるが、あまりにも非倫理的だ。
ゆえに「原則禁止」が妥当だろう。
――
しかしその一方で、例外としては認めてもよさそうだ。
・ どうせ昼休みには、公園としての用途は少ない。
・ 「うまい・安い・近い」によって、公共の役に立つ。
こういう利便性があるがゆえに、例外としては認めてよさそうだ。
そこで私の結論は、こうだ。
・ 昼休みの時間帯(2時間程度)に限って、許容する。
・ 固定資産税に相当するぐらいの金額を、納税する。
(1)時間帯
昼休みならば、「近くて便利だ」と思う人も多いので、公共の利益に合致する。しかし夜間は別だ。夜間はこんなところにたむろしていないで、さっさと帰宅するべし。ゆえに夜間営業は認められない。あくまで昼休みだけの営業だ。
調べると、時間帯については、現状でも十分であるようだ。おおむね、開始時刻が 11:30 であり、終了時刻は 13:30 〜 14:30 で散らばっている。2時間〜2時間半ぐらいであるのが普通だ。夜間にはやっていない。
→ ランチスケジュール | ネオ屋台村
※ 例外的に時間が長いのは、東京大学校内の屋台村で、午後5時までやっている。まあ、東京大学構内なら、問題は少ないだろう。どうせ空地はたくさんあるんだし。
(2)納税
残る問題は、「固定資産税に相当するぐらいの金額を、納税する」ということだけだ。これは、1日あたり 2000円程度が基準となる。家賃みたいなものだが、1日に2時間しか営業しないのであれば、あまり高額の納税は必要あるまい。それでも、応分の納税はするべきだ。(公共の空間を勝手に私物化するのだから、当然だ。容積率を違法に食い潰しているのも同然だ。)
なお、この納税手続きは、屋台村の運営業者を通じて徴収すれば、料金徴収は自動的に進むから、特に面倒はないだろう。(すべて運営業者が勝手にやってくれる。運営業者は、自分が払うのではなく、店子が払うだけだから、徴収手続きを代行しても損はしない。)
結論。
キッチンカーは、公共の資産を食い潰すので、無制限に許されるわけではない。昼休みの時間帯に限ってなら、限定的に認めていい。ただし、応分の納税をするべきだ。
※ 納税にともなって、料理の値段は1品 20円ぐらい値上げしそうだが、そのくらいは仕方あるまい。店を構えれば、100円ぐらいはコストがかかるのだから、20円程度は仕方ないだろう。
[ 付記1 ]
敷地の持主は、キッチンカーに対して「ショバ代」を取っているのだろう。だが、これは筋が通らない。「公開空地」にすることで容積率を得ているのだから、「公開空地」にするべき場所を営業活動に利用して利益を上げるのでは、筋が通らない。
もし敷地の持主が「ショバ代」を取るのならば、その場所を建ぺい率に算入した上で、建物の容積を削るのが筋だ。……とはいえ、現実にはそれは無理だろう。となると、現実的な対応策は、こうだ。
「キッチンカーに対するショバ代には、高率の課税をする」
通常ならば 40% ぐらいの税率だろうが、それを 80% ぐらいにまで引き上げてもいい。分離課税で。
本来ならば得るはずのない所得に対する課税なので、バクチ並みに高率課税をしていいのだ。
[ 付記2 ]
料理の料金は 700円程度が標準であるようだ。下記は本郷の例だが、丸の内でも同程度が多いようだ。(ただし、以前は 650円が標準だった。最近、50円ほど値上げしたようだ。)
毎週月曜日
— ミラーン☆ (@86millan) October 18, 2021
東大 目白台インターナショナルビレッジに出店してます。
11:30-14:00
都会のど真ん中ですがとても穏やかな空気が流れてます。
文京区目白台3丁目28-6
11:30-14:00
本日車両トラブルがありBIG号での出店です。
*毎週水曜日は東大本郷に出店#ネオ屋台村 pic.twitter.com/ui1YABg3fe